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大規模天然ガス田って、どれだけ大規模よ?

 「英石油メジャーBPが、エジプト沖で大規模天然ガス田を発見」というニュース(1/31 日経新聞電子版)。読んでみたら埋蔵量は1兆立方フィートと。これは一体どれだけの量か。石油に換算すると0.28億トン分。世界の天然ガス消費量は年間石油換算22億4400万トン(2003年)なので、たった4〜5日分に過ぎないのだ。「大規模」といってもこの程度。最近発見される新たな油田も同じようなもの。自転車操業の化石エネルギー社会……。
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by greenerworld | 2007-01-31 17:35 | エネルギー  

「ボルネオの心臓部」が保全へ向けて前進

 いつもいつも暗い話題ばかりだが、これは少し元気が出る話題。

 ボルネオ島(インドネシア側はカリマンタン)はアマゾン流域と並んで世界でも最も豊かな熱帯雨林をもち、固有の動植物の宝庫であり、世界の生物多様性の中心の一つといわれる。昨年も50種類以上もの新たな生物種が発見されたばかりだ。しかし、その自然は危うい。大規模伐採と開発により、熱帯雨林は年々狭まっている。多くの森林が失われており、そこにくらす動植物は私たちにその存在を知られないまま絶滅していく。

 そのボルネオの中心部、マレーシア、インドネシア、ブルネイが国境を接する地帯(ハート・オブ・ボルネオ=ボルネオの心臓部)がこの3国によって保全されることになった。昨年3月ブラジルのクリチバで開催された第8回生物多様性保全条約締約国会議(COP8)において合意に達していたもので、1月15日に調印が行われた。条約の事務局機関である生物多様性会議(モントリオール)はこの調印を、生物多様性条約に掲げられた2010年目標達成への大きな一歩と位置づけている。目標とは「地球規模、地域レベル、国レベルで生物多様性の喪失率が顕著に減少すること」である。

 ボルネオはまだ訪れたことがないが、ジャカルタに向かう飛行機がボルネオ上空を通った際、窓から眺めたことがある。深い緑に覆われまるで緑の海のようだったが、そこにいく本もの赤い筋が通っていて血管のように見えた。樹木伐採と運び出しのための林道がラテライト土壌の赤い色に染まっていたのだ。それから20年近くたつので、現在のボルネオのジャングルはずいぶん減ってしまっているだろう。それでも、歯車が一つ前に回ったことを喜びたい。
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by greenerworld | 2007-01-29 08:29 | 生物多様性  

バイオエタノールが増えると魚がとれなくなる?

 アトラジンはアメリカではトウモロコシ畑で大量に使われている除草剤だ。人間に対する毒性も指摘されるが、アフリカツメガエルに対して微量で内分泌攪乱(環境ホルモン)作用を持つという報告もある。そのアトラジンが、回り回って沿岸域の生態系を貧しくしている可能性があるという研究が、NOAA(アメリカ海洋大気局)のサイトに紹介されている。

 アトラジンの除草作用は、植物の光合成を阻害することで発現する。もう少し詳しく言うと、光化学系IIにおける電子の伝達を阻害することで、雑草は栄養不足に陥り枯れてしまう。植物プランクトンも光合成の機序を持っているので、水系に流れ込んだアトラジンが、植物プランクトンの光合成を阻害することがあり得る。すると、植物プランクトンを食べる動物プランクトンや貝なども少なくなる。さらにはそれに連なる魚類などより大型の動物も減ってしまう。

 日本でもゴルフ場などでアトラジンが大量に使われている。ゴルフ場大国で雨が多い日本では、アトラジンが河川にさらに沿岸域に相当量流れ出している可能性が高い。アメリカと同様のことは当然起こっているだろう。各地で問題になっている、海藻が消失してしまう磯焼けという現象も、原因はさまざま取りざたされているが、除草剤など農薬の影響があるかもしれない。海藻は魚や貝の食物となるだけでなく、産卵場や稚魚の隠れ場ともなる。

 太陽エネルギーを使って炭素を固定するのが植物の働き。その生産性が低くなり、沿岸生態系のベースが貧しくなれば、当然それに連なる生態系(水産資源)も貧しくなる。それはひいてはわれわれに降りかかってくる。「バイオエタノールが増えれば魚が減る」、「ゴルフ場が増えれば魚が減る」なんて話も、まんざらこじつけではなさそうだ。
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by greenerworld | 2007-01-28 10:38 | 環境汚染  

アメリカの気候変動対策、迷走?

