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カテゴリ:スローフード( 39 )

 

海から山への贈り物

f0030644_1074441.jpg 千葉県木更津市。東京湾に注ぐ小櫃川河口から沖合にかけて広がるのが盤洲干潟だ。東京湾最後の干潟とも言われるこの盤洲干潟をフィールドに活動するのが「盤州里海の会」。漁師さんたちのNPOだ。自然豊かな干潟を守り、その大切さを伝えようと、子どもたちを対象にした環境学習にも取り組む。

 干潟は海のゆりかごであり、海の腎臓とも言われる。浅い海にはゴカイや貝類、エビ・カニなどが生息し、川が運ぶ養分を糧にくらしている。こうした生きものが水を浄化してくれる。干潟にはたくさんの魚が集まり、シギや千鳥など渡り鳥が羽を休めて餌をとる。かつては東京湾の奥半分はずっと干潟が広がっていて、クルマエビ、シャコにアナゴやヒラメ、ハマグリなど江戸前の寿司ネタは干潟の幸だった。

 そして忘れてはならないのが海苔。羽田空港のあたりはかつて海苔ひびが林立していたのだ。

 盤洲干潟では、いまも海苔の養殖が盛ん。盤洲では春から夏はアサリやバカ貝(あおやぎ)、冬は海苔で生計を立てている漁師さんが多い。昨夏はカイヤドリウミグモという貝の寄生生物が突然大発生し、アサリがほとんどとれなくなった。大発生の原因はまだ不明だが、その後カイヤドリウミグモの数が減り、9月ごろから徐々にアサリ漁も再開されたという。

 で、写真は「里海の会」の主要メンバーである「きんのり丸」さんで生産・販売している焼き海苔「青混ぜ海苔」。養殖時に自然に混じるアオノリをそのまま加工してある。磯の香りが強く甘みを感じる海苔である。

 この海苔は寄付金付で売られている。ヨード不足による発達障害が多いタイやミャンマーの山岳地帯の子どもたちに、ヨードたっぷりの海苔やワカメスープを送る資金となる。それで「海から山への贈り物」。一帖340円(うち寄付金40円)。ネットで直接注文できるので、お正月用にいかがですか?(売り切れの際はご容赦ください)

きんのり丸ショッピングカート

 里海の会ではアサクサノリの復活にも取り組んでいる。実はいま養殖されている海苔はほとんどスサビノリという外海に生育するノリを使っているのだ。干潟に生育するもともとの江戸前の海苔ではない。その話はまたいずれ。
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by greenerworld | 2007-12-15 10:49 | スローフード  

“じゅうねん”がこんなに入って400円でした

f0030644_185587.jpg 福島県飯舘村の「もりの駅まごころ」で売っていた“じゅうねん”(携帯のカメラでとったのでピンぼけ)。じゅうねんとはエゴマのこと。煎ってすってゴマと同じように使えるが、ゴマではなくシソの仲間。この実を絞ってエゴマ油(荏の油)をとる。エゴマにはαリノレン酸が豊富に含まれる。これは体内でDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変わり、悪玉コレステロールを減らしたり、アレルギーを抑制してくれるんだそうだ。といっても、縄文時代から日本で栽培されていた伝統食なのだ。EPAやDHAは青魚からしかとれないと思っていたら、エゴマで十分にとれるんです。だからエゴマを食べても頭が良くなる?

 「まごころ」では、地元農家が栽培した農作物や加工品を販売している。ご一緒したI先生「ヤーコンうどんもおすすめだよ」(今回は購入せず)。それにしてもじゅうねんがこれだけ入って一袋400円は安い。東京の健康食品店なら1000円、いやもっとするかも。ということで明日から冬野菜のじゅうねん和えを食べて頭が良くなるぞ。
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by greenerworld | 2007-12-05 01:11 | スローフード  

