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カテゴリ:スローフード( 39 )

 

10年ぶりに荒井沢を訪ねる

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 横浜市栄区に昭和30年代にタイムスリップしたような一角がある。鎌倉との市境に位置する荒井沢。険しい丘陵のおかげで、開発の手を免れた。しかし、地権者にとっては手間がかかるやっかいな土地。山林も放置され、畑もだんだんと手が入らなくなっていた。ここを本来の里山の姿に戻すにはどうしたらいいかと、栄区の担当の方から相談を受けたのが16年前の夏だ。横浜里山研究所(NORA)のYさんらと、制度の検討、自然環境の調査をしながら、観察会や放棄されていた狭い谷戸田を復田しての米作りイベントなどを仕掛け、2年目に取り組んだのが、耕作放棄地でのそばづくり。自前でそばを育てて打って食べませんかという呼びかけに集まった皆さんは、現地を見て息を飲んだことだろう。そこは20年も放棄され、笹や木が生い茂るジャングル状態になっていたのだ。

 人海作戦で切り開き、なんとか3アールばかりをそば畑として確保した。その後、その開墾グループは「荒井沢緑栄塾 楽農とんぼの会」(緑栄塾)を立ち上げ、活動は発展継続している。写真が開墾した畑だ。かつて「ジャングル」だったとは誰も思わないだろう。

 緑栄塾では、共同作付、共同作業が基本。また原則として作業は週1回、日曜日だけである。今は退職者が増えたため平日でも畑に出られるのだが、頑なに日曜百姓のペースを守っている。栽培するのは、小麦、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、そば、冬場のダイコンや白菜、小松菜など。週末農業で無農薬栽培に適した作物。実はソバを除いて、この地区で昔から栽培されてきたものばかりである。それらを一定の面積で作付けするので、一部市民農園のようにごちゃごちゃした景観にはならない。

 単なる趣味の週末農業とは違い、農道の整備や耕作できなくなった畑の草刈りも請け負う。秋には落ち葉をかき、落ち葉堆肥を積む。地区で担えなくなったかつての里山の営みを、近在の住民がお手伝いをするというスタンスなのだ。

 当初考えたことは3つ。里山が伝えてきた自然、景観、文化(人と自然との関わり)を守ること。会が発展し、会員が増えても、この考えはきちんと継承されていて、とてもうれしくなった。

 組織や運営方法は、試行錯誤しながら皆さんでつくりあげたものだ。運営方針は4つのF(フラット、フレキシブル、フランク、フレンドリー)と5つのCan(できる人が、できる時に、できる場所で、できる範囲で、できるだけ)。会員の皆さんは、その日の畑番の作業指示に従って、やれることをやる。そして農作業を楽しむ。折節に親睦のイベントもある。

 今活動は福祉や教育、地域へと広がっている。学校や養護施設からの体験作業の受け入れ、デイケアセンターでのうどんやソバ打ち、区民イベントへの参加……。イベント対応は年間40回にも及ぶというが、それらは全て向こうから声を掛けていただいたもの。無理せずに楽農のペースを守って、いつまでも続いてほしい。

 皆さん、ありがとうございました。また伺います。

 興味のある方は↓へ
 荒井沢緑栄塾 楽農とんぼの会
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by greenerworld | 2009-10-25 11:46 | スローフード  

なんだか魚が食べたくなって

 このところ集中力がない。やる気が出ない。メンタルヘルスのサイトで、ストレスチェックをしてみたら、「すぐに医師の診察を受けて下さい」と出た。生来楽天的でポジティブなはずのに、このところ自分でも性格が変わったかと思うくらい消極的。妙だなと思ったのは、魚が食べたくなること。子どものころは焼津の漁港から行商のおばさんがかついで売りに来た魚を食べて育った。イワシとかサバとか、カツオとか、庶民的な魚ばかり。それもそのころは干物やみりん漬けなど加工品が多かった。冷蔵庫も普及し始めだったし、かついで運ぶんだから当然といえば当然。

 そんな子ども時代になじんだような魚が無性に食べたくなって、スーパーに立ち寄って買って帰ったりする。妻が「食べたいのは体が必要としているのかもね」というが、何を必要としているというのだろうと思っていた。それがわかった。

 「冒険病理学者」の家森幸男京都大学名誉教授が、『脳と心で楽しむ食生活』(生活人新書、NHK出版)の中で、魚介類に多く含まれるタウリンには、交感神経の働きを抑え、血圧や心拍数を下げる働きがあると解説している。

 ストレスを受けるとアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、交感神経が活発化し、血圧も心拍数も上がる。これは外敵に襲われたり、逆に獲物を狙うときの反応だ。でもいつもこんな状態では体が参ってしまう。帰還兵にストレス疾患が多いのは、緊張状態にずっとさらされ続けていることも大きな原因だろう。

 それを緩和する作用(癒し効果?)が魚介類にはあるってことだ。やはり体が求めているんだろうか。心と体と行動の関係はまだまだ奥が深い。今夜はイワシの丸干しにサバのみりん干しで、リラックスするか。ついでに地元の銘酒「田むら」を一献。
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by greenerworld | 2009-10-23 13:39 | スローフード  

