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カテゴリ:エコエコノミー( 27 )

 

奴隷的労働と企業の社会的責任

 塩野七生氏の『日本人へ 国家と歴史篇』(文春文庫)を読んでいたら、イタリアのブランド品についての話が出ていた。イタリア国営放送の番組が、イタリアの有名ブランド品の製造実態について、暴露したという内容。

 イタリアでは、製品の30%が国内で作られていれば、イタリア製として認められるため、有名ブランドのいくつかは、7割までを中国で作り、残り3割を国内で作って「メイド・イン・イタリー」として売っている。しかも、その3割も、イタリア国内にいる(不法入国した)中国人が作っているというのだ。彼らは低賃金で働くばかりか、不法入国・就労がばれれば国外退去になるから、地下室や車庫の中で生活と仕事を行い、外出もせずに過ごしているという。まるで現代の奴隷労働だが、まあそれでも彼らは望んでイタリアに来たのだろうから、そこは奴隷とは違う。

 塩野氏は「これによって、イタリアの伝統でもあり、高度な技能とアイデアの豊かさを誇ってきた職人層が、壊滅的な打撃を受けた」と嘆くのだが、こうしたことはわが日本でも起こっていそうだ。

 しかしその中国も著しい経済発展で、今や低賃金の労働者が不足しがちだというから、ここ数年で状況は大きく変わっているのかもしれない。中朝国境に近い中国北東部の吉林省や遼寧省の工場に、北朝鮮から大量の労働者を送り込むというニュースがいくつかのメディアで報道された。北朝鮮からのこうした出稼ぎ労働者はシベリアや東欧や南アなどへも派遣されているが(イタリアにもいるという話もある)、国家により監視され、外出の自由もないような中で働かされているという。その賃金もかなりがピンハネされているというのも、よく聞く話だ。だとすればこちらこそ実態は奴隷労働に近い。

 今回の中国への出稼ぎもこのような形で行われるのだろう。イタリアとは違い元々単純労働を代替するだけだから、中国の職人層に打撃を与えるということはなさそうだが、こうした奴隷的な労働を国と国(省)が認め合うというのだから、ひどい話である。

 折しも、11月1日に社会的責任の国際規格であるISO26000が発行された(ただし手引書という形で、第三者認証を伴うマネジメント規格ではない)。この中身についてはいずれまた紹介したいと思うが、策定に関わった国際労働財団副事務局長の熊谷謙一氏によると、その焦点は「人権」と「労働」であるそうだ。体制的にも経済的にも一体化を進めようとする中国と北朝鮮だが、日本企業が、間接的にせよ、こうした北朝鮮労働者が働く企業から製品・部品を調達すれば、北朝鮮の体制を利することになるし、社会的責任上も大きな問題だ。よくよく注意が必要である。
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by greenerworld | 2010-11-04 10:46 | エコエコノミー  

キノコが緩衝材や断熱材に

 キノコやカビは菌糸と呼ばれる細胞の連なりで構成されている。この菌糸が集まったものが菌糸体(mycelium)。この菌糸体を使って、商品の緩衝材や断熱材などを作っているのが Ecovative Design(ニューヨーク州グリーンアイランド)。原料となるのは、ナッツの皮やもみがら、木綿の殻などの農業廃棄物。これを滅菌し、菌を吹き付け、型に入れると、原料が分解されて白っぽい菌糸体のかたまりになる。これを取りだして熱をかけるだけで、製品ができあがるというわけ。

 発泡ポリスチレン(発泡スチロール)やスチレンフォームなどの代替品として利用可能だ。原料は再生可能な有機廃棄物で、製品も生分解可能。製造工程でもそれほどエネルギーを使わない。緩衝材はEcoCradle(TM)、断熱材はGreenslate(TM)の名で商品化されている(写真はEcoCradle(TM)。同社サイトより)。これからが楽しみなグリーンベンチャーだ。
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by greenerworld | 2010-10-07 08:36 | エコエコノミー  

一定の需要はあるが

 先月末に「皮むき間伐」の体験に参加してみて、20人ほどの参加者のうち多くが20~30代(女性が過半数)だったのが、ちょっと驚きだった。自治体などが募集する環境講座やボランティア講座はたいていシニア世代ばかり、しかも男性の方が多い。