 宇宙に浮かべた巨大な鏡で太陽光線を跳ね返し地球温暖化を防止する。アメリカ政府がこんなばかげた対策のための研究を科学者に要請しようとしているらしい。英紙ガーディアン電子版(1/27)が伝えている。他には大気中に太陽光を反射する粉じんををまくというアイデアもある。

 浪費の果てに巨大技術を使って、すなわちばく大なエネルギーを使って、地球温暖化を防ごうというセンスは決定的にベクトルがずれている。だいいちそれでうまくいかなかったら、どうするの? それどころか、悪影響が出そうな対策だってある。

 いまのアメリカ政府の中枢にはブッシュ氏を始めキリスト教ファンダメンタリストが多いといわれているが、彼らは進化論を否定する教義を持っているとされている。基本的に人類は神が創造したもうた選ばれた万物の霊長であると考えているということ。実際には地球ではただ一つのタイプの原始生命から40億年をかけて多種多様な種が進化した。それは神の意志でも何でもなく偶然の所産である。しかもその過程で、生物が織りなす生命の連なりは複雑になり、太陽エネルギーを出発点とし物質を循環・固定させ、地球環境は次第に生物の生存に都合の良い安定した環境に変化してきた。

 人間のみが地球環境を変化させられるし、その変化を止めることができる、その考えは非常に危うい。多様で健全な生態系こそが地球環境を安定させるのだ。そのためにはどうしたらいいのか。人間がこの地球の主であるような振る舞いをやめ、多くの生きものとの共存が可能なように経済・社会をシフトさせることだ。少なくとも、日本はもちろん世界が毒されているアメリカ型資源・エネルギー浪費文明が、この気候変動の元凶であることに気づくことである。
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by greenerworld | 2007-01-27 13:37 | 環境エネルギー政策  

暖冬なんてレベルじゃない

 昨夜の雨が止み夜中にはきれいに晴れ上がったため、今朝は見事な霜が降りていた。明け方は冷え込んだが日が差し始めると気温がぐんぐん上昇。ぽかぽか陽気の中、御嶽山に恒例の遅い初詣(注:恒例なのは「遅い」初詣)に行ってきた。参道は雪もまばらで神主さんもこんなに雪の少ない冬は珍しいと首をかしげる。戻ってきて庭に出るとはやシュンランのつぼみが開きかけている。例年なら霜げている春菊の葉が青々としている。去年は今ごろ咲き出したはずの水仙の花が終わりかけている。小鳥たちの声も、もうさえずりだ。季節の訪れが一月は早い、と思いかけて、いや、今年は冬がないのだと思い直した。朗報は御嶽山の参道で見た杉につぼみがあまりついていなかったこと。花粉の飛散は少なそうだ。

 本日のモーツァルト的気分:Sinfonie concertante in E flat KV. 364 第二楽章
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by greenerworld | 2007-01-27 13:12 | 花鳥風月  

ブッシュ大統領は「アルコール中毒」か

 一国の、それも世界一の強国アメリカ合衆国の大統領をこう呼ぶのはたいへん失礼だとは思うが、ブッシュ大統領はとうとう「アルコール中毒」になった、としか思えない。もともと酒好きだったようだが、いまは車の燃料としてのエタノール中毒だ。一年前の一般教書演説で、ブッシュ氏は「アメリカは石油中毒」と語り、輸入石油への依存が高まっていくことへの警鐘を鳴らした。しかし、その解決策は、石油を国産のトウモロコシを原料としたエタノールで置き換えていくことだった。

 1年がたち、民主党が議会の主導権を握り迎えた初めての一般教書演説(現地時間23日)の中でブッシュ氏が打ち出したのは、さらなるエタノール利用の拡大である。2017年までに自動車燃料であるガソリンの消費を20%削減することを国民に呼び掛けたが、そのために車の燃費向上とともにエタノール利用の拡大を求めているのだ。その量は昨年夏に打ち出した2012年のRFS目標75億ガロンから350億ガロンへ増加させるというもの。一方で燃費向上には具体的な数字はない。

 なるほど、アメリカでエタノールへの投資に火がつくわけである。これはもう早晩日本にアメリカ産トウモロコシが入ってこなくなるだろう。ほんとうに畜産品の値上がりを覚悟しなければならない。

 GMなどアメリカ自動車メーカーは、こぞってエタノールとガソリンの両方(混合)が使えるフレックス燃料車(FFV)を売り出しているが、これがまたばかでかい車ばかりなのだ。4千CC以上もあるミニバンやSUVを、食料や飼料になるトウモロコシから作ったエタノールで走らせるなど犯罪的行為だと思う。アメリカは正しくは「車中毒」だ。

 アメリカ国内における気候変動に対する危機感の高まりや議会の多数派を民主党が握ったことから、気候変動対策への言及もあるかと期待を抱いていたが、それはなかった。ガソリン以外のエネルギー対策もなし。石油はほとんどが自動車燃料に使われている。中東を始めとする海外の石油に頼らないことが、ブッシュ氏にとって最大の関心事ということらしい。支持率30%を割り、残りの任期2年をどうしのげるのか。気候変動を防ぐための国際的な議論の枠組みへの復帰は少なくともなさそうだ。