活き生きとわだ満喫BOX

 青森県十和田地方で自然栽培に取り組むグループ、とわだ自然栽培研究所。20〜30代中心の青年たちが中心のゆるやかなネットワークだ。自然栽培とは原則として、農薬も肥料も使わない栽培方法のことだが、とくに定義があるわけではない。「奇跡のりんご」の木村秋則さんに指導を受け、それぞれがこだわりのやり方で米や野菜や果樹の栽培に取り組む。“流通担当”8beansさんが、研究所仲間の作物を宅配セットにして発送してくれる。わが家に届いた「活き生きとわだ満喫BOX」には、山東菜や小松菜、ハーブサラダセット、トマトやニンニクやネギ、タマネギ、ニンジン、自然栽培米にフルーツほおずきなど、多種多様(写真)。野菜とはこんなに味があるものかと驚いた。一つ一つの味を食べ比べるだけでも楽しい。
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 家庭やレストランとの提携、地元直売所への卸、ネットショッピングなど、販売ルートも工夫し努力して開拓。地元のショッピングセンターにも販売コーナーをもつ。週末には十和田市内のカフェで、研究所メンバーのシェフが腕をふるう。農業には、田舎には未来がある、と思わせてくれるグループだ。

 十和田自然栽培研究所 http://www.towadanclabo.com/

 活き生きとわだ満喫BOX http://blog.goo.ne.jp/8beans/e/54f7939b55c2d142011e7ded0a265898
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by greenerworld | 2009-08-09 13:23 | スローフード  

大当たりのお昼ご飯

f0030644_20252518.jpg このところ福島県への出張が続いている。昨日は木質系ボイラー施設の視察で三春町へ。実は10日ほど前も、有名な「滝桜」を見に寄り道したばかり……。

 三春町は、三春藩の城下町で、滝桜以外にも見どころはたくさんあるようだ。町の中心部は城下町のイメージを活かし、緑を多く配したまちづくりを進めている。ちょうど昼時で、たまたま見つけたのが蔵を利用した和食処「山惣」。三春そうめん(そうめんというより稲庭うどんに近い)と名物の三角油揚げにふき味噌などを詰めて焼いたほうろく焼、煮物、和え物、菜飯に香の物、汁物、甘味がついたほうろく膳「鶴」(1,530円)を頼む。

f0030644_20255048.jpg 麺は、ほんのりと桜色、ほのかに桜も香る。まあ本物の桜が練り込んであるとは思えないが、つるりとした喉越しは快感すら覚える。いずれの料理も外連なく味付けも絶妙。精進料理なのは、うかつなことに食べ終わってから気づいた。

 勘定場で愛嬌を振りまくお母さんとの会話も楽しい。また立ち寄りたいと思う良い店だった。
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by greenerworld | 2009-04-28 20:31 | スローフード  

どんぐりカレー

 「どんぐりカレー」と聞いて、どんなカレー(料理?)を思い浮かべるだろうか。

 ブログ子はドングリでん粉でとろみをつけたカレーかな、と思っていたのだが、さにあらず。ごらんの通り、皮をむいたドングリがそのままの形状で入っている。クヌギとコナラの2種類。あく抜きをするために、薪ストーブにかけた鍋で、30回以上もゆでこぼすんだそうである。この手間をかけて初めて食べられる味。甘みのない栗のよう。エゴマの実もたっぷり入って、福島県の里山喫茶「燦(きらら)」で、薪ストーブの季節限定。

 里山喫茶「燦(きらら)」 0247-82-5190 福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1
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by greenerworld | 2009-04-17 23:17 | スローフード  

棒たらのこぶ巻

 富山港にはその昔北前船がさまざまな物資を運んだ。その中にえぞの昆布や棒たらがあり、それを使った料理も発達したようだ。かつて廻船問屋で栄えた岩瀬地区。その一角にある野村商店は大正時代初めの建物で営業している。おばあさんがつくる富山名物・棒たらの昆布巻は、戻した棒たらを戻した昆布で巻いて甘辛く煮付けたものだ。とろけるような昆布に、しっかりした棒たらの歯ごたえ。何より味が絶妙である。売っているのはこの昆布巻と棒たらのみ。商売でやっているとは思えない。しかし、きときとの富山湾の幸ばかりが富山の味ではないと思い知らされた。朝ご飯が楽しみだ。
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by greenerworld | 2009-03-15 00:41 | スローフード  

シバグリの栗ご飯

 シバグリ(柴栗)は日本の山野に生える野生の栗である。栽培の栗は粒が大きいが、シバグリは体積でその5分の1程度だろうか。しかし実が小さい分味は濃厚で甘みもあると感じる。この季節山に入って地面に栗のイガを見つけるとうれしくなる。靴でイガを踏み分けて中身を出す。f0030644_19415210.jpg栗はクマもネズミもカケスも大好物だから、持ち帰るのはわずかにしておく(あまり多くても皮をむくのが面倒だからという理由もあります)。落ちて時間がたったものはたいてい虫が入っている。それをよけながら鬼皮と渋皮をむくと、量はさらにわずかになる。水にさらしてお米と一緒に炊き込む。手間がかかる分だけおいしさもひとしおである。あ、塩を入れるの忘れた!
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by greenerworld | 2008-10-19 19:43 | スローフード  