たった一本のつるから……

 ヤマイモの葉が枯れ落ちたので、いちばん大きく育っていそうな一本のつるの根元を掘ってみた。植えたのではなく、むかごが落ちて勝手に生えてきたもの。ブロック柵の角で、落ち葉や刈った草を腐らせる“堆肥”置き場にしていた場所。スコップで慎重にまわりから……。? 何か当たる。スコップをやめて手で土をかき分けると、ブロック柵の基礎に入れたモルタルが障害になって、イモが横に、四方に広がり、すごいことになっている。

f0030644_10252087.jpg 結局、丸ごと掘り出すことはあきらめ、少しずつ折りとって収穫するしかなかった。で、この写真が成果。写真ではよくわからないが、ブロック柵の角部分は四角くなっている(左上のかたまり)。自然薯ではなく長薯でした。やはり起源はとなりの畑らしい。たぶん、7〜8年は放ってあったからなあ。堆肥置き場で栄養も不足ないし。

 とりあえずスライスにしておいしくいただくことにします。来年からは栽培用のパイプの利用も検討しなくては。
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by greenerworld | 2007-11-25 10:30 | スローフード  

日本の米、コシヒカリ系が81%!

 実家は米も作っている兼業農家だったが、子どものころ新米は11月にならないと食べられなかった。稲刈りは10月に入ってからで、刈った稲をしばらく田んぼの稲架(はさ)に架けて干してから、田んぼか家に運んで脱穀。それをまたむしろに広げて天日乾燥させようやく籾摺(もみす)りをする。日が短くなり朝晩きゅっと冷え込む頃になって、玄米を農協に納めたものだった。この時期は一家総出で、時には親戚も手伝いに来て、早朝から夜まで働きづめ。やっととれた新米のうまさは格別に感じたものだ。たしか日本晴という品種がメインだったと思うが、作業が重ならないよう、収穫時期がずれる何種類かの品種をつくっていたと思う。

 近年の一番人気品種コシヒカリだと4月に田植えをし、早ければ旧盆過ぎに稲刈りとなる。いまは稲刈りしながら脱穀してくれるコンバインを使い、収穫したらそのまま袋詰めでライスセンターに持っていくだけ。ライスセンターで人工乾燥し、籾摺りして出荷。あっけないほど農家の負担は減った。いま日本でつくられている米は4割近くがコシヒカリ。8月の終わりから9月が新米の季節になった。

 実のところ、作付面積の37.1%を占めトップのコシヒカリ始め、いま日本でつくられる米のほとんどがコシヒカリ系統になっている。2位のひとめぼれ、3位のヒノヒカリ、4位のあきたこまちは片親がコシヒカリ、5位のキヌヒカリ、北海道で多くつくられている6位のきらら397もコシヒカリ系。平成18(2006)年度の統計では、実に作付面積上位11位まで、割合にすると80.9%が、コシヒカリおよびコシヒカリ系で占められているのだ。

 かつて農家が品種をつくり分けていたのは、冷害や台風、病虫害への備えでもあった。生育期間や収穫時期が重なる単一品種栽培では、被害が出れば全滅ということにもなりかねない。多品種栽培はそのための保険でもあったはずだ。いまはライスセンターに持っていけばみんな一緒くたになってしまうから、一つの地域でコシヒカリならコシヒカリだけという栽培方法がふつうになった。しかも九州から北海道まで、コシヒカリの遺伝子を継いだ兄弟たちばかりが栽培され、形質に変異が少なくなっている。何かあったら、と心配になる。

 いまから160年ほど前、アイルランドでジャガイモの胴枯病が大発生し、大飢饉(Great Famine またはIrish Potato Famine)が起こった。このじゃがいも飢饉で当時のアイルランド人口の約1割が餓死したという。同時に多くの農民が故郷を捨て新大陸に渡ることを余儀なくされた。ジャガイモは芋(地下茎)を植え付けて殖やす。つまり同じ品種はほぼ同じ遺伝子を持っているクローンだ。そのころアイルランドではやせた土地でも育つランパーと呼ばれる品種が普及し、全土で栽培されるようになった。国民の主食が遺伝的に均一な単一作物に依存するようになってしまったわけだ。イングランドから侵入したと言われる胴枯病菌への耐性も均一だった。病気は瞬く間にアイルランド全土に広がり、数年にわたってジャガイモの収穫が激減した。

 現代の日本でそんなことが起こるわけがないとも思う。しかし、食糧自給率40%を割り込んではいても主食の米だけはなんとか自給という状況も、その実けっこうお寒いものではないだろうか。気候変動を考えても、多種・多品種の作物をつくること、作物の多様性を維持していくことは重要だ。米の栽培・収穫に使われる化石エネルギーの問題もある。その前に衰退する農業を何とかしなくちゃいけないと思いつつ、老親が送ってくれるコシヒカリを今日も食べている。
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by greenerworld | 2007-11-04 11:34 | スローフード  