 しかし考えてみると、70~80年代にもこうした活動(あるいは運動)はあって、草刈り十字軍やグリーンドラフト(早稲田大学の学生たちが中心になった森林ボランティアサークル)には男女の学生が参加して、植林地の下草刈りや除間伐作業に汗を流していたし、自然保護のボランティア活動にも、若者の参加が多かった。奥多摩の野生生物調査などはけっこうハードなのに若い女性が多くて、「彼女見つけるなら山で」と冗談を言ったものだ。

 かつては田舎暮らし。いまだと、エコビレッジとか、パーマカルチャーとかの横文字に惹かれて集まってくる若者もいる。オーガニックや自給自足への憧れもある。こうしてみると日本社会には連綿とこの分野の需要は一定程度存在し続けているらしい。

 かつて山仕事や自然保護のボランティアに参加した若者たちは、今どうしているのだろうか。そのつながりが途切れてしまっているのも、気になる。30年来この世界を見ているものとしては、何か同じようなことを繰り返しているように見える。あるいは既視感か。いまだに個人の趣味や志向の範囲にとどまり、運動としての広がりもないし、ネットワークも形成されていない。

 結局ほとんどの若者たちは、少しだけ山に入って、また都会に戻っていったのだろう。それでいいっちゃ、いいんですけどね。傍観者でしかない身ではえらそうなことは言えない。四半世紀も前ブログ子を山仕事に誘ってくれた男が、北海道で自給的な農業を営んでいることを最近知った。訪ねて行って、話を聞いてみたい。
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by greenerworld | 2010-09-10 11:55 | エコエコノミー  

ムキムキしちゃいました

 国土の7割近くが森林という日本だが、その森林の多くはスギやヒノキの人工林で、戦後に植林された山が多い。今やその多くは木材価格の低迷に過疎化が追い打ちをかけ、手の入らない林となっている。人工林は植林後、何回かの間伐・枝打ちを経て、優良材を作っていく。枝打ちはともかく、間伐をしない林は、一本一本に日が十分に当たらずひょろひょろのもやしのような木ばかりになる。風雨に弱くて倒れやすく、虫や菌が入り、材としても使えなくなる。林床に光が届かないため、動植物層も貧弱で、土壌が流れてしまう。

 という困った状態が、全国の人工林で進行している。昔は間伐した細い径の丸太も、足場や土木資材など使い道があったのだが、いまでは工業製品や外材に替わってしまった。補助金を使って間伐を進めてはいるものの、運び出しても割に合わないので、そのまま林内に捨て置く「切り捨て間伐」が主流だ。

f0030644_22503155.jpg 各地で森林ボランティアが活動してはいるものの、いかんせんそれには限りがある。何か間伐に新しい価値を付け加えることはできないかと考えていたところ、「皮むき間伐」という手法があるのを知った。静岡県富士宮市に本部を置くNPO法人森の蘇りが推進しているこの間伐、切り倒さずに皮だけをむいて、林内で立ち枯らせる。スギやヒノキはたてに皮がきれいにむけるのだ。1年半〜2年そのまま置くと、ゆっくりと乾燥し、材としても使えるようになるという。しかも重さは生木の3分の1になっているので、運び出すのも楽だ。

 ただし、皮をむけるのは4月〜8月。木が水を吸い上げている時期に限られる。それ以外の時期では皮がうまくむけない。通常利用するために切る場合、時期は水を吸い上げない秋〜冬なので、ちょうど逆になる。

 体験作業のあった神奈川県相模原市(旧藤野町)の林は、傾斜最大30度ほどでやや“上級コース”。樹種はヒノキで20〜30年生か。同NPO法人・大西理事長のデモを見た後、グループに分かれ早速、それぞれの木の胸高直径を測定、適正な本数(実際には断面積比)になるよう間伐する木を選ぶ。選んだ木の根元の樹皮をのこぎりで一周切れ目を入れ、へらで皮をはがす、後ははがした皮をもって、後ずさりしながら引っ張るとするするっと皮がむけていく(実際には結構力がいります)。梢の方まで皮がむけると、なかなか快感である。

f0030644_22504195.jpg むいた後には白い木肌が現れる。つるっと一周むけてしまうと、磨き丸太のような趣になる。なかなか癖になりそうな体験だった。

