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カテゴリ:生物多様性( 55 )

 

ミツバチがいなくなった意外な原因とは?

 2006年秋以来、アメリカで養蜂業者の飼うミツバチが集団で突然いなくなる現象が起きていることは、以前当ブログでも報告したが、その原因として新たな説が浮かび上がってきた。それはなんと携帯電話だ。

 ミツバチの集団が消滅する現象はColony Collapse Disorder(CCD)と名付けられ、これまでさまざまな原因が取りざたされてきた。有力なものとしては、有毒植物、寄生性のダニ、農薬、遺伝子組み換え作物など。

f0030644_8301152.jpg ただ、巣の中にハチの死体がなく、出ていったハチが戻ってこない状態らしいのだ。巣に残されるのは、女王バチ、卵や幼虫、そして羽化したばかりの若い働きバチ。これだと確かに農薬やダニ、有毒植物などの原因は考えにくい。そこで週刊誌「AERA」4/23号には、「働かされすぎてストレスにより逃亡したのではないか」という説が紹介されている。アメリカでは養蜂業者のミツバチは果樹の授粉に蜂蜜集めにと長距離を移動しながら働かさせられ、蜜もほとんどを文字通り搾り取られる。これじゃやってられないよと、逃亡してしまうのだという。

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by greenerworld | 2007-04-19 08:41 | 生物多様性  

国際生物多様性の日

 5月22日は国連生物多様性会議が定めた「国際生物多様性の日」。今年のテーマは「生物多様性と気候変動」である。ひと月前だというのに、日本ではまるで盛り上がっていない。

f0030644_15541337.jpg 日本政府は、2010年に予定されている生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を名古屋に誘致することを閣議決定している。来年ドイツで開かれるCOP8で開催地が決定するが、今のところ他の立候補がなく、選ばれることはほぼ確実だ。2010年は生物多様性条約の目標年である。その目標とは「生物多様性喪失率の意味ある減少」。気候変動防止条約と同様、最低限(第一ステップ)の目標が設定されているに過ぎないが、それでもその達成状況と次のステップについて議論する重要な会議になることは間違いない。名古屋がそれにふさわしい会議の場となることを願っているが、日本政府は実際のところどこまで生物多様性の保全に本気なのだろうか。少なくとも5月22日をもっと宣伝し知らしめるべきではないだろうか。

 日本のマスコミも、条約や生物多様性の日について、ほとんど報道しない。この30〜40年で日本の自然は著しく劣化し、生物多様性は大きく損なわれた。にもかかわらずこの国の生物多様性に対する感度の鈍さは、どこから来るのだろうか? 
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by greenerworld | 2007-04-18 15:57 | 生物多様性  

フカヒレスープがイタヤ貝減少の原因に?

 メジロザメやシュモクザメなどの大型のサメが減少することで、イタヤ貝やカキが減っているという報告が米紙サイエンス(3.30)に掲載された。カナダ、ノバ・スコシア州のダルハウジー大学のグループの研究によれば、大西洋沿岸におけるこれら大型のサメ類は乱獲によってこの30年間に激減した。その結果大型サメが餌にしているウシバナトビエイなどが増えた。ウシバナトビエイの主な餌は、海底にすむこれらの二枚貝。だから、増えたエイによって食い尽くされてしまった・・・。

 サメのヒレは高級食材として中国料理に使われる。中国が経済発展し、富裕層が増えて、世界中からさまざまな食材が中国に向かっている。つまり、中国人が豊かになると大西洋産のイタヤ貝が減るということになる。これらの貝は海中のプランクトンや有機物をこしとって食べる掃除屋でもある。すると浄化機能が低下して海がいつまでもきれいにならないということもあるかもしれない。“風が吹けば桶屋が儲かる”類のカスケード効果。もちろん、日本も無関係ではないけれど。
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by greenerworld | 2007-04-12 16:58 | 生物多様性  

奥多摩のシカによる環境劣化

 4月6日に奥多摩の日原に行ってきた。天祖山への登山道は取り付きから急斜面で、あちこちにハシリドコロが顔を出し早くも花が咲いている。

f0030644_15195339.jpg 登り始めてすぐ5〜6頭のニホンザルの群れと出会った。標高1000mを超えると数日前の雪が残っており、1300mあたりから15cmくらいの積雪に。雪山装備はしていなかったので、滑落したらしゃれにならないと頂上手前でで引き返した。山を甘く見てはいけません。


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by greenerworld | 2007-04-08 15:36 | 生物多様性  

アメリカでミツバチが謎の減少?