ゆで落花生

 メダカ里親の会のN事務局長から、掘りたての落花生が届いた。メダカ里親の会は栃木県宇都宮市で「農村に春の小川を取りもどそう」を合い言葉に、生き物と共生できる水田・水路の提案、環境学習や農家の支援に取り組んでいる。落花生は環境学習プログラム「田んぼの学校」参加者たちが稲刈りと合わせて収穫を楽しむために、毎年田んぼ脇の畑で栽培している。

 おいしいゆで方を記したメモ付きと至れり尽くせり。今年は活動に全く参加できなかったのに、収穫物だけ送っていただいて心苦しい限りだが、おいしくいただくことで罪滅ぼしとしよう。

 メダカ里親の会のホームページはこちら
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by greenerworld | 2007-10-21 22:20 | スローフード  

零余子(むかご)

f0030644_1514196.jpg 庭で育てている山芋の葉が、スズメガのイモムシに食べられて、さっぱりしてしまった。それまで葉に隠れて見えなかったが、たくさん零余子がついていたので、まだ早いかとも思ったが、収穫してみた。少しフライパンで煎って塩味でおつまみに。残りは塩ゆでに。

 わが家の山芋は、もともと隣の畑から伸びてきた蔓についた零余子が起源。山芋といっても栽培品種の長芋だと思うが、零余子の味にはどことなく野性味がある。この冬は山芋も何本か収穫できそうだ。
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by greenerworld | 2007-10-03 15:16 | スローフード  

広がるニホンミツバチ養蜂の楽しみ

f0030644_15315612.jpg 神奈川県海老名市の河西広実さんのお宅は、郊外によくある新興住宅地の一角。その庭には3つの蜂箱が設置されている。小さい1箱以外は河西さんの手づくり。元気よく羽音を響かせているのは、ニホンミツバチだ。

 いちばん大きな巣箱を、開けて見せてもらった(写真上)。中が見えるようにアクリル板が取り付けてある。見事に大きくなった巣と、そこにびっしりと取り付いているたくさんのハチたちが見えた。数は数えようもないが、1万は下らないのでは、という。巣箱の下部の出入り口からはハチがひっきりなしに飛び立ち、また帰ってくる。羽を巣箱の中に向けて風を送り、巣の温度を下げようとしているハチもいる。

 セイヨウミツバチは気性が荒く巣の手入れや採蜜の時に、面布や燻煙が必須。一方、ニホンミツバチはおとなしく、めったに刺さない。しかし、条件が悪くなったり巣が気に入らないと逃げ出してしまうという。

 群れが健康だとハチもおとなしい、と河西さん。働きバチも、巣を痛める原因になる巣虫(ハチノスツヅリガの幼虫)をせっせと運び出す。群れに元気がなくなると、とたんに巣虫やアリの影響を受けやすくなり、そのまま巣が崩壊することもある。

 河西さんの巣箱はアクリル板で中が見えるようになっているので、ハチや巣の状態が確認できて、対策が打ちやすい。巣の風通しをよくすることも工夫の一つ。湿気がこもるとアクリル板が曇るのでわかる。

f0030644_15364613.jpg 仕事場や少し離れた場所にある畑、別荘を建築中の土地の庭にも蜂箱が置かれている。丸太を使った、より自然の樹洞に近いデザインのものもある(写真中)。これらも全て手づくりだ。

 どうやってハチを集めるのか。近隣の自治体に「ハチの駆除」の依頼が入ると、河西さんに連絡が入る。庭木の樹洞、床下やお稲荷さんの祠など、さまざまな場所にハチが巣をつくる。多くのハチが出入りしていると、危険を感じてか殺虫剤をまいたり、出入り口の穴を泥で塗り固めたりして、駆除してしまう人が多い。自治体にはその相談が来る。初夏には分蜂群が「蜂球」を作って騒ぎになることもよくある。そうしたハチを引きとって、育てているのだという。野外で見られる巣や分蜂群はほとんどがニホンミツバチだ。

f0030644_15341022.jpg ニホンミツバチはセイヨウミツバチに比べ貯める蜜の量が少ない。先に書いたように逃亡してしまうこともままある。そのため明治以降、セイヨウミツバチが移入されると、ニホンミツバチの飼育は廃れた。しかもセイヨウミツバチに追われて、野生のものもしだいに数を減らしていった。しかし、最近セイヨウミツバチの養蜂業者・養蜂数が減少するとともに、ニホンミツバチが復活の兆しを見せている。

