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カテゴリ:気候変動( 43 )

 

中国のCO2が世界をおおいつくす前に

f0030644_1110550.jpg 中国のCO2排出量が、2006年にアメリカを抜いて世界のトップに躍り出たらしいとオランダの環境調査機関が発表した。1997年には世界の13.8%であった中国のCO2排出量は2006年には22%を超えた。グラフを見ると、2000年以降排出量が急上昇していることがわかる(出典:The Guardian電子版)。

 中国のCO2排出の多くは石炭によるものだ。発電燃料の70%は石炭である。いま中国は自国産だけではまかなえず、世界中から石炭を買い集めている。世界の石炭の4割弱が中国で燃やされている。石炭タンカーが中国に向かって数珠つなぎになっているのだ。また、セメントからのCO2排出も非常に多い。経済発展にともないビルや道路などの建設が急ピッチで進む。北京オリンピックや上海万博の開催も拍車をかけている。

 しかし、中国は人口が多いため、一人あたりのCO2排出量は年間4.7トンと、アメリカ(19トン/年)に比べて4分の1程度しかなく、日本と比べても半分程度なのだ。もし中国の一人あたり排出量が日本並みになったら……。考えるだけでもぞっとするがそれはあり得る未来だ。それも近い将来。中国のいまの成長率が続いたら、2015年ごろにはそうなるかもしれない。

 中国にエネルギーを使わないように、経済成長の抑制を働きかけることなんてできない。せめて、日本の省エネルギー技術を移転し、成長を持続させながらもなんとかCO2排出量を最低限に抑えてもらうくらいだろう。いや、それはなんとしても、やらなくてはならないことではないか。もちろん、アメリカや日本がCO2排出量を下げることは前提だ。

 参院選挙を控え、首相は憲法改正を争点にしたがっている。宙に浮いた年金問題でそのもくろみは外れそうだが、政治家には「本当の安全保障とは何か」を今こそ真剣に考えてもらたいものだ。地球が壊れていくのに「美しい国を守る軍隊」など何の意味があるのか。
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by greenerworld | 2007-06-25 11:13 | 気候変動  

ロンドンはポルトガルに、ベルリンは北アフリカに?

 このまま温室効果ガスが増え続け、気候変動が進行すると、気温上昇と降雨の減少により、ロンドンが20世紀後半のポルトガル西海岸のワイン産地のような気候になるという予測が、フランスなどの気象学者グループから発表された。ヨーロッパ主要都市で今世紀後半までに予測される気候変化のうち乾燥度と温度を、1961〜1990年における最も近い気候の地域に当てはめてみたもの。

 たとえばロンドンの平均気温は今世紀後半までに3℃上昇、夏期には雨がほとんど降らなくなり、ブドウ栽培に適した気候帯になるという。他の都市も軒並み「南下」し、パリはセビリアとマドリッドの間ほど、ストックホルムやオスロはスペイン北東部に、ローマはトルコ南部、バルセロナやベルリンはなんと北アフリカだ。

 これほど短期間に気候が変化すると対応が難しい。例えば家の造りや都市のインフラは、これまでの気候に合わせたものになっている。北ヨーロッパでは冬の弱い日射しを取り入れるために西向きに窓を取り付ける家が多いが、これではより暖かい気候になれば夏の午後が耐え難くなる。水不足も心配だ。より遠くから水道水を引いてこなければならなくなるかもしれない。逆に集中豪雨に対する備えも必要になる。

 2003年のヨーロッパの猛暑では高齢者を中心に数万人の人が亡くなったが、ほとんどの住宅・建物は寒い冬への備えはあっても、夏の暑さを前提としていないので冷房をもたない。寒冷に対して適応した北ヨーロッパの人々は、そもそも暑さに弱いのだ。

 日本でもこんな予測をやってみたら、気候変動の現実感が増すのではなかろうか。平均気温だけでいうと、2℃上昇した場合東京は南九州です。
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by greenerworld | 2007-05-21 11:22 | 気候変動  

深刻なオーストラリアの干ばつ

 このところ毎年のように干ばつに見舞われるオーストラリアだが、今も深刻な干ばつが続いているようだ。オレンジやブドウ、麦や米などの栽培、畜産の中心地であるマレーダーリング盆地でも、昨年来雨が降らない状態が続いている。この1-3月には盆地の南部で平年並みに降雨があったものの、乾ききった大地に水を吸われてしまい、河川の流量はほとんど増えなかった。2月、3月のマレー川の水位はそれぞれの月の過去最低記録を更新した。