 ミツバチは多くの果樹や野菜、家畜の飼料となる草の受粉を助けている。その価値は150億ドル(約2兆円)と見積もられるという。もちろんミツバチは、蜂蜜も生産してくれる。そのミツバチのコロニー(巣)がアメリカ各地で死に絶えて、養蜂業者が大損害を被っているという。

 少し前の全米科学アカデミー紀要にも、アメリカでミツバチに限らず花バチが減少しているという研究報告が掲載された。そこでもはっきりとした原因は特定されていないものの、マルハナバチに関しては温室受粉用に輸入されたセイヨウオオマルハナバチについてきた寄生虫が疑わしいとしている。他にも感染性のカビなどが疑わしい原因としてあげられている。カエルツボカビ症と似た状況であるし、日本でもセイヨウオオマルハナバチは導入され野外に逃げ出している(特定外来生物に指定されたが、後の祭り)ことから、日本の在来マルハナバチにもその危険がある。

 揚子江カワイルカの絶滅もショッキングだったが、このようなニュースがちょくちょく報じられるようになって、生物多様性の崩壊という言葉が現実味を帯びてきた。それはとりもなおさず、人間の生存基盤の崩壊でもある。騒ぐべきは気候変動だけではない。
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by greenerworld | 2007-02-06 21:53 | 生物多様性  

「ボルネオの心臓部」が保全へ向けて前進

 いつもいつも暗い話題ばかりだが、これは少し元気が出る話題。

 ボルネオ島(インドネシア側はカリマンタン)はアマゾン流域と並んで世界でも最も豊かな熱帯雨林をもち、固有の動植物の宝庫であり、世界の生物多様性の中心の一つといわれる。昨年も50種類以上もの新たな生物種が発見されたばかりだ。しかし、その自然は危うい。大規模伐採と開発により、熱帯雨林は年々狭まっている。多くの森林が失われており、そこにくらす動植物は私たちにその存在を知られないまま絶滅していく。

 そのボルネオの中心部、マレーシア、インドネシア、ブルネイが国境を接する地帯(ハート・オブ・ボルネオ=ボルネオの心臓部)がこの3国によって保全されることになった。昨年3月ブラジルのクリチバで開催された第8回生物多様性保全条約締約国会議(COP8)において合意に達していたもので、1月15日に調印が行われた。条約の事務局機関である生物多様性会議(モントリオール)はこの調印を、生物多様性条約に掲げられた2010年目標達成への大きな一歩と位置づけている。目標とは「地球規模、地域レベル、国レベルで生物多様性の喪失率が顕著に減少すること」である。

 ボルネオはまだ訪れたことがないが、ジャカルタに向かう飛行機がボルネオ上空を通った際、窓から眺めたことがある。深い緑に覆われまるで緑の海のようだったが、そこにいく本もの赤い筋が通っていて血管のように見えた。樹木伐採と運び出しのための林道がラテライト土壌の赤い色に染まっていたのだ。それから20年近くたつので、現在のボルネオのジャングルはずいぶん減ってしまっているだろう。それでも、歯車が一つ前に回ったことを喜びたい。
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by greenerworld | 2007-01-29 08:29 | 生物多様性  

中国・黄河の淡水魚3分の1が絶滅

 揚子江カワイルカがほぼ絶滅したニュースを昨年12/18に伝えたが、今度は中国第2の河川・黄河から、淡水魚種の3分の1が姿を消したと、チャイナ・デイリーの記事を引用して英紙・ガーディアンが伝えている(1/18付電子版)。

 黄河はチベット高原から黄土地帯を経由して渤海に注ぐ。かつて日本と大陸が陸続きだったころには南西日本の河川も黄河の支流だったことから、共通種・祖先を同じくする淡水魚種も多い。日本でも多くの淡水魚が危機にさらされているが、本家もそれ以上に深刻なようだ。かつては150種以上の淡水魚が生息していたが、その3分の1が絶滅し、漁獲も激減しているという。

 淡水魚絶滅の原因はさまざまだ。主な理由としてあげられるのはダムの建設が淡水魚の移動を妨げたこと、小雨で水量が減少したこと、乱獲、そして汚染である。黄河には2005年には43億トンもの汚水が流域の都市から流れ込んだという。河川の汚染による飲料水の不足も深刻な状況だ。

 高度経済成長を続ける中国では、ゴミや廃水、大気汚染など環境悪化が進み、対策がとても追いつかない。中でも野生生物の保護はパンダなど一部を除いて政策優先順位が低い。黄河も揚子江も、生き物の住めない川になってしまうのだろうか。
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by greenerworld | 2007-01-22 08:32 | 生物多様性  

