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カテゴリ:気候変動( 43 )

 

日本列島、この夏の異変

 いやあ、昨夜(28日)の雷はすごかった。風呂に入っていたら、カッと光って、1、2,3、でピシャッ、ドーン。え、近いよ。そのうち少し遠のいたので安心していたら、夜中にまたすごいのがやってきた。稲妻と雷鳴がほぼ同時。一時間近く、光りまくり落ちまくり、轟音で眠れない。幸いわが家の周辺では雨はそれほどでもなく落雷の被害もなかったが、八王子では浸水や崖崩れの被害も出た。ともかくこんな雷は初めて。くわばらくわばら。

 今年の夏の前半、梅雨明けが早く、関東はずっと暑い日が続いたが、天気図を眺めるのが趣味のブログ子は、ある異変に気づいていた(というほどでもないか)。例年なら日本の東南海上にでんと居座る小笠原高気圧がないのだ。高圧帯は日本の東の方にあり、いつもは高気圧に覆われている北緯20ー30度で熱帯低気圧が発生した。台風11号が典型で、熱帯低気圧が8月15日に四国の南で台風になり、たった2日で温帯低気圧になってしまった。いわゆる、「鯨の尾」型と呼ばれる典型的な夏の気圧配置は一度もなかったように思う。

 台風11号が南東海上を通り過ぎた8月17日には、関東は一気に気温が下がった。その後はぐずついた天気に低温が続いて、以後日本列島沿いに前線が横たわり、秋の長雨のような天候に。ところが、まだまだ日射が強いこの時期。前線に向かって暖かい湿った大気が吹き込むため、あちこちで集中豪雨が起き、被害が出ている。愛知県岡崎の29日01時から02時の時間雨量はなんと146mm。年間雨量(平年値)が1,448mmだから、一年に降る雨の10分の1がたった1時間の間に降ったことになる。しかもその前後の5〜6時間に降った雨の量を合わせると258mmにも達した。

 ところが前日の日中に集中豪雨(200mm余)があった豊橋では、この時間帯大した雨は降っていない。逆に豊橋で河川が氾濫していたころ、岡崎ではそこそこの雨しか降っていないのである。両市の間は直線距離で30kmほどしか離れていないのだ。これは昨夜20時に時間雨量47.5mmを記録したつくばでも同様で、お隣の土浦では同じ時間帯2.5mmしか降っていない。まさに常識外れの降り方である。

 こういう天候はどこかで経験したなあと思った。赤道に近い国々に行くと、雨期はこんな感じなのだ。いわゆる熱帯収束帯。それは台風の発生する地域でもある。

 教訓がある。これは移動性の前線や低気圧の雨ではない。次々に発生する積乱雲がもたらす雨で、一度止んでも安心できない。むしろ本格的な雨がその後にやってくると考えた方がいいかもしれない。もう一つ、豪雨の時には低い土地に近づいてはいけない。とくに都市では四方八方から降った雨が押し寄せてくる。周囲に降った100mmの雨が10分の1の面積に集中したら、水の深さは1mになる。20分の1の面積に集中すれば2mである。地下・半地下のガレージ、地下鉄構内、線路をくぐる立体交差や地下道……。鉄砲水は山でだけ起こるわけではない。
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by greenerworld | 2008-08-29 10:24 | 気候変動  

温暖化が進むと腎臓結石が増える?

 イシモチという魚がいるが、私も長いことイシモチであった。検診で腎臓のエコー診断をすると、「石、ありますねえ」と言われる。一昨年の暮れ、とうとう痛みが出て、取ってもらうことになった。といっても、衝撃波を体外から当てて、結石を砕くというもの。痛みもなく身体への負担は少ない。日帰りでもできるがいちおう「一泊しましょう」ということになり、結石がわが生涯初の入院を体験させてくれた。

 その腎臓結石が温暖化が進行すると増えるというではないか。なぜなのか。USATodayの電子版によれば、汗をかき水分を失うと、結石のリスクが高まるのだという。尿中に含まれるカルシウムが析出しやすくなるためだ。実際、アメリカでは、寒冷な北東部に比べ、温暖な南東部の諸州では腎臓結石の患者が50%も多いという。つまり温暖化に伴い、暖かい気候帯が北に移動し、暖かいところはより高温化して、たくさん汗をかくようになるため、ということらしい。

 治療時の主治医には、結石を予防するには、水分をこまめに取ることが大切といわれた。それとマグネシウムが不足すると結石ができやすいとも。「にがりを薄めた水を飲むと効果的」というのがアドバイスだった。脱水症状になると血栓、尿酸の結晶もできやすい。汗をかきやすい人、お酒をたくさん飲む人は、心がけて水分を取ってください。特にこの時期は要注意ですぞ。
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by greenerworld | 2008-07-15 09:21 | 気候変動  

やっぱりこの冬は暖冬?