 こうした状況をふまえて、4/19にハワード首相は異例の会見を行った。今後6-8週の間に、相当量の雨が降らない限り、飲料水を優先するために農業用かんがい用水を完全にカットせざるを得ないというものだ。

 同盆地はオーストラリアの農業生産の7割を生産するという。バロッサ・バレーなどワイン産地も多い。予報ではこの冬(南半球のオーストラリアでは夏冬が逆になる)に平年並以上の降雨がある確率は50%、これでは河川やダムに十分な水を供給できそうにない。この状態が続くと果樹が枯れ、農業が維持できなくなる。オーストラリアでは昨年来干ばつの影響で食料価格は10%も上昇しているが、今後さらに上昇するおそれがあるという。

 昨年来の干ばつはエルニーニョの影響が大きいと見られているが、地球温暖化が原因ではないかという声も高まっている。アメリカのブッシュ政権とともに京都議定書から離脱したハワード政権への風当たりも強まりそうだ。
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by greenerworld | 2007-04-22 18:43 | 気候変動  

エクソンモービルが反IPCCレポートのための資金を助成

 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次レポートのうち第一作業部会レポートが予定通り2月2日に発表された。各メディアが報道しているのでその内容には触れないが、英紙ガーディアン(電子版)に興味深い記事が掲載されている。米石油メジャーで、ブッシュ政権の後ろ盾でもあるエクソンモービルが、科学者や経済学者に研究費提供の申し出をしたというのだ。その目的は、反気候変動。IPCCレポートの欠点をあげつらってもらい、気候変動そのものを不確実にあるいは過小に見せようというねらいだという。

 エクソンモービル系のシンクタンク、アメリカンエンタープライズ研究所 (AEI)が学者たちに提供したのは一人あたり1万ドルの研究費と交通費など実費。AEIによるこうした資金提供申し出は世界中の学者に対して展開されているようだ。日本でも提供された方がいるんじゃないですか?

 私もIPCCのレポートが完璧で正しいとは思っていないし、その気候変動モデルにも限界があるだろうと思うが(あくまで人間がプログラムしたシミュレーションであり、全てのデータが網羅されているわけではないので)、やはりその当事者、つまり温室効果ガスのもとになる化石燃料を販売することでばく大な利益を上げている企業が、レポートの欠点をあげつらうためにお金をばらまくというのは愉快な話ではない。日本の電力会社が原子力発電の安全性を強調しながらその裏で保安データの改ざんをやっている例もあるからね。こういうことをやっていると、まっとうな研究も、IPCCレポートの不備を指摘しただけで、エクソンモービルからお金をもらっているんじゃないかと色眼鏡で見られてしまう。それはそれで健全な研究の発展を阻害することになる。困ったことです。

 ちなみに日本ではエッソ、モービル、ゼネラルがエクソンモービル系のガソリンスタンド。
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by greenerworld | 2007-02-03 09:29 | 気候変動  

ヨーロッパを冬の嵐が襲う

 日本でも今冬は「爆弾低気圧」が何度か被害をもたらしているが、ヨーロッパも木曜日、急激に発達した低気圧による冬の嵐に襲われた。強風と雨が各地に被害をもたらし、イギリスでは最大45m/秒の風が吹き、倒れた塀の下敷きになったり、吹き飛ばされた木の枝による交通事故などにより11人が死亡。オランダでは交通が完全にマヒ、車が倒れた木に押しつぶされたりして少なくとも5人が死亡した。ドイツでも6人が死亡、フランス、ベルギー、チェコなどでも被害が出ているという。

 Source : Reuter、The Guardian、Times
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by greenerworld | 2007-01-19 11:13 | 気候変動  

アメリカ、2006年の年平均気温は過去最高

f0030644_10531359.gif 東部では相変わらず春のような陽気が続いているようだが、アメリカの昨年の年間平均気温は記録上最高だったと、海洋大気局(NOAA)が発表した(右はNOAAサイトのタイトルロゴ。お役所がこういうニュースに派手なロゴをつけちゃうアメリカって……)。2006年の平均気温は、20世紀中の平均より1.2℃高く、これまで最高だった1998年を0.04℃上回ったという。短期的にはエルニーニョの影響が大きいというが、過去100年間の気温上昇トレンドも示されている。過去の年平均気温トップ25に最近の9年間が含まれているという。

 暖冬のおかげもあって、原油価格は落ち着いているというより暴落気味。この暖冬でエネルギー需要は平均より13.5%も低くなっているとも、NOAAは見積もっている。原油暴騰で大騒ぎしたのはつい半年前、喉元過ぎれば何とやら、にならなければいいが。

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by greenerworld | 2007-01-10 11:05 | 気候変動  

予測:2007年の平均気温は過去最高か?

