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カテゴリ:エネルギー( 93 )

 

水素社会が実現しない4つの理由

 電気自動車にスポットライトが当たる一方で、一時あれだけもてはやされた燃料電池自動車の影が薄くなった。10年前に発表された経産省の「燃料電池戦略研究会」の報告では、2010年には5万台の燃料電池車が走っていることになっていた。もちろん、現在市販されている燃料電池車はない。燃料電池で走る車というコンセプト自体が虚構だと考えているブログ子としては、この分野に莫大な予算を注ぎ込むことに反対であり、それこそ仕分けを必要とすると思っているが、ここへ来てまた新たな水素利用実証事業のニュースが報じられた。燃料電池の技術的課題解決以前に、きわめて引火しやすいという点を別にして水素を燃料に使うことには根本的な問題がある。このことは3年以上前にも書いた(http://greenerw.exblog.jp/6553878)が、あらためて「なぜ水素社会は実現しないのか」、理由をまとめておきたい。

 1)水素ガス資源は地球上に存在せず、水素は何らかの化合物からエネルギーを使って取り出さなければならない二次エネルギーである。つまり電気と同じ。それを燃料電池で電気に変えるのは、二次エネルギーである水素を使って、二次エネルギー(この場合は三次エネルギー?)である電気をつくるという工程の多いむだなことをするわけだ。水素を化石燃料(炭化水素)から取り出せば化石燃料単体で使うよりも総合効率はむしろ低いし、CO2も発生する。資源の限界からも逃れられないので、この方式は解決にならない。

 2)では太陽光や風力のような再生エネルギーを使って、電気分解で水から水素を取り出すという方法はどうだろうか。電気分解に電力を使い、それで得られた水素を使って燃料電池で電気をつくる。つまり、再生可能エネルギー→電気→水素→電気という変換になる。電気から水素で7割程度、水素から電気で理想的な5割の効率だとして、総合効率は35%。3分の2が失われる。実際に屋久島で行われた実証実験では、総合効率が22%だった(「屋久島水素ステーションプロジェクト活動報告」2006年3月→リンク切れ)。そのまま電気をバッテリーに貯めて使った方がいいことは誰の目にも明らか。

 3)水素の体積エネルギー密度はガソリンの3000分の1。逆に言えばガソリンタンク並の容器に搭載するには、3000分の1に圧縮(あるいは液化)しなければならない。そのためには極低温と超高圧を必要とし、大きなエネルギーを使うことになる。ここでまた相当のエネルギーロスが生じる。

 4)水素は宇宙でもっとも軽くて小さい物質で、極微少な空隙であっても通り抜けてしまう。もし天然ガスやガソリンのようにパイプラインを使ったら、大量の水素が大気中に漏れ出るだろう。それどころか水素は大気圏を突き抜けて宇宙空間に拡散してしまう。

 このように「水素社会」のかかえる問題は子どもでもわかるシンプルな問題ばかりだが、国や大企業はなぜ固執するのか。その答えとなりそうなのが、一つはオフピーク時の余剰電力のストックとして水素に変換しようという考え。これはしかし蓄エネルギーとしては効率が悪すぎて、コストから考えても見込みはなさそう。もう一つが「原子力水素」というキーワードだ。原子力発電による電気で水を分解するのでは先に見たように非効率。ところが高温ガス炉(900℃以上)の熱を利用した高温熱化学分解という技術を使えば、エネルギー変換効率の上限はカルノー効率となるため、理論上は60%以上の変換効率が期待できる。

 f0030644_20141489.jpgつまり水素社会=原子力社会という構図で、どうもこのあたりがドライビングフォースになっているような気がする。しかし原子力水素製造には技術的に解決すべき課題が山積しているし、もし実現したとしても使用済み核燃料の問題は残る。

 それなのに水素利用に突き進むのは、原子力の平和利用の初期の頃、夢のエネルギーと礼賛されたことを想起させるものがある。

 追記:2015年8月4日に『「水素社会」はなぜ問題か』を上梓いたしました。ここで触れた水素社会、水素エネルギーの問題点をわかりやすく解説しています。ぜひお読みください。
 (2015年8月4日記)

 http://www.iwanami.co.jp/book/b254468.html

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by greenerworld | 2010-12-14 13:30 | エネルギー  

