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カテゴリ:森羅万象( 88 )

 

不寛容の連鎖と社会的テロ

 無差別・理不尽な犯罪が増え、セキュリティを確保するために監視を強める方向にある。他人に対する不信に満ちた社会で、人はますます差別感・孤立感を強めるだろう。

 不寛容は大恐慌から二つの世界大戦に向かう時代に世界中に吹き荒れた。簡単に言えば、異質を敵視し排除する態度である。ユダヤ人の排斥しかり、黒人差別しかり。日本も例外ではない。

 いまの時代もその不寛容が次第に大きくなっていることを感じる。内に問題を抱えると外に敵を作って眼を外に向けさせることは、体制の常套手段だ。しかしそうした体制下では内もまた一致団結している訳ではなく、憎悪に満ち満ちている。つねにどこかに敵を作っておかなければならないからだ。

 非民主的な体制を持っている国に限らない。日本もいつの間にかそんな二重構造に絡め取られている。特に酷薄な政治家小泉純一郎による改革は、ポピュリズムを利用して、社会に不寛容を蔓延させた。国民の多数(気分として小泉を支持する者)に反対するものは排除してよいという意識を国民に植え付けた。不寛容な社会で人は差別されることを怖れ、他人を差別して安心する。差別される側に回りたくなければ、みなと同じことを言い、みなと同じことをしなければならない。それでも、つねに小さな差異を見つけ出して差別が起こる。いったん落ちこぼれ、差別される側に回ればもはやはい上がることができないと感じ、自死に追い詰められ、あるいは自暴自棄的な犯罪に走る者も出る。そこで犠牲になるのはむしろ弱い立場の人たちである。ますます社会は不寛容になり、差別を強める。このような犯罪に刑の厳罰化は抑止にならないだろう。むしろ極刑を望んで犯罪を起こすのだから、社会的テロと呼ぶべきかもしれない。

 誰もが秋葉原事件の被害者にも、加害者にもなりうる時代だ。被害者を出さないことはもちろんだが、加害者を生まないためにどうしたらいいのか、真剣に考えなければならない。

 私にも事件でなくなられた方々と同じ年代の息子がいる。理不尽にも未来を奪われた悔しさはいかばかりだろうか。衷心より事件で犠牲になられた方々の冥福をお祈りします。
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by greenerworld | 2008-06-10 14:14 | 森羅万象  

頭突きの因縁は続く─EURO2008組合せ

 なんということだろう。あのドイツワールドカップ決勝以来の因縁が、まだくすぶっている。EURO2008で予選に続いて、決勝一次リーグでもイタリアとフランスが同組になるとは。4チームずつ4組に分かれて戦う一次リーグ戦の組み合わせは、第一シードに開催国スイス、オーストリアに加え、ギリシア、オランダという最近のFIFAランクで順位を落としているチームが入り、強豪チームのシード順位が分散したため、たいへんおもしろいものになった。とくにC組は、イタリア、フランス、オランダ、調子を上げてきているルーマニアの組み合わせ。正直どこが勝ち抜け、どこが敗退したとしても不思議はない。

 個人的には開催国の一方であるB組のオーストリアを応援しているが、ドイツ、クロアチア、ポーランドとの組み合わせ、がんばっても3位止まりだろうなあ・・・。
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by greenerworld | 2007-12-03 11:16 | 森羅万象  

WC2010欧州予選、気の早い通過国予想

 2010ワールドカップの欧州予選組み合わせが決まった。欧州予選は53か国が6チームずつ9グループに分かれ(9組だけは5チーム)、ホームアンドアウェーのリーグ戦方式で戦い、各組1位が本戦出場、2位は成績上位8チームが1対1のプレーオフに回り、ホームアンドアウェーで勝った4チームが出場となる。合計13チームが本戦出場だ。

 直前の世界ランクで欧州内10位(世界12位)に落ちたイングランドが第1シードを外れたため波乱が予想されたが、案の定クロアチア、ウクライナとともに第6組“死のグループ”に入った。クロアチアは、イングランドがホームで迎えたEURO2008予選最終戦で破れた相手。これでイングランドは屈辱の予選敗退を味わうことになった。ウクライナはFWシェフチェンコを擁し、前回ドイツ大会ベスト8だ。EURO2008予選ではB組でスコットランドに次ぐ4位とこのところ低迷してはいるものの、実力は侮れない。

 他の組は比較的順当に第1シード国が出場を決めそうだが、波乱があるとすれば、このところ急激に力を伸ばしているルーマニアとフランスの組み合わせとなった7組か。ここには古豪セルビアも入った。もっとも2組のギリシャはイスラエル、スイスといった実力伯仲国と、4組のドイツもヒディンク率いるロシアと同じ組になり足下をすくわれかねない。オランダは9組、この組は1チーム少ないため下位相手に勝ち点を積み上げられない。スコットランド、ノルウェー相手にホームで確実に勝つことが必要だ。