カエルツボカビ症・続報

 (1/17 記事末に参考サイトを掲載しました)
 古い新聞のクリップファイルを繰ってみたら、1998年にオーストラリアとアメリカの研究チームが、カエルの減少が続いていた中米パナマやオーストラリアの死んだカエルから、ツボカビの一種を検出、原因と突きとめたという記事が出てきた(1998.7.7付朝日新聞夕刊)。ツボカビの英語名 chytrid fungusでググってみると、89,800件がヒット。日本語のページだけに絞るとたった25件。つまり世界的には非常に大きな問題になっているのに、日本では(私も含めて)問題意識がなかったということだろうか。このツボカビ症の原因菌Batrachochytrium dendrobatidisで検索しても日本語の論文がヒットしないので、少なくとも国内ではあまり研究が行われてこなかったようだ。ちなみに「ツボカビ」で検索すると161,000件もヒットするが、ほとんどはここ数日のもので新聞報道の紹介。反響の大きさはうかがい知れるが、「後の祭り」にならないことを祈る。

 ペット用に野生生物を大量に輸入している日本にツボカビ症が侵入するのは必然と思われるが、行政は危機意識が薄くほとんど対策が取られてこなかった。すでに侵入してしまった以上、拡大を防ぐことに全力をあげるしかない。カエルの輸入をストップさせる、すでに持ち込まれ、業者や研究室、個人に飼われているカエルの移動を禁止し、野外への放流はもちろん、死んだカエルの投棄(庭に埋めるのも不可)、感染したカエルの水槽の水を下水に放流することも防がなければならない。だが、果たしてそんなことができるだろうか。

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by greenerworld | 2007-01-14 11:51 | 生物多様性  

【緊急】カエルを絶滅させるツボカビが日本に侵入

 カエルなど両生類に感染する致死性の高いツボカビがとうとう国内で確認された。飼育中のカエルで昨年12月にツボカビが検出されたもので、野外への拡大が起これば野生のカエル・両生類が大量に死ぬおそれがある。それだけでなく、カエルを餌とするヘビや鳥類にも深刻な影響を及ぼす。またカエル類は害虫を含むさまざまな小動物・昆虫を餌とするため、農業や人間生活への影響も懸念される。

 1980年代から世界的にカエル類の減少が顕著になり、その原因が研究されていたが、1998年に通常は土の中にいるツボカビがカエルの皮膚に感染したことが主要な原因の一つとして突きとめられた。アジア以外ではすでに感染が確認されており、カエルの個体数が激減したところもある。

 日本の生態系の中でカエルを始めとする両生類が占める位置、果たす役割はとても大きい。すでに生息環境の悪化で両生類は追い詰められている。ツボカビがまん延したら、日本の生態系は取り返しのつかないところまで追いつめられるかもしれない。何としてもまん延を食い止めなければならない。

 爬虫類と両生類の臨床と病理のための研究会、日本野生動物医学界、日本生態学会、WWFジャパンなど16団体は1月13日付で緊急事態宣言を発表、野生両生類をペットとして飼育することを慎み、飼育個体の野外への放流や死亡個体の投棄をしないなどの呼びかけをしている。

 詳しい情報・解説は以下のサイトへ

 WWFジャパン
 http://www.wwf.or.jp/

 日本獣医病理学会/日本獣医病理学専門家協会
 http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/byouri/JSVPJCVP/index.html
 (社)日本獣医学会
 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsvs/index.html
 麻布大学 
 http://www.azabu-u.ac.jp/
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by greenerworld | 2007-01-12 11:17 | 生物多様性  

[Obituary] 揚子江カワイルカが絶滅!

 CNNによると、中国・揚子江にすむカワイルカが事実上絶滅したことが調査によってわかった。30人の科学者からなる調査隊が、6週間揚子江を1000マイルにわたって調査したが、1頭の個体も発見できなかった。1980年代にはまだ400頭が生息していたと考えられているが、1997年の調査では13頭が確認されただけだった。また2004年には漁民による目撃情報もあった。種を維持するためには最低20〜25頭が生息している必要があるとされており、もし今回の調査で発見されずに生き残っているものが何頭かあるとしても、もはや種として存続することは難しいという。

 乱獲と船舶交通の増加が絶滅の主な原因と見られる。ほとんど目が見えない揚子江カワイルカは音波を使って位置を確かめ、餌をとっている。エンジン音によってそれが阻害されてしまうのだ。

 2000万年前から揚子江に生息してきたといわれる揚子江カワイルカは、永遠に失われてしまった。さらに揚子江にすむスナメリも生息数が400頭を割り込んでおり、絶滅が危惧されている。この絶滅はこれからも続く大量絶滅の始まりに過ぎないかもしれない。揚子江だけでなく。

 本日のモーツァルト的気分:Requiem in D minor 第4楽章

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by greenerworld | 2006-12-18 07:52 | 生物多様性