世界最大の太陽熱発電所

 太陽熱は太陽熱でもこちらはスケールの大きな話。カリフォルニア州のモハベ砂漠の一角イバンパで、世界最大の太陽熱発電所(CSPプラント)の建設が始まり、10月27日にシュワルツェネッガー州知事も出席して起工式が行われた。

 モハベ砂漠はカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州にまたがる広大な砂漠で、イバンパはネバダ州との州境付近にある窪地で、大雨の後にだけ出現するイバンパ湖がある。
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 計画では、3つのプラントが建設される予定で、BrightSouce Energyが建設を手掛ける。同社はイスラエルのネゲブ砂漠に4~6MWのプラントを建設している。イバンパ発電所の合計出力は392MW(39.2万kW)と、これまでに建設された太陽熱発電所のどれよりも大きい。ヘリオスタットと呼ばれる反射鏡が太陽光を反射させてタワーに集光させ、これにより高温を作って蒸気で発電するタワー集光型のシステムだ。ヘリオスタットの数は合計で34万7,000枚にも及び、設置面積は3,500エーカー(約14平方km)と広大だ。2013年に完成予定。

 太陽熱発電は砂漠のような乾燥地帯に向いた技術で、かつて日本でもサンシャイン計画の中で検討されたことがあったが、曇りや雨の多い天候では効率が悪く、採算がとれないことから撤退した。世界的には、アメリカ中西部や環地中海、中東などが適地で、アジア太平洋地帯では、中国内陸部やオーストラリアでの太陽熱発電が期待されている。ただ、砂漠といえども動植物は生息しており、環境へのインパクトがどれほどあるかは未知数だ。

 ちなみにイバンパ近くのマウンテンパスには、かつて世界最大のレアアース鉱山があったが2002年に閉山になった。鉱山は来年、2011年に再開される予定だそうだ。
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by greenerworld | 2010-10-31 16:35 | エネルギー  

2030年、世界の電力の22%が風力発電から

 世界風力エネルギー協議会(GWEC)が、12日に発表したレポート「Global Wind Energy Outlook(GWEO)2010」によれば、最大ケースで2020年には世界の電力供給の12%、2030年に22%を風力発電がまかなうことになるという。2020年までに累計1,000GW(ギガワット、ギガは10億)の風力発電設置が見込まれると予測、さらに2030年には同じく最大ケースで2,340GWに達し、累計で340億トンのCO2排出を回避するとしている。

 2009年にはすでに世界で60万人以上が風力関連産業で雇用されており、30分に1基の風車が製造されているそうだ。2030年には市場規模が3倍になり、雇用者は最大ケースで300万人に達するという。2030年までに設置される風力発電設備の半分は、中国などの新興経済国、発展途上国になる。すでに中国は世界一の風力発電生産・設置国である。この分野でも中国の存在感は高まっている。
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by greenerworld | 2010-10-13 10:35 | エネルギー  

「エコ換え」わが家の場合

 20年以上使い続けてきた冷蔵庫がとうとうダメになって、8月中旬に買い換えた。使っていたのは容量330リットル、このサイズで別に不自由はしていなかった。ところが最近の冷蔵庫は300リットル台のサイズになると極端に機種が少なく、しかも、400~500リットル台の製品よりむしろ電気食いなのである。何とかそれでも小さめの415リットルで公称消費電力の小さい機種を見つけた。

 設置後の電力消費量だが、8月が158kWhなのに対して、9月は118.7kWh。1日平均にすると8月が5.1kWh、9月が4.0kWhとなる。8月は前半が古い冷蔵庫、後半は新しい冷蔵庫なので、これだけみるとかなりの削減になっているようだ(ちなみにわが家にはエアコンはないので、8月は扇風機を余分に使った程度)。そこで今年9月と昨年の9月(143.6kWh、4.8kWh/日)を比べてみると、約25kWh(17.4%)の減。年間で300kWh相当だ。電力消費の少ないわが家ではkWh単価は1段料金(約18円)~2段料金(約23円)。300kWh分が全て2段料金としても、年間6900円の節約ということになる。

 実は節電以上に大きいのは、自家消費が減った分太陽光発電の売電分が増えること。昨年の9月と今年の9月を比べると発電量はほぼ変わらないが、売電量は16kWhほど増えている。こちらは48円/kWh(昨年11月から適用)なので、単純計算で年間9200円程度の収入増だ。しめてエコ換えの効果、年間1万6100円⁉ 皮算用の結果は1年後に。
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by greenerworld | 2010-10-08 08:29 | エネルギー  