 NPO法人森の蘇りでは、この皮むき間伐「きらめ樹」の普及によって、日本の森を再生し、同時に輸入材を使わないことで世界の森林も救おうと呼びかけている。

 詳しくは、NPO法人森の蘇り http://mori-no-yomigaeri.org/ へ
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by greenerworld | 2010-08-29 23:05 | エコエコノミー  

熊本芦北から東京湾に打瀬舟が回航

「東京湾に打瀬舟を復活させる協議会」は、以前取材させていただいた木更津金田の漁師さんたちが中心となって、始まった活動だ。40年ほど前までは、帆に風を受けて滑るように網を引き、魚やエビを捕る木造船「打瀬舟」が、東京湾各地で見られた。浅瀬での操船に向いた構造で、水深1mでも航行できたという。底引き網に比べて、海底へのダメージがとても小さかった。その打瀬舟の復活が同会の目的だ。打瀬舟の復活には打瀬舟漁法の復元、船大工の技術の継承、海と山との連携による森林の保全(千葉の打瀬舟は山武杉でつくられた)、藻場や干潟の再生など、たくさんの難題がある。逆に、打瀬舟は豊かで美しい海とその海に支えられた(持続可能な)くらしを取り戻すシンボルと言える。

 打瀬舟建造プロジェクト http://utase.yokochou.com/

 この6月、同会では熊本県芦北町で実際に使われている打瀬舟を譲り受け、はるばる東京湾まで1500kmの距離を回航する。6月2日、芦北を出発する舟は、八代海から天草灘、東シナ海、玄界灘を経て瀬戸内海に入り、紀伊水道から太平洋へ、さらに熊野灘、遠州灘、相模湾を伝って6月13日に三崎港を経て横浜に入港予定。

 途中の寄港地や航行中には、伝馬船やヨットとの併走などの催しもある。希望者は一部区間の乗船も可能。ブログ子もすでに申し込んだ(航路はヒミツ)。

 回航の計画書はこちらに http://www.satoumi.com/kaikou.pdf

 東京湾に着いた打瀬舟は、東京湾の自然再生を支援するさまざまな活動に活用される予定。
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by greenerworld | 2010-05-24 13:53 | エコエコノミー  

安物買いの銭失い

 タイトルはよく知られている俚諺であるが、おさらいしておくと「安い物は品質が劣るから結局は金銭を失うに等しい結果になるということ」(広辞苑第五版)である。近ごろのデフレ状態を眺めて、これは経済にも当てはまるなあと、ふと思った。デフレスパイラルって、まさに「安物買いの銭失い状態」に経済が陥っているってことじゃん。消費者が安いものを求めるから、仕入れも、部品や原料も、賃金も安くなっていく。そうするともっと安いものでないと買えなくなる。するとさらにお金が回らなくなっていく(銭を失う)。

 生産性が上がってコストダウンが実現し、価格が安くなるのは健全なことである。しかし生産性の向上を超えて、価格が安くなっていくのは、どこかにしわ寄せが行っているのだ。それは下請企業かも知れないし、労働者かも知れないし、生産者かも知れない。あるいは資源や環境かも知れない。

 一方でバブル時代には「高ければ高いほどいい」という愚かしい消費行動もあった。品質や必要性ではなく、高価格というだけで購入していたのだ。ゆえにバブルだったのだが、これもまた資源や環境、そして人間性の浪費につながった。

 CSRというと企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)のことであるが、もう一つのCSR、すなわち消費者(あるいは市民)の社会的責任(ConsumerあるいはCitizen Social Responsibilityについてもっと真剣に議論し、取り組むべき時ではないだろうか。

 まともな製品や食品を、それなりの対価を支払って購入することもそうだし、クロマグロをはじめとする希少な生物資源を買ったり食べたりするのを控えるのも、消費者の社会的責任の一つだと思う。

 すべては市場にまかせろなんてのは、資源と環境の限界を理解していなかった頃の時代遅れの考えである。本当に賢い消費とは何かを考えないと、もうすぐ、すべてが台無しになってしまう。結局は回り回って自分自身か、あるいは将来の人たちの首を絞めていくのだ。
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by greenerworld | 2010-03-27 10:07 | エコエコノミー  

