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[Book]『水田生態工学入門』

f0030644_8165531.jpg 『水田生態工学入門』
 水谷正一編著
 農文協刊 2,900円(税込)

 第一章 水田水域の環境修復の課題
 第二章 水路と水田の生態系
 第三章 環境修復のハード技術
 第四章 環境修復のソフト技術
 第五章 事例に学ぶ環境保全工法

 水稲の生産効率を高めるために行われてきたいわゆる圃場整備事業は、一方で水田のまわりに暮らしていた多くの生物を激減させてしまった。かつての水田とその周辺に張り巡らされた用水路は、湿地を好む植物、魚、両生類、昆虫などに格好の生息環境を提供してきた。また、水田はふだんは陸上生活するカエルや河川本流に住むナマズやコイ、フナなどの産卵場所でもあった。それらを餌とするより高次の捕食者が集まり、豊かな水田生態系を形成していた。しかし、乾田化、水路の三面張りや暗渠化などによって、多くの生き物は水田周辺に暮らしていけなくなってしまったのだ。

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by greenerworld | 2007-06-28 08:32 | レビュー  

日本は空梅雨、ヨーロッパは豪雨と干ばつと熱波

 日本では「梅雨はどこに行ったのか?」といわれているが、イギリス気象庁は「夏はどこに行ったのか?」というタイトルのニュースリリースを発表した。

 ヨーロッパ西部はこのところ激しい雨に見舞われ、からりとしたさわやかな夏は姿を消してしまった。テニスの全英オープン(ウィンブルドン)がにわか雨で試合中断ということはよくあるが、今年の雨は様子が違って試合そのものができないほど。イングランド北部は洪水に見舞われ4人が死亡、この週末にはさらなる豪雨と洪水が心配されている。

 フランスでは、この豪雨によって収穫期を迎える小麦や大麦への影響が心配され始めた。その一方で東欧では深刻な干ばつが続いている。南欧では熱波で死者が出始め、小麦の収穫にもダメージを与えている。すでに小麦の価格が上昇し始めている。

 気候変動は将来の話ではない。いま起こりつつあるのでもない。すでに気候は変わってしまったのだ(変えてしまったというべきか)。これからはさらに極端な気象(extreme weather)が起こるようになるだろう。
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by greenerworld | 2007-06-27 08:54 | 気候変動  

格差社会と戦争

 ベトナム戦争帰還兵で、いま反戦を訴えて活動しているアレン・ネルソンさんの話を聞いた。印象に残った話をいくつか。

 「軍に入隊するのは教育も受けられず、仕事もない貧しい若者」

 「貧しい若者は、お金になる、仕事の技術が身につく、外国に行ける(笑)といって、リクルートされる」

 「入隊すれば自分の頭で考えず、ただ命令を聞き、確実に敵を殺すことだけを徹底的に教え込まれる。やがて戦場に行って人を殺せることに喜びを感じるようになる」

 「米兵による犯罪が絶えないのは当然。彼らは攻撃的になるように訓練されているのだから」

 「戦争は、軍は兵士の人格を破壊する。無事に帰ってきたとしても、従軍した兵士は皆心を病んでいる」

 「エリートは戦闘とは無縁の場所にいて、彼らをチェスの駒のように使い捨てるだけ」

 豊かな若者は兵士にならないし、なる必要もない。戦争をし続けるためには、貧しさを再生産し続ける必要がある。そのためにはアメリカは格差社会であり続けなければならない。そこで気がついた。小泉構造改革が日本に格差拡大をもたらしたことは、そういう意味があったのか。その後継者が戦後の総決算を掲げるのは、その仕上げなのか。なんだか背筋が寒くなった。
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by greenerworld | 2007-06-25 20:46 | 森羅万象  

中国のCO2が世界をおおいつくす前に

f0030644_1110550.jpg 中国のCO2排出量が、2006年にアメリカを抜いて世界のトップに躍り出たらしいとオランダの環境調査機関が発表した。1997年には世界の13.8%であった中国のCO2排出量は2006年には22%を超えた。グラフを見ると、2000年以降排出量が急上昇していることがわかる(出典:The Guardian電子版)。