 先週に続き、昨夜から今朝にかけてもかなりまとまった雨。この時期にしては珍しい。東シナ海に低気圧ができて、日本の南岸を進むという気象は、春の前ぶれである。寒気が流れ込めば東京で雪が降るパターン。11月中旬から冷え込みが厳しくなったと思っていたが、結局暖冬なのだろうか。

 東シナ海の海面水温を見てみると、寒かった05年の12月27日はごらんの通り平年よりかなり低いのに、今年の12月27日は平年より高くなっている(数字は平年差を表している。気象庁「気象統計情報」より)。低気圧が発生しやすいのはこのためではないだろうか。
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 イギリス気象庁の長期予報では、北半球は全般にこの冬の気温はかなり高めと出ている。先日発表された日本の気象庁の3か月予報でも、平均気温はやや高いか平年並みとなった。

 ただし大みそかから年始にかけては寒気が入り込み、北日本や日本海側では荒れ模様となるようだ。図で見るように日本海の海水温が高いので、水蒸気量が増え大雪になるかもしれない。当該地方の方、くれぐれもお気をつけください。

 では、よいお年を。
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by greenerworld | 2007-12-29 09:53 | 気候変動  

グリーンランドの氷が溶ける

 北大西洋に浮かぶグリーンランドは大地の80%が氷(氷床)に覆われた島。地球上の陸氷の12分の1がグリーンランドにあり、もし全てが溶け出せば海面が6.4mも上昇するという。

 そのグリーンランドの氷が溶けるスピードが近年速まっていると、コロラド大学の研究グループが発表した。去年溶け出した氷の量は、アルプスの氷河全ての2倍にも及ぶという。氷床が海に向かって移動する速度も増している。これは溶けた水が氷と地面の間に空隙をつくり、それが排水溝のように働き氷床が動きやすくなるためと考えられている。

 一年の中で氷が溶け始める時期も早くなった。氷床の上の気温は1991年以来3.9℃も上昇しているという。グリーンランドは、このまま文字通り緑にあふれた島に変わるのだろうか。そのとき、他の世界はどうなっているのか。
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by greenerworld | 2007-12-12 20:05 | 気候変動  

CO2が380ppm突破

f0030644_0523950.jpg 二酸化炭素(CO2)濃度が順調に増加し続けている。2006年の平均濃度はとうとう381.2ppm(ppmは百万分の一)となったことが、世界気象機関の「温室効果ガス報告」(Greenhouse Gas Bulletin)で明らかになった。前年より2.0ppmの増加だった。産業革命以前は280ppmだったので、250年で100ppm増えたことになる。増加率は近年になって大きくなっている。1990年代の増加ペースは平均1.5ppmだったが、このところのペース(年2.0ppm)が続けば、2015年ごろには400ppmを突破しそうだ。

f0030644_0525536.jpg 主要な温室効果ガスの中では、メタンが1782ppb(ppbは十億分の一)、一酸化二窒素(N2O)が320.1ppbだった。ただしメタンの温室効果はCO2の21倍、N2Oの温室効果は同310倍ある。CO2とN2Oは過去最高を記録したが、メタンはわずかに減った。
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by greenerworld | 2007-11-24 00:54 | 気候変動  

2か月たっても多摩川は濁ったまま

f0030644_2182470.jpg 9月上旬に関東から東北・北海道地方を襲った台風9号は、東京多摩地区に記録的な雨量をもたらした(濁流渦巻く台風一過の多摩川)。その後水量は平常時に戻ったが、水はまだ濁ったままである。多摩川沿いにお住まいの方は気づかれているだろう。上の写真は中流の多摩橋から撮ったものだが、白く濁って全く水底が見えない。清流多摩川はどこへ行ってしまったのか。羽村の堰から分流している玉川上水も当然のことだが濁っている。