 で、気が早い予想を。まず、各組1位通過は1組から順にポルトガル、ギリシャ、チェコ、ドイツ(ロシア)、スペイン、クロアチア(イングランド)、フランス(ルーマニア)、イタリア、オランダと第1シードが独占(ただし、番狂わせも)。各組2位同士の対戦で残るのが、ロシア、イングランド、ルーマニア、もう1チームは思い切って伏兵スコットランドを推す。ただし2位からの勝ち上がりは組み合わせによってだいぶ変わる。イングランド─スコットランドなんていう対決もあり得るし、スウェーデン、ポーランド、トルコにも十分可能性があり、EURO2008に続いて、イングランドがワールドカップにも出場できないという事態も否定できない。これじゃ予想になってない?

 予選は来年8月から始まる。おっとその前の6月にはEURO2008がある。その組み合わせは12月2日に決定。予選が佳境を迎えるまでにはまだ間があので、それまでにいま不調の実力国も立て直してくるだろう。サッカーにおける欧州の地位は、この切磋琢磨が築き上げている。予選の組み合わせを見るだけでこれだけ楽しめるのは、さすが欧州というほかないです。えっ、アジア? 盛り上がるのは最終予選からでしょう。

欧州予選の組み合わせはこちら
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by greenerworld | 2007-11-26 12:27 | 森羅万象  

守屋前次官のエネルギー収支

 背広組とはいえ、自衛官の立場にある防衛省幹部にしてはずいぶん肉(脂)付きのよい“ゆるんだ”人だなあと思っていたが、脂肪分は山田洋行やミライズからの月百万円にも及ぶ接待でたまっちゃったんですねえ。当てずっぽうだけど、前次官の体重90kg(もっとありそう)、体脂肪率30%(こちらももっとありそう)として、体脂肪は27kg。そのうち脂肪分が22kgで、約20万kcalに相当。接待でたまった脂肪はエネルギーにして7万kcalくらいでしょうか。いやきっともっとあるな。

 一方前次官、せっせとこれも接待のゴルフでエネルギー消費をめざしたようです。でも「家庭の医学」というサイトによれば、ゴルフのエネルギー消費は1ラウンドで500kcal程度なので、脂肪56gくらいしか減らせません。月に4回通ったって、夜の接待が多くちゃ、差し引きは大幅にプラスだったということですね。
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by greenerworld | 2007-11-12 00:03 | 森羅万象  

あれは拉致だったんだろうか?

 今ごろになるとふと思い出すことがある。いや、そうではない。すっかり抜け落ちていた学生時代のある出来事の記憶が、5年前突然よみがえったのだ。

 20歳の9月。定期試験を控えた朝、アパートを出て大学に急いでいた。そのころ住んでいたのは大学の裏門から徒歩15分ほどのぼろアパート。そのまわりはごちゃごちゃした下町だったが、少し歩くと邸宅が立ち並ぶ閑静なお屋敷街で、その中を抜ける坂道が通学路。日中でも人通りはほとんどなかった。

 大学に向かって坂道を上っていくと一台の乗用車がゆっくりと追い抜いて、1〜2メートル先で止まった。助手席と後部座席のドアが開き、スーツを着た男が二人降りてきて、話しかけた。

 「宝石を買わないか。事情があって安く売っている」

 宝石? 何言ってるんだこいつら。いくらまわりがお屋敷街だって、姿格好を見れば貧乏学生だってわかりそうなものなのに。これは詐欺の類か、関わらないのがいちばん……。

 「けっこうです。興味もありませんし」

 「そういわず、見るだけでも。車の中にたくさんあるから」

 男は腕をつかんで車に乗せようとする。誘拐か? 勘違いするなよ、俺はこのあたりのお屋敷のお坊ちゃんじゃないぞ。

 車は坂の上を向いて停車している。男の手ををふりほどき、きびすを返して走りだした。坂の下には商店もある。交番もある。とにかく全速力で走った。

 坂の下に着いてようやく振り返った。誰も追ってきてはいなかった。交番に飛び込み、今あったことを説明すると、パトカーで本署まで連れて行かれ、事情聴取を受けた。試験前なのに講義を何コマか棒に振ってしまったのが痛かった。だがすぐにそのことも忘れてしまった。
 
 5年前の2002年9月、小泉首相(当時)が電撃的に北朝鮮を訪問し、拉致被害者の蓮池さん夫妻、地村さん夫妻、曽我ひとみさんらと面会、5人は翌月帰国した。

 蓮池・地村夫妻が自分と同年代だったため、それまで他人事だった拉致問題が俄然身近に感じられた。そのころ様々なメディアで取り上げられた情報で、日本海側の海辺だけではなく、都市で拉致されたケースもあると知った。