 中国のCO2排出の多くは石炭によるものだ。発電燃料の70%は石炭である。いま中国は自国産だけではまかなえず、世界中から石炭を買い集めている。世界の石炭の4割弱が中国で燃やされている。石炭タンカーが中国に向かって数珠つなぎになっているのだ。また、セメントからのCO2排出も非常に多い。経済発展にともないビルや道路などの建設が急ピッチで進む。北京オリンピックや上海万博の開催も拍車をかけている。

 しかし、中国は人口が多いため、一人あたりのCO2排出量は年間4.7トンと、アメリカ(19トン/年)に比べて4分の1程度しかなく、日本と比べても半分程度なのだ。もし中国の一人あたり排出量が日本並みになったら……。考えるだけでもぞっとするがそれはあり得る未来だ。それも近い将来。中国のいまの成長率が続いたら、2015年ごろにはそうなるかもしれない。

 中国にエネルギーを使わないように、経済成長の抑制を働きかけることなんてできない。せめて、日本の省エネルギー技術を移転し、成長を持続させながらもなんとかCO2排出量を最低限に抑えてもらうくらいだろう。いや、それはなんとしても、やらなくてはならないことではないか。もちろん、アメリカや日本がCO2排出量を下げることは前提だ。

 参院選挙を控え、首相は憲法改正を争点にしたがっている。宙に浮いた年金問題でそのもくろみは外れそうだが、政治家には「本当の安全保障とは何か」を今こそ真剣に考えてもらたいものだ。地球が壊れていくのに「美しい国を守る軍隊」など何の意味があるのか。
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by greenerworld | 2007-06-25 11:13 | 気候変動  

ネジバナに来たハナバチ

f0030644_23121795.jpg やっと見つけた。ネジバナの正当な? 送粉者(花粉を運ぶ動物)。いや断定はできないけど、ネジバナ以外は目もくれず、せっせと花を訪れては花粉をかき集めていた。動きが速くて種類を調べられなかったが、体長は1cm程度で、マルハナバチの仲間ではなく単独営巣のハナバチと思われる。腹や足の花粉かごには集めた花粉がついている。でもまだ大きすぎるような気もするなあ……。花の構造を調べてみなくちゃ。
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by greenerworld | 2007-06-23 22:48 | 花鳥風月  

Google が今年中にカーボンニュートラルへ

 世界最大の検索サイトを運営する米Googleが、気候変動対策に乗り出した。省エネパソコンの開発普及でインテルとともに音頭を取って非営利団体を設立、マイクロソフトをはじめとする世界中のソフトウェア、パソコンメーカーが参加している。さらにGoogleは2007年末までに同社の排出するCO2などの温室効果ガス(GHG)をゼロにする計画を発表した。

 具体的には、
 1 エネルギー効率の向上による消費削減。
 2 再生可能エネルギーへの投資。
 3 直接削減できない分については排出権(カーボンオフセット)を購入
 することによって、実質ゼロを目指すという。

 Googleは最近、カリフォルニア州マウンテンビュー市内にある本社社屋に1.6メガワット(1600キロワット)の太陽光発電システムを完成させた。トヨタプリウスなど既存のハイブリッド車を改造して、プラグインハイブリッド車(家庭用電源から充電できるタイプのハイブリッド車)にできるシステムの開発に1000万ドル(12億円)以上かけて取り組むことも発表した。

 すでにウォルマートなどの米企業がカーボンニュートラルに取り組んでいることは紹介したが、Googleのこうした姿勢は他の企業にも大きな影響を与えるに違いない。日本にも遠からず波及することを願いたいものだ。
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by greenerworld | 2007-06-20 20:09 | エコエコノミー  

