管理者へのメール / 管理者のプロフィール


<   2008年 03月 ( 4 )   > この月の画像一覧

 

夢の技術だったRDFは完全に失政

 全国にあるゴミ固形化燃料(RDF)施設の処理費が、焼却した場合の2倍にもなると毎日新聞(電子版)が報じている。全体で年間200億円ほど余分なコストがかかっていることになるという。

 RDFはゴミを乾燥し、圧縮成型(ペレット化)した固形燃料である。RDFにすることで扱いやすくなり、ゴミ削減とともに発電や製鉄所の燃料や還元剤として使える、当時問題になっていたダイオキシンの発生も抑えられると、一石二鳥にも三鳥にもなる技術として、10年ほど前にはまるで救世主のようにもてはやされた。

 音頭を取ったのは当時の厚生省、補助金を出して建設を誘導した。これにゴミ処理の広域化を進めていた多くの県、さらに中小の自治体が乗った。しかし当時から稼働率を高めるためにより多くのゴミを集めねばならずゴミ減量に逆行する、製造時にダイオキシンが発生するのではないかという疑問が市民団体や専門家などから上がっていたのだ。しかも、プラントの建設費は巨額になる。もともといくつかの商社やプラントメーカーが、厚生省に持ち込んだ技術だと聞いたことがある。

 三重県はRDFを使った発電事業を推進。1998年5月に開催されたある会合で、県の担当者はその技術のすばらしさを熱弁した。しかし、2003年にその三重県のRDF発電所のRDF貯蔵タンクが爆発、消火作業にあたっていた消防士2名が死亡するという痛ましい事故が起きた。RDFに含まれる有機物が発酵、発熱すると同時に可燃性のガスを発生させたと見られている。

 RDFは燃料としても低品位でいまでは相当な処理費用を払って引き取ってもらったり、一般焼却施設で焼却している始末だ。製造時に発生しないと言われていたダイオキシンも生成することがわかり、追加対策も必要になった。RDF製造施設は今や完全にお荷物。失政以外の何ものでもない。

 結局RDFで儲けたのは誰かを考えれば、これは立派なスキャンダルだと思う。当時の厚生省の担当者にどう落とし前をつけるのか、問いたいものだ。

 RDF施設が全国に行き渡ったあと、ゴミ処理の主力はガス化溶融炉に移った。これも大規模プラントが前提で、費用がかさむ。効率よく運用するには、収集を広域化しゴミをたくさん集めなければ成り立たないシステムだ。

 ガス化溶融炉の次はバイオガス、さらに最近はエタノール。金のかかる「夢のような」事業には、誰かの利益が絡んでいる。眉につばつけた方がいい。
[PR]

by greenerworld | 2008-03-31 10:22 | 環境エネルギー政策  

春爛漫の武田神社に響く怪しげな声の主は

 息子の引っ越しで週末は甲府。甲府駅から武田神社に向かう武田通りは折しも満開の桜で、早起きして花見の散歩。神社の鳥居の手前に植えられている「左近の桜」も、濃いピンクの花が見事。と風流に浸っていたら、上空からグオ、グアオ、ギョエ・・・という風流とはおよそ無縁の怪しげな声。スギの梢に何やらいる。飛び立った姿はシルエットだが、長い首からアオサギらしい。何羽かが入れ替わり立ち替わり、向かいの広葉樹の林から枝をくわえては戻ってくる。どうやら杉木立はアオサギのコロニーになっており、巣作りにいそしんでいる最中のようだ。じゃまをするつもりはなかったが、彼らからすればこちらはとんだ闖入者ということか。早々に退散。
f0030644_22551224.jpg
(リコーGX100 70mm端)
[PR]

by greenerworld | 2008-03-30 23:09 | 花鳥風月  

空がかすむ季節──黄砂の効用?