 支流の平井川や秋川はずいぶん前に透明に戻った。多摩川本流には上流に小河内貯水池(奥多摩湖)がある。確かめに行ってみると、果たして貯水池の水が白く濁っている。そこから放流される水も、薄目に入れたミルクティ(抹茶ミルクセーキとでもいいましょうか)のように濁っている(写真下。10月21日に撮影)。

f0030644_2183730.jpg 東京都の小河内貯水池管理事務所に尋ねると、台風9号で貯水池付近は600mmという雨量を記録。短時間に大量の水が土砂を伴って流れ込んだのが原因という。濁った水は中層から上層にたまっており、冷たい下層には混じり込んでいないそうだが、夏〜秋の放流水は温かい中・上層から取っているため、放流水が濁っているとの説明。それにしても、2か月近くも沈殿しないのは細かい粒子がコロイド状になって漂っているということか。

 気になるのは、シカとの関係。2000年ごろから奥多摩ではシカが増加して、林内の草やササを食べ尽くしている。林床がむき出しになり、表土が流亡しているところもある(奥多摩のシカによる環境劣化)。保水力がなくなった山に大雨が降った結果、雨とともに土砂・シルトが流れ込んだのではないか。シカの増加は複合的な理由によるが、温暖化によって積雪が減り、シカが生き残りやすくなったことも原因の一つとされている。

 2か月も濁りが続いていると川の生態系に影響はないだろうか。日光が十分に当たらず、藻や植物プランクトンが育たなくなるかもしれない。まだ確かめていないが、濁りが河口まで続いているとしたら、東京湾にも何らかの影響があるかもしれない。

 直接の原因は豪雨だったとはいえ、シカの影響も十分考えられる。シカ問題は奥多摩のローカルな問題としかとらえられていないが、流域全体の環境問題として考えなければいけない。
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by greenerworld | 2007-10-31 21:18 | 気候変動  

不都合な? ノーベル平和賞

 今年のノーベル平和賞が、元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏と、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)に贈られることが決まった。「人類が引き起こした気候変動に関する知識の普及に尽力した」ことが授賞理由。

 同賞をめぐっては、しばしば“政治的”な選考が指摘される。今回も来年の米大統領選へのゴア氏の出馬も(本人は否定するが)取りざたされる中での受賞。いくら気候変動が人類の平和にとって重要なテーマだとしても、まだ現役の政治家への受賞に、なまぐささを感じるのを禁じ得ない。折しも、イギリスでは、映画『不都合な真実 (An Inconvenient Truth)』に少なくとも9か所の科学的な誤りがあると、高等法院から裁断されたばかり(9 Inconvienient Untruthsってとこでしょうか)。

 そうした少々強引な手法で、気候変動をあまりにセンセーショナルに取り上げるのは、かえってロンボルグ(『懐疑的環境主義者』の著者、同書も結論を導くために都合のよいデータだけを集め、手法も科学的ではないと批判されている)ら懐疑派を勢いづかせることになるのではないか。その意味で、長年地道にデータと議論を積み重ねてきた専門家集団であるIPCCを同時受賞として、バランスをとったんだろうけれど。

2007.10.13.13:00 追記:
 すでにロンボルグがガーディアンにコメントを書いていました。しかもこの記事のタイトルと同じタイトル(笑)。
 An inconvenient peace prize
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by greenerworld | 2007-10-13 11:13 | 気候変動  

オーストラリアを温暖化が直撃

 2030年までに平均気温が1℃上昇し、35℃以上の猛暑日が増え、降水量が減少、沿岸部ではハリケーンによる洪水のおそれが高まる──10月2日、オーストラリアの国立研究機関CSIRO(連邦科学産業研究機構)がこんなレポートを発表した。

 すでに干ばつは頻繁にオーストラリアを襲っている。もとよりオーストラリアは地球上で最も乾燥した大陸である。気象衛星MTSATの全球映像を見ると、オーストラリアだけはいつもくっきりと晴れ渡っている。

 最大の農業地帯であるマレーダーリング盆地では、昨年の春から今年の秋(北半球での秋〜春)にかけてほとんど雨が降らず、作物に大きな影響を与えた。小麦の生産は前年の4割に落ち込み、その影響で日本でも麺類などの食品が値上げされている。日本はアメリカに次いで小麦の供給をオーストラリアに頼っているので、影響は大きいのだ。果物の収量も落ち込み、家畜への影響も深刻だ。

