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カテゴリ:環境汚染( 13 )

 

マラカイトグリーン

 もう15年ほど前の話。

 そのころ話題の某大型ショッピングセンターに行き、魚屋さんで水槽で泳いでいる魚を買って帰ってさばいたら、腹から半分溶けた緑色の錠剤が出てきた。マラカイトグリーンですよ。いま中国産ウナギで問題になっている抗菌剤。病気の予防のために水槽の中に放り込んだ錠剤を、たまたま魚が飲み込んじゃったということではないかと思う。

 でも、そのときは問題にもしなかった。学生時代、研究室でマラカイトグリーンてけっこうポピュラーな薬品だったしな……。薬浴といって、魚を消毒するのにマラカイトグリーンを溶かした水にしばらくつけ込んでいた。日本の養魚場でも少し前までマラカイトグリーンはよく使われていたはず。だからといって中国産ウナギを擁護しているわけではありません。ただ、日本でも農薬を始め有害薬品、汚染物質に対する規制は遅れ遅れで、マラカイトグリーンも発ガン性や催奇形性から養魚への使用が全面禁止になったのは2005年。まだ2年しかたっていないのだ。中国では普通に使っていると考えるのが当然でしょう。国情の違いを考えれば、これだけで中国人(全般)はけしからんと声を荒げるのは、どうかなと思う。むしろ、中国なしでコンビニエンスな日本の日常生活が成り立たなくなっている現状の方を、憂慮すべきではないのだろうか。北京にお米を売りに行っている間にね、ばんそうこう大臣。
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by greenerworld | 2007-07-28 10:01 | 環境汚染  

懸念される中国の環境汚染

 中国政府は最近二つのレポート発表した。その一つ、初めての本格的な土壌調査によれば、年間1200万トンの穀物が土壌からの重金属に汚染されており、その経済的な損失は200億元(約3000億円)に上るという。汚染された耕地面積は全耕地の10%にも及ぶ。

 汚染の原因の一つが石炭プラントで、中国では年間20億トンにも上る石炭が燃やされているが、それによって石炭に含まれる2000トンもの水銀が環境中に放出されている。中国の石炭燃焼起源の汚染物質は、大気に乗ってアメリカにまで及んでいる。中国起源の水銀によってアメリカの土壌までが汚染されているというのだ。

 もう一つの揚子江の調査も気がかりな結果である。揚子江の10%の水域が危機的状況にあり、支流の30%はひどく汚染されているという。揚子江の生態系は回復不可能なほどダメージを受けており、1950年には42万7000トンあった揚子江からの水揚げは1990年には10万トンに低下してしまった。ダムの取水による水位の低下に汚染が加わって、水はどす黒い。食料だけでなく安全な飲料水の確保にも問題がある。

 経済成長の陰で深刻化する中国の環境破壊。中国国民の健康被害も表に出てている以上にひどいようだ。環境破壊のインパクトは世界に及んでいる。この時期猛威をふるう黄砂もその一つだが、日本は中国に近いだけに直接・間接にその影響を受けているはずだ。中国から輸入される多くの農水産物やその加工品も実体は不明。日本近海でとれる水産物の水銀汚染だって、その何割かは中国起源かもしれない。脅威としてとらえるだけでなく、隣人としてなすべきことを考えたい。

 参考:World Watch Institute:http://www.worldwatch.org
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by greenerworld | 2007-04-27 08:37 | 環境汚染  

バイオエタノールが増えると魚がとれなくなる?

 アトラジンはアメリカではトウモロコシ畑で大量に使われている除草剤だ。人間に対する毒性も指摘されるが、アフリカツメガエルに対して微量で内分泌攪乱(環境ホルモン)作用を持つという報告もある。そのアトラジンが、回り回って沿岸域の生態系を貧しくしている可能性があるという研究が、NOAA(アメリカ海洋大気局)のサイトに紹介されている。

 アトラジンの除草作用は、植物の光合成を阻害することで発現する。もう少し詳しく言うと、光化学系IIにおける電子の伝達を阻害することで、雑草は栄養不足に陥り枯れてしまう。植物プランクトンも光合成の機序を持っているので、水系に流れ込んだアトラジンが、植物プランクトンの光合成を阻害することがあり得る。すると、植物プランクトンを食べる動物プランクトンや貝なども少なくなる。さらにはそれに連なる魚類などより大型の動物も減ってしまう。

 日本でもゴルフ場などでアトラジンが大量に使われている。ゴルフ場大国で雨が多い日本では、アトラジンが河川にさらに沿岸域に相当量流れ出している可能性が高い。アメリカと同様のことは当然起こっているだろう。各地で問題になっている、海藻が消失してしまう磯焼けという現象も、原因はさまざま取りざたされているが、除草剤など農薬の影響があるかもしれない。海藻は魚や貝の食物となるだけでなく、産卵場や稚魚の隠れ場ともなる。

 太陽エネルギーを使って炭素を固定するのが植物の働き。その生産性が低くなり、沿岸生態系のベースが貧しくなれば、当然それに連なる生態系(水産資源)も貧しくなる。それはひいてはわれわれに降りかかってくる。「バイオエタノールが増えれば魚が減る」、「ゴルフ場が増えれば魚が減る」なんて話も、まんざらこじつけではなさそうだ。
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by greenerworld | 2007-01-28 10:38 | 環境汚染