 市販されている蜂蜜はまず100%セイヨウミツバチの集めたものだ。昨今は中国産を筆頭に輸入がほとんどだ。

 「ニホンミツバチの蜜は高く売れるけれど、採蜜量も少ないしたくさん飼うのは骨が折れる。仕事でやるにはむずかしいですよ」と河西さん。趣味の養蜂が向いているというのだ。近くにも何人かハチ仲間がいる。あまり知られていないが、趣味のニホンミツバチ飼育は広がりを見せているらしい。何箱か飼っていれば一軒では食べきれないほど蜜がとれることもある。

 取れたての和蜜をヨーグルトに掛けていただき、その恵みを味わった。
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by greenerworld | 2007-09-03 15:41 | スローフード  

牛肉1kgにCO2が36kgついてくる

 牛肉生産に伴い、大量の温室効果ガスが排出されていることが、つくばにある畜産草地研究所・荻野暁史研究員らがニューサイエンティスト誌に発表した論文で明らかになった。

 その量はCO2換算で牛肉1kgあたり36.4kgにもなる。ガソリン15.8リットルを燃やすのとほぼ同じCO2を排出しているということだ。牛肉1kgには36.4kgのCO2がついてくると言ってもいい(こういう考え方をカーボンフットプリント=CO2の足跡という)。

 1回150gの牛肉を週2回食べれば、牛肉消費量は年間に15.6kgになり、これだけで約570kgのCO2を排出することになる。ガソリンに換算すると246リットルなので、燃費のよい小型車ならば3,000kmほど走るのと同じ。電気に換算すると約1500kWhで、家庭の4〜5か月分の消費量、または40Wの蛍光灯103本を1年間点灯し続けるのに相当。

 いったいどこでこんなに(続きを読む)
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by greenerworld | 2007-07-21 10:16 | スローフード  

庭で芹摘み

 2週続けて、半年放っておいた庭の整理を。先週は草むしりをして、太陽電池が日陰になるくらい伸びすぎた庭木の剪定。今日は半日ゴミを片付けたり、植木鉢を移動させたり。

 ついでに芹を摘む。ずいぶん前に近くの休耕田から移植したもので(黙っていただいてきたわけですが・・・)、水気もないのにけっこう増える。ほんとうはキアゲハの食草として植えてあるのだが、キアゲハも最近さっぱりきてくれない。というわけで、軟らかそうなところを摘んでみた。たいした量あるわけではないので、汁物の薬味になる程度だが、わずかでも春の風味。

 芹という名前は「競り」からきているらしい。つまり競り合うようにして生えるから。節句を過ぎたら芹は摘むなという話は、葉や茎がかたくなるからだろうか。
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by greenerworld | 2007-04-30 10:50 | スローフード  

天敵を使ったアブラムシの防除

f0030644_10575246.jpg 小川町のT農園で、液肥を使った栽培試験を行っているので、その説明を受けた際、ハウスの中に、びっしりアブラムシがついた細長い葉の作物を発見。

 うかがったところ、大麦だそうだ。何でアブラムシがついているのか? もちろんそれはハウスの中が暖かいからだが、これには実は深いわけがあった。

f0030644_1058166.jpg  大麦にアブラムシが発生すると、その天敵のアブラバチ(寄生蜂)がやってきて増える。そこで、レタスなどの野菜を栽培すると、アブラバチは野菜についたアブラムシにも寄生して退治してくれる。大麦につくアブラムシは野菜にはつかないから、要するに、大麦はアブラバチの餌場としてここに植えられているのであった。

 天敵を使った生物防除(生物農薬という言葉もあるが、誤解を招きやすいのであまり使いたくない)。たしかに、ハウスの野菜にはほとんどアブラムシがついていない。感心。
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by greenerworld | 2007-02-17 11:01 | スローフード