モジズリまたはネジバナ

 今年も庭にネジバナ(ネジリバナ、モジズリとも)が咲いた。だんだん増えてきて、10株ぐらい点々と生えている。花茎を伸ばし、らせん状に小さな花をたくさんつける。

 植えたわけではなくて、勝手に生えてきた。種が飛んできたのか、それとも植えた芝生についてきたのか。可能性が高いのは後者だろうか。芝生とは相性がいいらしく、道路の中央分離帯に群生しているのを見たこともある。

f0030644_17283830.jpg こう見えてもランの仲間。一つ一つの小さい花はちゃんとランの花の形をしている。形が面白いので鉢植えにして楽しんでいる人も多い。こんな小さな花を訪れる虫は何だろうと思っていたら、何年か前、モンシロチョウがとまっているのを見た。確かに一つ一つの花は小さくても、一か所にとまって吸えば効率はいい。でも受粉には役立ちそうもない。この写真はそのとき撮ったものだが、それ以来モンシロチョウの吸蜜には出くわしていない。

 それにしても何でねじくれているんだろう。

 捩り花 誰に文句もないけれど  虫魚
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by greenerworld | 2007-06-16 17:38 | 花鳥風月  

カエルツボカビが野外でも見つかった

 昨年12月に日本国内で飼育されていたカエルへの感染が確認されたカエルツボカビ症が、野外でも確認されたことが、昨日神奈川県相模原市の麻布大学で行われた「カエルツボカビフォーラム2007」における発表で明らかになった。カエルツボカビ症は中米やオーストラリアで猛威をふるい、多くの野生のカエルを激減させ、いくつかは絶滅に至ったという深刻な感染症(カエルを絶滅させるツボカビが日本に侵入参照)。日本でも野外への拡大が心配されていたが現実になってしまった。検査で陽性だった野生個体は神奈川県内で採集されたウシガエル4匹。それ以外にもごく短期間(時間)しか人間の管理下に置かれていなかったアマガエル、ヒキガエル、イモリなど野生個体でも、陽性が確認されたという。ただしいずれも発症はしていない。

 野外での調査はまだ…(続きを読む)
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by greenerworld | 2007-06-11 13:52 | 生物多様性  

卯の花くたし

 この時期になると西隣の畑のKさんによく新じゃがをいただいた。退職後、畑仕事をまめにこなしておられた。亡くなってもう何年になるだろうか。穏やかな笑顔が懐かしい。

f0030644_1552862.jpg 丹精込めて耕しておられた畑にはいま栗の苗木が植わっている。畑境のウツギの花が今年も白い花をつけた。ここ数日午後になると激しい雨が降る。このころの雨を卯の花腐(くた)しというらしい。ウツギの花を腐らせる雨という意味だ。
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by greenerworld | 2007-06-09 15:02 | 花鳥風月  

メルケル首相僅差の判定勝ち?

 ハイリゲンダム・G8サミットにおけるブッシュ大統領とサミット議長メルケル首相の駆け引きを、ボクシング風に採点してみよう。

 2050年に半減を目指すという、サミット以前のEUや日本が表明していた以上には何も決まらなかった。具体策についても議論されなかった。前哨戦ではアメリカへの様子見のジャブに対して、ブッシュ大統領の反撃が効いたと言っていいだろう。

 サミットの最大の焦点はアメリカが単独主義に拘泥するか、国連の枠組みへ復帰するかが明らかになるかだった。ただ、この点ではブッシュ大統領は分が悪い。アメリカが秋に計画しているという、温暖化対策のための国際会議の呼びかけ先としてあげられたブラジルのルラ大統領が、先週訪れたイギリスで国連以外の枠組みで交渉を行うつもりはないと表明した。ブッシュ大統領もサミットの交渉の中でこの会議を国連での交渉に至る手続きであると認めたようだ。ブッシュ大統領のパンチは大振りなだけで有効打がなく、しかも肝心のガードが少々甘かった。手堅くポイントをまとめてメルケル首相が僅差の判定勝ちといったところか。

 ところで日本は…(続きを読む)
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by greenerworld | 2007-06-08 09:34 | 環境エネルギー政策