これなあーんだ

f0030644_2374488.jpg 秋晴れの信州で、わずかな時間キノコさがし。いや、ブログ子はキノコはど素人。キノコはコワイ。教えてもらったジコボウ(リコボウ)だけ覚えて、森の中へ。いろんなのが生えてはいるが、写真に撮るだけ。ようやくお目当てのジコボウを見つけた(写真下)。

 そのあと向かったイベント会場で、並べられていた地元の方がとってきたキノコの中に、おお! 懐かしやマツタケではありませんか。せめて香りだけかがせていただいて、ジコボウを大事に抱えて家に帰った。

 教えていただいたとおり、ゆでて大根おろしで食べると、つるりしこしこした感触。f0030644_238859.jpg今のところ何ともないので、明日の朝は味噌汁にして家族にも秋の味覚を。図鑑によればジコボウはハナイグチの別名で、カラマツ林を代表するキノコだそうだ。

 そうそう栗ご飯用にシバグリの皮もむかなくては。
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by greenerworld | 2008-10-18 23:17 | スローフード  

二坪菜園で時事問題を考えた

f0030644_11541967.jpg モロヘイヤの苗を3本ほど植えておいたら、どんどん大きくなって、この夏は味噌汁におひたしにと重宝した。スーパーでは一束百円くらいだが、それでもわが家の家計の節約に多少は貢献したことになる。

 自給菜園はいわゆる「サプライチェーン」は最短、GDPにも全く反映されないが、究極の“顔の見える”食品。安全安心はお墨付き。お隣の畑からいただく数々の野菜も同様に、わが家のフードセキュリティを高めてくれている。

 三笠フーズの事故米や島田化学工業の米でんぷん流通先を見て、全国に広がっているのに驚いた。サプライチェーンが伸びれば伸びるほど、追跡は困難。しかも少量使われる添加物にまでなってしまうと、われわれ消費者にはもはやお手上げというしかない。三笠フーズは循環取引で価格のつり上げまでしていたというが、他の原料と混ぜ合わせ、サプライチェーンを伸ばせば、事故米がどんどん薄まる一方、中間で価値が膨らみ、その分GDPを増加させることになる。もちろん毒性も弱まるけれど。

 この問題、サブプライム問題の構図とどこか似ていると思えてきた。リスクの高い低所得者向けローンも、金融商品化してグローバルに販売すれば、リスクは薄まり買いやすくなる。でもそれは見せかけのこと。結局はリスクを広く薄くばらまいて、みんなを一蓮托生にしただけだった。

 スーパーやコンビニに行けば、いつでも多種多様な食品が並んでいる。しかしそれは一皮むけば、広く薄まったリスクが並んでいるにすぎない(いやはやメラミンミルクには驚きました)。安全に対するリスクに加え、サプライチェーンのどこかで問題が起これば、全体が無に帰してしまうかもしれないというリスクである。源流近くで供給不足が起これば、その影響は全体に波及することになる。サプライチェーンがどこかでぷっつり途切れたらスーパーの棚から商品が消える。事実、中国ではメラミン混入で乳製品が店の棚から消えてしまったそうだ。天変地異や戦争がサプライチェーンを断ち切ることだってある。

 もちろん、自給菜園だって天候による不作というリスクを抱えている。端境期だってある。食品の安定供給という面では心許ない。しかし自給とまでは行かなくても、できるだけ近くに食料の供給元を確保することができれば、フードセキュリティは高まるし、農家も安定収入につながるのではないか。

 農水省も言葉と予算の上では、食糧自給率・フードセキュリティの向上を掲げている。しかし、ミニマムアクセス米の受け入れは確実に減反を進めたし(農水省は否定しているが)、集落営農の導入で経営意欲のある認定農業者が農地の「貸しはがし」にあった。一体何のため、誰のための政策なのか。

 農水省と三笠フーズ、ミニマムアクセス米を管理する天下り機関の関係も解明されていない。スキャンダルとしてもまだまだネタには困らない。
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by greenerworld | 2008-09-24 11:57 | スローフード  

ペレットストーブ:想定外の使用法

 妻の実家から無農薬、ノーワックスのミカンが届いた。これは皮も干して使わねばと、ふと目についたのがペレットストーブの上部に置かれている陶板。この部分は陶板焼できるほど熱くなるわけでなく、ほんわか暖かい程度。ここにミカンの皮を並べてみると、見事1日でカリカリに乾燥。細かく砕いて布袋に入れ入浴剤に使ったら、じんわり温まるミカン風呂になった。イタリア人もびっくり。
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 ほんとうは日光で乾燥させた方がいいのは承知の上。でも、夕方取り込むのを忘れて湿らせてしまったり、なかなかうまく乾燥してくれない。それにペレットも、もとは太陽エネルギーということで。
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by greenerworld | 2007-12-16 09:56 | スローフード