 そういえば、あれはいったい何だったのだろう。20歳の9月に東京の片隅で自分自身に降りかかった事件を、心臓の高鳴りや高揚した気分とともに思い出した。詐欺や誘拐にしては状況が不自然だ。だからといって、それ以外の何か別の事件だったという確証もない。ただ、あのときの自分の判断はけっこう冷静だったなと思うだけなのだが。
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by greenerworld | 2007-09-24 00:03 | 森羅万象  

濁流渦巻く台風一過の多摩川

 台風9号は強い勢力を保ったまま7日未明小田原付近に上陸、北上した。わが家でも非常食の頭脳パンを買い込み、手回し充電ライト&ラジオに家族交替で充電するなど、最大級の警戒態勢をとった。しかし、通過コースではわが家をほぼ直撃したはずだったが、雨はともかく風はさほどでもなく、思ったより静かな夜だった。

 ただ、奥多摩では一昨日から相当な雨が降っており、多摩川上流の小河内では72時間降水量が694mmに達している(デジタル台風:アメダスイベント検出)。近くの多摩川でもかなりの増水。写真は福生市とあきる野市の間に架かる永田橋付近の今朝の状況。濁流が橋げたを叩き、河原も完全に水没している。今後水かさが増えることも予測され、下流では避難勧告も出された。

 皆さんのあたりはいかがでしたか? まだまだ十分にお気をつけください。
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by greenerworld | 2007-09-07 08:55 | 森羅万象  

友の死

 Tさんの奥さんから電話があった。覚悟はしていたが、そのときが来てしまった。もう一度酒を酌み交わせる日を待っていたが、ついにかなわなかった。

 オゾン層の破壊や地球温暖化問題がそろそろメディアでも取り上げられ始めていた90年ごろ、Tさんは環境問題の深刻さに衝撃を受け、子どもたちにどんな未来を残してやれるのかと危機感を抱き、宝石貴金属貿易会社のやり手営業マンから無謀にも脱サラした。選んだのは全く専門外の自然エネルギーの普及。太陽熱温水器やようやく使われ始めたばかりの太陽光発電システムの設置を手がける事業を始めたのだった。Tさんとはそのころ知り合い、意気投合した。面倒見が良く、そして自然エネルギーへの思いを熱く語る人だった。

 新しい事業は決して平坦な道ではなかったと思う。それでも彼の人柄と熱意、責任感にひかれて顧客が顧客を呼び、彼の手で多くの屋根に温水器と太陽電池が乗った。日本の自然エネルギー普及に果たした彼の功績は、決して小さくない。自然エネルギー事業協同組合理事長としても多忙を極める毎日だった。

 病気がわかったのは昨年秋、末期の食道癌だった。治療に専念し食道癌は直したが、希望が見えたのもつかの間、転移した肝臓癌がTさんの命を奪った。

 わが家の屋根に乗っている温水器と太陽電池もTさんに設置してもらったものだ。この夏は日射が多く、どちらもよく働いてせっせと温水、電気を作り続けてくれている。これからも、作り続けてくれるだろう。そして、湯につかるたび、発電モニターをみるたびに、Tさんを思い出すことだろう。

 この夏の輝く陽光の中で、旅立ったのはいかにもTさんらしい。ごくろうさま。安らかにお眠りください。

 法師蝉鳴き初めし日なり 友永眠(ねむ)る 虫魚
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by greenerworld | 2007-08-15 18:03 | 森羅万象  

格差社会と戦争

 ベトナム戦争帰還兵で、いま反戦を訴えて活動しているアレン・ネルソンさんの話を聞いた。印象に残った話をいくつか。

 「軍に入隊するのは教育も受けられず、仕事もない貧しい若者」

 「貧しい若者は、お金になる、仕事の技術が身につく、外国に行ける(笑)といって、リクルートされる」

 「入隊すれば自分の頭で考えず、ただ命令を聞き、確実に敵を殺すことだけを徹底的に教え込まれる。やがて戦場に行って人を殺せることに喜びを感じるようになる」

 「米兵による犯罪が絶えないのは当然。彼らは攻撃的になるように訓練されているのだから」

 「戦争は、軍は兵士の人格を破壊する。無事に帰ってきたとしても、従軍した兵士は皆心を病んでいる」

 「エリートは戦闘とは無縁の場所にいて、彼らをチェスの駒のように使い捨てるだけ」

 豊かな若者は兵士にならないし、なる必要もない。戦争をし続けるためには、貧しさを再生産し続ける必要がある。そのためにはアメリカは格差社会であり続けなければならない。そこで気がついた。小泉構造改革が日本に格差拡大をもたらしたことは、そういう意味があったのか。その後継者が戦後の総決算を掲げるのは、その仕上げなのか。なんだか背筋が寒くなった。
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by greenerworld | 2007-06-25 20:46 | 森羅万象