 現在オーストラリアは春を迎えたばかりだが、早くも異常な高温と強風による山火事(ブッシュファイア)が頻発し、広大な面積が焼失したという。この干ばつの影響で、小麦の収穫量が今年も昨年並みに落ち込むとの見方が広がっている。

 自由党のハワード政権は地球温暖化に懐疑的で、アメリカのブッシュ政権とともに京都議定書を離脱した。気候変動よりテロ対策が重要と公言する。しかし世論調査では、気候変動の方がイスラム原理主義よりも安全保障上の脅威であるとオーストラリア人の40%が考えているのに対して、その逆は20%だという(New York Times Oct.4 電子版)。

 オーストラリアの平均気温は1950年以来すでに0.9℃上昇し、2005年は記録以来最も暑い年だった。2007年はそれを上回る可能性が高い。もちろん日本にとっても対岸の火事ではない。
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by greenerworld | 2007-10-04 23:45 | 気候変動  

ヨーロッパの洪水と地域熱供給の関係

 英国イングランドでは断続的に集中豪雨が起き、河川の水位が上昇、洪水の被害も拡大している。まるで、日本の梅雨末期のような気象だ。

 これで思い出したのが、昨年訪れたオーストリア・ザルツブルク郊外のタルガウという町。数年前に集中豪雨で洪水が起こった。これまで経験したことのないことだった。湿度も高く洪水も頻発する日本では、床を高くすることはあっても地下室を設けるという伝統はない。しかしヨーロッパでは、地下室をもっている家が多く、物置や機械室として使われている。給湯や暖房のために使われるボイラーや燃料もたいてい地下に置かれている。タルガウでは人命には影響がなかったようだが、家屋への浸水が起こり、灯油が流れ出したり、ボイラーが台無しになるといった被害があったという。

f0030644_9285290.jpg タルガウではいま多くの建物が町外れにある「熱プラント」から熱を供給してもらっている。ガスの配管のように熱水を送る配管を地域に張り巡らせ、各家庭やビルはそこから熱交換によって、給湯や暖房のためのお湯を得る。カロリーメーターで使った分を計測し、精算する。この方式だと、各建物がボイラーや燃料をもつ必要がない。洪水対策でもあるのだ(写真は家庭用の熱交換器の内部。小型のガス湯沸かし器ほどの大きさ)。

 ヨーロッパではこうした「地域熱供給」システムが普及している。近くに廃熱の発生する工場などがあればそれも使える。発電しながら廃熱を熱供給に回す熱電併給(CHP)プラントも多い。日本では発電所で生じる廃熱は環境中に捨てられているが、CHPであれば熱がムダにならず、エネルギー効率は7〜8割に高まる。また多くの熱供給プラントでは、地域のバイオマス資源が燃料として利用されている。

 地域熱供給が普及しているのは、個々にボイラーを持ち燃料を焚くよりもエネルギー効率もよくコストも低い、さまざまな燃料が使いやすいといった理由からだが、気候変動が進むにつれ、ヨーロッパでこれまで経験がなかった集中豪雨や洪水が起こるようになって、もう一つのメリットにも光が当たっているように思う。地震の多い日本では、そのまま、まねするわけにはいかないとも思うが。
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by greenerworld | 2007-07-27 09:45 | 気候変動  

日本は空梅雨、ヨーロッパは豪雨と干ばつと熱波

 日本では「梅雨はどこに行ったのか?」といわれているが、イギリス気象庁は「夏はどこに行ったのか?」というタイトルのニュースリリースを発表した。

 ヨーロッパ西部はこのところ激しい雨に見舞われ、からりとしたさわやかな夏は姿を消してしまった。テニスの全英オープン(ウィンブルドン)がにわか雨で試合中断ということはよくあるが、今年の雨は様子が違って試合そのものができないほど。イングランド北部は洪水に見舞われ4人が死亡、この週末にはさらなる豪雨と洪水が心配されている。

 フランスでは、この豪雨によって収穫期を迎える小麦や大麦への影響が心配され始めた。その一方で東欧では深刻な干ばつが続いている。南欧では熱波で死者が出始め、小麦の収穫にもダメージを与えている。すでに小麦の価格が上昇し始めている。

 気候変動は将来の話ではない。いま起こりつつあるのでもない。すでに気候は変わってしまったのだ(変えてしまったというべきか)。これからはさらに極端な気象(extreme weather)が起こるようになるだろう。
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by greenerworld | 2007-06-27 08:54 | 気候変動