 頑な、というよりねじが何本かはずれている、という気がする。やはりアメリカ大統領には、いやアメリカ国民に対しても、失礼な言い方だが。そういえば、その大統領の忠犬と呼ばれた総理大臣もいたなあ。

本日のモーツァルト的気分:Violin Concerto No.1 in B flat KV207 第2楽章
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by greenerworld | 2007-01-24 23:01 | 環境エネルギー政策  

中国・黄河の淡水魚3分の1が絶滅

 揚子江カワイルカがほぼ絶滅したニュースを昨年12/18に伝えたが、今度は中国第2の河川・黄河から、淡水魚種の3分の1が姿を消したと、チャイナ・デイリーの記事を引用して英紙・ガーディアンが伝えている(1/18付電子版)。

 黄河はチベット高原から黄土地帯を経由して渤海に注ぐ。かつて日本と大陸が陸続きだったころには南西日本の河川も黄河の支流だったことから、共通種・祖先を同じくする淡水魚種も多い。日本でも多くの淡水魚が危機にさらされているが、本家もそれ以上に深刻なようだ。かつては150種以上の淡水魚が生息していたが、その3分の1が絶滅し、漁獲も激減しているという。

 淡水魚絶滅の原因はさまざまだ。主な理由としてあげられるのはダムの建設が淡水魚の移動を妨げたこと、小雨で水量が減少したこと、乱獲、そして汚染である。黄河には2005年には43億トンもの汚水が流域の都市から流れ込んだという。河川の汚染による飲料水の不足も深刻な状況だ。

 高度経済成長を続ける中国では、ゴミや廃水、大気汚染など環境悪化が進み、対策がとても追いつかない。中でも野生生物の保護はパンダなど一部を除いて政策優先順位が低い。黄河も揚子江も、生き物の住めない川になってしまうのだろうか。
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by greenerworld | 2007-01-22 08:32 | 生物多様性  

納豆騒動

 納豆文化圏からはずれた地域で育ったので、納豆には子どものころからなじみが薄かった。生まれ育った地域には浜納豆(甘納豆の入力ミスではありません。念のため)という、塩辛く少し酸っぱくて糸を引かない発酵食品があったので、普通の納豆の方をわざわざ「糸引き納豆」と呼んで区別していた記憶がある。

 だから納豆を日常食べるようになったのは、高卒後に上京してから。食べつけないものだったから、ほんとうは(実は今でも)苦手で、大学の学食で定食に納豆をつけていたのは、安くて栄養が補えるという実用的な理由。今でも家族には「納豆は薬だと思って食べている」と言っている。

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by greenerworld | 2007-01-21 11:08 | スローフード  

ヨーロッパを冬の嵐が襲う

 日本でも今冬は「爆弾低気圧」が何度か被害をもたらしているが、ヨーロッパも木曜日、急激に発達した低気圧による冬の嵐に襲われた。強風と雨が各地に被害をもたらし、イギリスでは最大45m/秒の風が吹き、倒れた塀の下敷きになったり、吹き飛ばされた木の枝による交通事故などにより11人が死亡。オランダでは交通が完全にマヒ、車が倒れた木に押しつぶされたりして少なくとも5人が死亡した。ドイツでも6人が死亡、フランス、ベルギー、チェコなどでも被害が出ているという。

 Source : Reuter、The Guardian、Times
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by greenerworld | 2007-01-19 11:13 | 気候変動  

アメリカがトウモロコシを輸出できなくなる日

 アメリカでは燃料用エタノールの需要が高まり、生産もうなぎのぼり。2001年から2005年にその生産量は倍増したが、今後2〜3年でさらに2倍になると考えられている。すでに全米で100ものエタノール工場が稼働しており、58工場が建設中で、さらに150工場が計画中というからすごい。ブッシュ大統領がぶち挙げた、RFS=再生可能燃料ポートフォリオでは2012年に75億ガロンを目標にしているが、建設中の工場が稼働を始めるとトータルで90億ガロンの生産能力が見込まれ、目標をはるかにしのいでしまう。そればかりか、計画のある工場が全て完成すると190億ガロンの生産能力に達するという。いやはやアメリカ人が一つの方向に走り出すとものすごいことになる。「政策の効き過ぎ」である。

 アメリカでのエタノールの原料はほぼ100%トウモロコシだから、当然ながらトウモロコシの値段も上昇している。これが他人事でないのは、日本の畜産飼料がアメリカからのトウモロコシに大きく頼っているからだ。すでに飼料価格が高騰して畜産・養鶏農家は悲鳴を上げている。今後アメリカ国内でのエタノール生産が増えると、まず輸出分が食われてしまう。日本に入ってくる資料用トウモロコシが不足しますます高騰することが懸念される。統計を見ると、すでにここ数年アメリカからのトウモロコシ輸入は減少しているが、これに加えて昨年あたりは中国からもトウモロコシが入ってこなくなった。

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by greenerworld | 2007-01-17 10:09 | エネルギー