デンマークで400MWの洋上ウィンドファーム始動

 FIFAワールドカップ南ア大会のグループリーグで、日本と決勝トーナメント進出を争うデンマークは、風力発電の国。現在は陸上の適地にはほぼ建設し尽くされ、洋上での建設が進んでいる。

 400MWという、世界最大級の新ウィンドファームが建設を予定されている場所は、ユトランド半島とスウェーデンのちょうど中間に位置するアンホールト島の沖合。デンマークの電力会社ドング・エナジーが、デンマーク政府から建設を承認された。

 設置されるのはシーメンス・ウィンドパワー製の3.6MWの大型風車だ。2012年末には送電を始め、13年末にフル稼働する予定。完成時には40万世帯分、デンマークの総電力需要の4%をCO2フリーの電力でまかなうことができるという。

 ドング・エナジーは、元々デンマーク領内の北海油田から産出される石油と天然ガスを扱っていた。2000年以降電力分野に進出し、国内の主要な電力会社・公社を買収して北欧有数の総合エネルギー企業となった。しかし株式の多くはデンマーク政府が所有しており、事実上国営企業である。同社はすでにデンマーク領海内にホーンスレウ2(209MW)を持つほか、英国でも複数の洋上ウィンドファーム建設を進めている。洋上ウィンドファームの建設にあたっては、おそらく海底油田の探索・掘削やパイプラインの敷設技術を持つことが、強みになっているのだろう。同社は昨年、洋上風車建設工事で50%以上のシェアを持つ船舶会社のA2SEAも傘下に収めている。

 かつてデンマークは世界最大の風力発電設置出力を誇り、風力関連企業は市場を席巻していた。しかし国内市場が飽和して、市場規模ではドイツやスペインなどに大きく水をあけられた。デンマークの風力発電は、地域の人々が共同出資して建設する、組合方式から始まっている。2000年にコペンハーゲン沖に建設されたミドルグルン洋上ウィンドファームも、半分は市民の出資枠が設定された。しかし、EUの市場統合や電力・エネルギー市場の自由化が進み、またプロジェクトが巨大化して、ビッグカンパニーの時代になった。風力発電における“古き良き時代”は過ぎ去ったのかもしれないが、その遺産はデンマークを世界の風力発電大国の地位にとどまらせている。
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by greenerworld | 2010-06-23 11:48 | エネルギー  

アフリカ選手権と石油の罪

 西アフリカのアンゴラで開催中のサッカー・アフリカ選手権(ネイションズカップ)で、開催地の一つカビンダ州でトーゴチームのバスが襲われ、関係者二人が死亡するという事件があった。トーゴチームはこの事件にショックを受けて帰国してしまい、ボイコット扱いになった。

 事件があったカビンダ州はアンゴラの飛び地になっていて、分離独立を主張する反政府系組織が活動しており、今回の襲撃もその組織によるものだったようだ。カビンダの沖合には油田があり、その収入により、近年の経済成長は著しい。しかし、同国は世界で最も汚職が蔓延している上位10か国の一つに数えられている。石油収入はアンゴラ国民を潤すことなく、ほとんどの国民は貧しいまま、スラムに住み飲料水の確保すらままならないという。しかも経済成長に伴う物価上昇が生活苦に拍車をかけている。カビンダの分離独立を求める反政府組織も、結局は石油利権の確保がねらいなのだろう。そもそもアンゴラ内戦そのものが石油利権をめぐる争いだったと言われている。

 近年の資源インフレで、資源大国アフリカには先進国や新興国からの投資が急増している。しかし、現実にはそれが一部の人間を潤したり、海外に還流してしまい、地域の恵みとならないばかりか、インフレやテロでますます社会不安をもたらしている。ナイジェリア、コンゴ民主共和国、スーダン、チャドといった産油国は、のきなみ内戦を経験している。これらの内戦は、表面的には民族や宗教の対立が原因とされているが、いずれも例外なく石油利権をめぐる争いだった考えられるそうだ。ナイジェリアではいまも石油利権をめぐってのテロが絶えない。問題は手っ取り早く儲かる石油があるばかりに、その他の産業が育っていないことだ。

 6月のFIFAワールドカップで同組になったカメルーンが、思いのほか不調で、一次リーグ突破に苦しんでいることばかり報道されているが、アフリカの現実にも少しばかり思いを致したい。
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by greenerworld | 2010-01-19 20:51 | エネルギー  

ピークコール(石炭のピーク)も近づいている?