 明けましておめでとうございます。本年もグリーナーワールドをよろしくお願いいたします。

 さて、今年の最初の書き込みは、やはり気候変動がテーマ。

 世界気象機関のレポートでは、2006年は記録上過去6番目に暖かい年だった。最も暖かかったのは1998年で、1961-1990年平均を0.52℃上回った(2006年は+0.42℃)。過去暖かかった年のトップ10はここ12年間に記録されている。とくに北半球で上昇率が高い。

 イギリス気象庁は、新年恒例の世界の気象予測を行い、2007年はエルニーニョの影響もあって、1998年を上回り過去最高の暖かい年になる可能性が高いとしている。

 ちなみにイギリスだけで見ると2006年は1850年以来最も気温の高い年だったという。イギリスでは、昨年のスターンレポートの反響も大きく、温暖化対策は社会・政治・経済的テーマとなってきている。でも日本の政治家は、安倍さんを始めあんまり環境には興味がなさそう。折しも年頭会見があったが、安倍政権のスタンスでは改憲とそのツールとしての北朝鮮問題だけが「争点」のようだ。長期にわたる気候変動リスクの回避なしに、「美しい国」は実現しないと思うのだが。

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by greenerworld | 2007-01-04 14:44 | 気候変動  

米東海岸も暖冬でクリスマスセール空振り?

 クリスマスを前にして、アメリカ東海岸でも異常に暖かい日々が続いているという。12月に入ってからの平均気温は去年より15°F(8.3℃)も高く、ワシントンやニューヨーク、ボストンでは人々はコートも帽子も手袋もなしで通勤、冬物衣料がさっぱり売れない。昨年はここ10年で最も寒かったため、よけいに暖かく感じるというが、2001年以降では最も気温が高い。街頭で寄付を募るサンタも、防寒のために重ね着をする必要がない。アパレル関係者はこのまま温暖化が進み、冬物が売れなくなることを心配しているようだ。
(New York Times, Dec. 23)
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by greenerworld | 2006-12-23 13:08 | 気候変動  

ヨーロッパは異常な暖かさ

 日本でも今年は秋から初冬にかけて気温が高かっただけでなく、来年にかけても暖冬が予想されているが、ヨーロッパでも異変が起きているようだ。ロイター環境ニュースのレポート。 

 アルプスのスキーリゾートは雪不足で人工雪でしのいで来たが、ようやく雪が降り始めた。デンマークでは蝶が飛び、いつもならとっくに閉鎖しているフィンランドのゴルフ場はまだプレーできる。春作物が芽吹いてしまい、農民が寒さで芽がやられることを心配している。

 ロシアではクマが冬眠せず、モスクワ市内にはヒナギクやスミレが咲いている。例年なら凍り付いている12月7日のモスクワの気温は7℃まで上昇した。ドイツでは花粉症、スウェーデンでは季節外れの洪水。

 今年のヨーロッパの秋の平均気温は平年を2℃上回り、過去500年間で最も暖かかった。専門家は自然の変動かもしれないと言うが、温室効果ガスとの関連を懸念する人も多い。

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by greenerworld | 2006-12-13 13:10 | 気候変動  

グリーンランドの氷床が減少

f0030644_1657768.jpg 世界最大の島グリーンランドは、そのほとんどが氷床(ice sheet)で覆われている(写真は'Google Earth'より)。氷床は5万立方km以上の大規模な陸氷の塊で、南極とグリーンランドにしか存在しない。

 アメリカ航空宇宙局(NASA)の最近の調査によると、グリーンランドの海岸に近い氷床が2003〜2005年の間に年あたり155ギガトン(約170立方km)減少、一方内陸部では降雪により54ギガトン(58立方km)増加したという。減少の半分はグリーンランド南西部で生じた。1990年代には減少と増加がほぼ等しかったので、顕著な変化が起こっていると研究者は述べている。

 IPCCによれば、グリーンランドの氷床は28.5万立方km、これが全て溶けると、7.2m海面が上昇するという。ちなみに南極には257.1立方kmの氷床が存在し、これが全て溶けると海面は61m上昇するとされている。

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by greenerworld | 2006-10-20 16:59 | 気候変動