人口減少社会の公共事業のあり方

 JAL再建問題で、その惨憺たる実態が次第に明らかになってきた。国内線は9割が採算割れ、全体の3分の1以上の52路線が搭乗率50%に達しないという。採算がとれているのは大都市と沖縄などを結ぶ路線のみ。多くの地方路線は赤字の垂れ流し状態。甘〜い需要予測に基づき、特別会計で地方空港を造り続け、そこに旅客機を就航させてきたツケがJALの翼に重くのしかかっている。そもそも民間企業であるJALが、なぜ言いなりに近い形で赤字必至の路線に飛行機を飛ばしてきたのか。かつて我田引鉄と呼ばれた国鉄と同じ、フラッグキャリアとして保護されてきた中で作り上げられた政官業癒着の構造なのだろう(JALは高級官僚の天下り先)。静岡空港の事業経過でも、結局推進に都合のいい(根拠の薄い)数字しか上がっていない。いま振り返ってみれば、反対派の主張の方が的を射ている。

 そもそも多くのの公共事業は、需要や利用者の拡大予測を元に計画される。道路然り、ダム然り。しかしその前提である人口はすでに減少フェイズにさしかかっているのだ。2050年ごろの日本の人口予測(中位推計)は9,500万人くらい。今より3,000万人以上減少する。これは1960年ごろの人口に相当する。ところが人口構成は大きく異なる。当時は若い層が多く、文字通りピラミッド型。2050年はそれに対して、逆ピラミッドに近い。高齢者比率が高まり、生産人口が減るわけだから、当然富も減る。中長距離の移動も減るだろう。

 さらに、人口の都市集中が進んで、地方人口は少なくなっている。ここからも、大都市間を除いて中長距離移動が激減することが容易に推測できる。現在ある地方空港のほとんどは(すでにお荷物になっているが)、遅かれ早かれ廃港の憂き目を余儀なくされる。それなら早く撤退した方が傷口が広がらなくてすむと思う。それが静岡空港に関する10月2日の主張(「富士山静岡空港をソーラーパークに」)。

 人口減少社会の中で必要とされる公共事業は、人口拡大時代の延長で無理矢理創った予測に基づく鉄やアスファルトの計画ではなく、生活の質、安心や安全、実質的な豊かさを保証するようなものではないのか。衣食住やエネルギーの地産地消、教育や文化、景観、暮らしのシステム、自然環境……。「グリーンニューディール」の本質はそこにあるはずで、世界に先駆けて、人口減少社会の中で豊かさ(逆に言えば“市民満足”)をつくり上げていくことが、これから日本の重要な役割だと思う。お隣の中国も2033年が人口のピークとの予測だし。
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by greenerworld | 2009-10-07 10:59 | エコエコノミー  

LED電球は「売ってはいけない」

 家電メーカーS社が4000円台でLED電球を発売するという。その発表を受けて、先行するT社もLED電球を約半額に値下げするという。ブログ子は連休中にT社のLED電球を買ったばかり(5/3付:7代先まで使える電球)。なんなんだよ〜、と嘆きつつ考えてみる。トイレに使ったら200年以上もつ、リビングでさえ、1日8時間点灯するとして13年。その間に模様替えしたくなることもあるだろう。照明器具だって替えるかもしれない。それなのに、電球はまだまだ使えるのだ。もったいない、電球に合わせて照明器具を買うのか?

 いやいや、これはもう商品として電球を考えてはいけない。使い方によっては家族の一生より商品の寿命の方が長いのだ。これはもう消耗品ではない。経済は根本的に変わる必要がある。

 かつてエジソンは白熱電球を生産したが、そのままでは電球は売れなかった。電気はどこからも来ていなかったからだ。エジソンは電力会社をつくらなければならなかった。しかも白熱電球はすぐに切れたから、頻繁に取り替える必要があった。エジソンは電球1個に付きいくらという料金を設定し、顧客に電線を引き、電球が切れれば無料で交換した。エジソンは電球を売るのではなく、電気を売るのでもなく、「明るさ」を売ったのだ。