 この季節、晴れても空がかすむ日が多い。霞(かすみ)というのは春の季語で霧は秋の季語だが、どちらも同じ微細な水滴が空気中を漂っている現象をいう。この時期晴れているのに空がかすんでいるのは、霞ではなく大気汚染や花粉、そして黄砂が原因だろう。

 黄砂の正体は大気中を漂う微少な鉱物粒子だ。直径2〜3ミクロン(1ミクロンは千分の1mm)で、学術的には風送ダストという。日本にやってくる黄砂は、主にモンゴルや内モンゴルの乾燥地帯が起源。ここで起きた猛烈な砂塵嵐で上空まで吹き上げられたダストが、ジェット気流に運ばれて日本までやってくる。日本では視界が悪くなったり、車や洗濯物が汚れるといった程度の被害だが、発生源に近い中国や韓国では、大量の黄砂のために視程がほとんどなくなり交通機関に影響が出るどころか、呼吸器障害で死ぬ人もあり、外出もままならない。

 黄砂の一部はハワイや北アメリカにまで達しているという。J.ダイアモンドの『文明の崩壊』を読むと、この黄砂が太平洋上の島々に栄養塩類をもたらし、その生産性に関わっていることが指摘されている。たとえば、文明が崩壊したイースター島までは黄砂はほとんど届いていないのだそうだ。

 黄砂は当然海洋にも降り注ぐので、その海域に栄養をもたらすことになる。大洋の真ん中では陸からの栄養塩類の補給はないので、生物生産性がきわめて低く、降り注ぐ黄砂の恩恵は大きい。黄砂のおかげで植物プランクトンが増殖し、食物連鎖が始まる。この作用は空気中のCO2を取り去ることにもなる。

 さらに黄砂自体には太陽光線をはね返す作用があるが、逆に地表からの赤外線を閉じこめる「温室効果」も持つ。雪や氷の上に降り注げばこれを溶かすので、これも温暖化を促進する。黄砂のもつさまざまな作用をインテグレートすると、温暖化をやや緩和する方向に働くそうだが、まだ詳しいことはわかっていない。

 もう一つ、黄砂は窒素酸化物や硫黄酸化物のようなさまざまな汚染物質も運ぶ。発生地起源の有機物─カビや細菌などの端くれ─も伴っている場合がある。これを吸い込むとアレルギー症状を呈する人もいて「黄砂アレルギー」という言葉も聞かれるようになった。

 日中韓モンゴルによる黄砂の観測態勢は、中国が「国家機密」を楯に情報提供を拒んだため、残念ながら不完全なものになってしまった。気象庁のサイトでは、黄砂の実況と予測が見られるが、観測ポイントが最も多い中国のデータは今のところ空(から)になっている。黄砂の観測は、大気汚染物質の監視にも活かすことができる。汚染対策の観点からも、東アジアにおける協力体制の再構を期待したい。
[PR]

by greenerworld | 2008-03-22 10:20 | 環境汚染  

実は安い木質ペレット

 暖かくなったと思ったら、一気に春の陽気。ふつう冬と春を行ったり来たりするものだが、今年は3月に入るといきなり春になった印象。公私にいろいろ重なって、すっかりごぶさたしてしまいました。

 さて、この冬は平年並みに寒かったので、わが家のペレットストーブも大活躍だった。昨年は200kgしか使わなかったが、今年はその3倍の600kgを消費した。といっても、かなりがまんして使わずにいる日があるのと、こたつも使っているため、ふつうに燃せば一冬で1トンというところかもしれない。寒冷地でなければ標準的な消費量だと思う。わが家で購入しているペレットの価格は60円/kg。一冬に36,000円(税別)使ったことになる。

 以前にも書いたが、木質ペレットのkg当たり発熱量は灯油1リットルのほぼ半分。つまり2kgで灯油1リットルに相当する。灯油は高騰しているとはいえ、1リットル100円弱なので、まだペレットの方が高いが、だいぶ差は縮まってきた。長野県や岩手県など、地元のペレットが入手できる地域ではすでに逆転しているだろう。

 ついでに灯油以外の燃料と熱量単価を比べてみた。

 MJ(メガジュール)当たりでそろえてみると、電気は6.1円、都市ガスは4.4円、LPガスは8.2円、灯油は2.6円となる。これに対してわが家で購入している木質ペレットは3.3円。つまり、熱量あたりにすればガスや電気より安いのだ。電気の場合はエアコン(ヒートポンプ)を使うとこれより安くなる場合があるが、半分にはならないだろう。電熱タイプのヒーターやLPガスを使っているなら、すぐにでもペレットに替えたほうがずっと燃料費は安上がりということになる。

 今後も石油製品は値上がり続けるだろうし、都市ガスや電気も上昇する。実際この冬ペレットストーブはかなりの人気だったようだ。
[PR]

by greenerworld | 2008-03-18 21:08 | エネルギー