 石油メジャーBPが毎年発表している「Statistical Review of World Energy」から、2001年からの化石燃料の「可採年数」を抜き出してみた。可採年数は、その年の確認埋蔵量を生産量で割ったもの。つまり、その時点であと何年生産し続けることができるかという目安になる。確認埋蔵量も生産量も年によって変化するので、可採年数も変わる。石油も天然ガスも資源の限界といいながら、それぞれ40年、60年程度で維持されているのは新たに開発された油田・ガス田が加わってくるからで、「なんだかんだ言っても石油や天然ガスはなくならないんじゃないの?」という楽観論にも結びついている。しかし問題は究極埋蔵量がどれだけかということで、石油も天然ガスも中生代を中心にした過去の生物の遺骸が変化したものというケロジェン説に立てば、いずれピークは訪れる。実際、近年新発見される油田・ガス田はどれも大規模なものではない。ちょうどその年使った分が発見されているという状況だと思えばいいだろう。そのバランスが早晩崩れるというのが、ピークオイル派だけでなく、多くの資源専門家の見方。

 ところで、石炭についてはまだまだ資源は十分にあるという認識でいた。実際に5-6年前は可採年数が200年程度あったのだ。ところがデータを見てびっくり。年々下がり続けて、2008年の可採年数は122年に減ってしまっているではないか。
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化石エネルギーの可採年数の推移


 これはひとえに中国が石炭生産(と消費)を伸ばしているからだ。中国では発電燃料の8割が石炭である。工業用燃料としても石炭が大きな比率を占めている。中国の石炭生産と消費は98年から08年の間でそれぞれ、2.25倍と2.16倍に急増した。国内分だけでは足りず、オーストラリア中心に輸入も伸びている。中国一国で見ると、2008年の石炭の可採年数は41年。それも年々縮小している。この勢いが続けば、20〜30年で国内の石炭を掘り尽くしてしまいかねない。

 中国の旺盛な石炭需要を支えられるのは、当面はオーストラリア、その後はロシアとアメリカしかないのだ。輸入となれば、これまでのような安い石炭を使い続けられない。輸出国側との関係もある。中国は強い危機感を感じているにちがいない。中国の国家百年の計にとって地球温暖化よりエネルギー資源問題の方がより切実なはずだ。インドも似たような状況にある。両国が原子力発電への強いシフトを表明しているのは当然のことだろう。そうなるとウラン燃料の残りも心許なくなる。石油だけでなく、全ての既存エネルギーは、早晩ピークを迎える。22世紀はこのままでは暗黒の時代である。
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by greenerworld | 2009-10-08 13:05 | エネルギー  

シボレーボルトは本当に230マイル/ガロンも走るのか?

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 GMがプラグインハイブリッドカーのシボレーボルトの2010年後半の販売を発表し、同時にその燃費を1ガロン当たり230マイルとしたことが、いろいろ議論を呼んでいる。メートル法に直すと、1リットル当たり100kmに近い。驚異の燃費である。しかしその根拠はどうなっているのか。

 リリースを見る限り、それを裏付ける記述は何もない。40マイルまでは充電した電気で、それ以降はエンジンによる発電でモーターを回すとあるので、トヨタプリウスのようなエンジンとモーターがそれぞれ駆動力を持つパラレルハイブリッドではなく、エンジンは発電だけに使用されるシリーズハイブリッドというタイプだということはわかる。エンジンを使った発電で走るのは、300マイル以上とのことである。燃料はフレックスフューエルすなわちエタノールにも対応する。

 足し算すると、1充電とフルタンクで走れるのは340マイル以上だ。フルタンクが何ガロンかは書いてないが、いくらなんでも1〜2ガロンということはないだろう。発電機→モーターのエネルギーロスは小さいが、発電機を回すエンジンのエネルギー効率は普通のクルマと変わるわけではないので、1ガロン230マイルとはとても考えられない。

 どうも、通常町中を走るときは電気だけで十分、普段は燃料をほとんど使わない(つまりほとんど電気自動車として使う)というところから、燃費を算出しているらしい。そんなことをいったら電気自動車の(ガソリン)燃費は無限大になってしまう。

 アメリカの消費者団体系の専門誌コンシューマー・リポートからは、この燃費が誇張だとさっそくかみつかれているようだ。デザインは洗練されたスポーツセダン。セレブには受けそうだが、これまでのGMをひっくり返すような変革を感じさせない。果たしてGMの救世主になれるだろうか。
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by greenerworld | 2009-08-15 23:39 | エネルギー  

i-MiEVよりプリウスの方がCO2が少ない?