 LEDの登場によって電球の寿命が当時の100倍以上にも伸びたことで、エジソンのビジネスモデルが復活するかもしれない。いやそうするべきだろうと、高値でつかんだLED電球を眺めながら思う。
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by greenerworld | 2009-06-23 00:26 | エコエコノミー  

グリーン・リッチ=世界の“緑の金持ち”100人ランキング

 英タイムズ電子版に世界の“緑の金持ち”100人が掲載されている。
 
 堂々の第1位はウォーレン・バフェット氏。世界最大の投資顧問会社バークレーハサウェイのCEOで、風力発電や電気自動車用バッテリーに積極的に投資。2位はかのビル・ゲイツ氏。パシフィック・エタノール社や藻類から燃料をつくるビジネスに投資している。3位にはIKEA創業者のイングバール・カンプラッド氏(スウェーデン)が入った。上位はアメリカ・ドイツが多いが、下位には中国の投資家・起業家がずらり。そのほとんどが太陽光発電や電気自動車・バッテリー事業だ。社会インフラが未整備であることは、こうしたビジネスにはむしろチャンスだともいえる。

 なお日本からは“豊田家”が78位にランクインしているのみ。衣料やゲーム機やIT系の企業の経営者が入っていないのはいかにも残念。アメリカもいろいろ批判があるとはいえ、ブッシュ政権下でさえ“緑の投資”は盛んだった。太陽電池やバッテリーに関して日本の技術は世界一、と言われているが、日本は政府主導で新規技術開発にはお金を注ぐものの汎用化(社会化あるいは大衆化といってもいい)できず、果実が大きく実らぬまましぼんでしまうことがままある。太陽熱や太陽電池がいい例である。投資家の志ばかりでなく、安心して投資が呼び込めるような環境になっていないことも理由ではないかと思われる。今後しばらくこの分野はアメリカと中国が主導していくことになりそうだ。

 “緑の金持ち”100人ランキングはここ↓
 http://business.timesonline.co.uk/tol/business/specials/article5816774.ece
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by greenerworld | 2009-04-09 08:13 | エコエコノミー  

もう一つのCSR

 最近ちょくちょくグリーンジョブ(緑の雇用)という言葉を見かけるようになった。オバマ次期大統領は、深刻化するアメリカ経済の再生のために、再生可能エネルギーやエネルギー効率化、環境保全などの産業に従事する労働者(グリーンカラー)を増やすためのインフラづくりに、公共投資を行おうとしている。いわばニューディール政策のグリーン版だ。ドイツにおける風力や太陽光などの再生可能エネルギー関連雇用は、すでに自動車産業を上回っているとの話もある。こうしたグリーンジョブ、グリーンビジネスの発展可能性は、ヘルマン・シェーア(『ソーラー地球経済』)などが提唱し、WWFやグリーンピースなどのNGOも試算を下に提言している。

 日本政府も世界の流れであるグリーンジョブ創出に、ようやく重い腰を上げたようだ。温暖化対策を新たな100万人規模の雇用に結びつける構想を策定するという。

 政府の施策を待つまでもなく、企業活動を“グリーン”にシフトさせるため消費者レベルでできることはある。CSRといえば一般には「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)」を思い浮かべると思うが、もう一つ「消費者の社会的責任(Consumer Social Responsibility)」という意味のCSRもある。企業が社会的責任を果たすようにするには、消費者の選択が重要である。いかにデザインが良く安かろうとも、搾取労働を行っていたり、男女や人種による差別をしていたり、汚染を垂れ流していたり、自然破壊につながる開発を行ったりするような企業の製品は購入しないという消費態度が重要だ。昨今の話題でいえば、内定取り消しや派遣社員切りを行う企業の製品やサービスを買わないというのも、消費者の社会的責任といえるだろう。

 環境によい持続可能な社会構築につながるような事業活動を行う企業、製品を積極的に支援することも消費者の社会的責任といえる。あいかわらず評判の悪い定額給付金だが、これも多くの人がグリーンプロダクツを買うのに使うのであれば意義があるのだろう。今からでも見直して、緑の給付金にしたらどうだろうか。
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by greenerworld | 2009-01-07 08:21 | エコエコノミー