 三菱自動車が電気自動車(EV)のi-MiEV(アイミーヴ)の法人向け出荷を開始した。電気自動車なので、走行時にはCO2は排出しない。しかし、電気は発電時にその燃料に応じてCO2を排出しているため、完全にクリーンなエネルギーとは言えない。むしろ熱量あたりのCO2排出量は石炭よりも多い。投入エネルギーの4割程度しか電気に変えられないのだから、当然といえば当然である。
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 したがって、EVもその電気の消費に応じてCO2を排出していることになるのだが、それはどの程度なのか。i-MiEVの諸元によれば、バッテリー容量は16kWhで、10・15モードでは1充電あたり160km走行するので、単純計算するとkmあたりの電力消費量は100Whである。ただし主要諸元には「10・15モード交流電力量消費率」の数字があって、こちらでは125Wh/kmである。充電時のロスを加味した数字なのだろう。

 ところで、ベース車となっているガソリン軽乗用車「i(アイ)」のTタイプ(出力がi-MiEVと同じ47kW)の方は、燃費が18.2km/リットルで、逆にすると0.055リットル/kmである。ガソリンのCO2排出係数(2.32kg-CO2/リットル)を掛けるとkmあたり128gのCO2を排出しながら走ることになる。

 これに対してi-MiEVの方は、電力会社によって係数が異なるが、東京電力の2007年度の係数を使うと53gだ。また、係数の大きい北海道電力だと65gとなり、「i」のほぼ半分。なんか「エコだ、クリーンだ」と大騒ぎしている割には、それほど劇的にCO2が減るわけではないのね。

 ちなみに新型プリウスの10・15モード燃費は38km/リットルで、kmあたりのCO2排出量は61gとなる。北海道ではi-MiEVで走るより、プリウスに乗った方がCO2排出量は少ないってことだ。東京電力管内でもそんなに大きな差ではない。くれぐれも冷静に考えましょう。
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by greenerworld | 2009-07-27 12:10 | エネルギー  

ソーラー船、運河を静かにすべる

 19日午前、富山市の北にある富岩(ふがん)運河を遊覧するソーラー船“SORA”の就航式があった。
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 富山県が導入したもので、屋根に1.7kWの多結晶タイプ太陽電池を載せたSORAは電動モーターで推進するエコボート。実用的なソーラー船としては日本初という。40人乗りで最高速度は4ノット。運河を人が歩くスピードで周遊する。モーターは2基で合計9.8kWの出力だ。スピードが遅いことと船であることから、車に比べるとずいぶん小さなモーターで動いている。太陽電池が1.7kWではさすがに、ソーラーエネルギーだけで走ることはできない。バッテリーに充電した電力が主エネルギー源である。

 富山市が導入した電気ボート“もみじ”も同時に就航した。こちらは定員10名。

 2船は7月19日より11月29日までの土・日・祝日に、約40分の周遊運航を行う予定。乗船料金は大人800円、小学生400円、小学生未満無料。地元ボランティアガイドが、運河の歴史や自然環境、そしてソーラー船の説明をしてくれる。

 昭和10年に完成し、かつては水運でにぎわった運河も役割を終え、水質や周辺環境の悪化や水難の危険から埋立ての話も進んだが、80年代半ばに親水空間として整備する方針に転換。いまでは全体が運河緑地、環水公園として整備されている。以前紹介したように富山市は、路面電車を復活させるなど、環境にやさしいまちづくりに力を入れている。市民の水辺への関心を高めるとともに、小学生の環境学習にも活用され、さらに新しい観光の目玉としても期待しているようだ。

(写真上:ソーラー船、SORA、下左:SORAの音声ガイド装置、下右:運河を行き交うSORAともみじ)
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by greenerworld | 2009-07-19 16:01 | エネルギー