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極楽トンボ

 川沿いを散歩していたら、木陰にハグロトンボがひらひらと飛んでいた。成虫は5月ごろから見られるが最盛期はやはり夏。

 ハグロトンボを見ると実家の裏手にあった井戸端を思い出す。夏にはよくスイカや野菜を網に入れて浮かべ、冷やしたものだった。その井戸のまわりにハグロトンボが集まっていた。雨水や生活排水を流す小溝はあったものの、ハグロトンボの幼虫が生息するような環境ではなかった。ハグロトンボの幼虫は水性植物の多いゆるやかな流れに生息する。かつての田んぼのまわりの用水路ようなところだ。そこからえさを求めて井戸端にやってきたのだろう。蚊やハエをとってくれていたのかもしれない。

 別名をゴクラクトンボやホトケトンボというのは、お盆のころにこうして家の近くにやってくるからだろうか。飛び方もどこかはかなげな感じがするが、意外と用心深く、写真を撮ろうとしてもなかなか近寄らせてくれない。
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by greenerworld | 2008-07-27 10:22 | 花鳥風月  

近ごろ巷に増えたと思うもの

 梅雨も明け、セミの鳴き声もにぎやかになった今日このごろ。道を歩いていてふと気づいたのが、窓を開けて走っている車が増えた、ということだ。

 昼下がり、信号待ちの時に数えてみたら、トラックなどの商用車を除き20台中4台が窓を開けていた。朝方などはもっと比率が高い感じがする。

 もちろん理由はガソリン価格の高騰。少しでもガソリン代を節約したいとの思いで、クーラーをかけずにいるのだろう。首都高も交通量が減っているというし、燃費の良い車の売れ行きもいい。それどころか車を手放す人も増えている。なんだかんだいっても、いちばん効果的な“温暖化対策”は、やはりコストということだ。

 とはいえ、これまで車がなければ暮らせない社会を築いてきて、ガソリンがいくら高くなっても車が手放せない人がたくさんいる。とくに地方は深刻だ。ガソリンがこれ以上上昇すると、地方では生活・産業が成り立たなくなるおそれすらある。これまで地方経済を支えてきたのは車社会に不可欠な道路建設。公共交通を廃止に追いやり、そのあげく自らの首を絞める結果になっている。そもそも高齢化社会には今のような車は向かない。地域社会を存続させるためには、車以外の交通手段(あるいは車がなくても暮らせるシステム)を導入しなければならない。ガソリン対策よりも、もっと根本的な議論をしなければ2050年への道程は見えない。
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by greenerworld | 2008-07-23 08:15 | エネルギー  

温暖化が進むと腎臓結石が増える?

 イシモチという魚がいるが、私も長いことイシモチであった。検診で腎臓のエコー診断をすると、「石、ありますねえ」と言われる。一昨年の暮れ、とうとう痛みが出て、取ってもらうことになった。といっても、衝撃波を体外から当てて、結石を砕くというもの。痛みもなく身体への負担は少ない。日帰りでもできるがいちおう「一泊しましょう」ということになり、結石がわが生涯初の入院を体験させてくれた。

 その腎臓結石が温暖化が進行すると増えるというではないか。なぜなのか。USATodayの電子版によれば、汗をかき水分を失うと、結石のリスクが高まるのだという。尿中に含まれるカルシウムが析出しやすくなるためだ。実際、アメリカでは、寒冷な北東部に比べ、温暖な南東部の諸州では腎臓結石の患者が50%も多いという。つまり温暖化に伴い、暖かい気候帯が北に移動し、暖かいところはより高温化して、たくさん汗をかくようになるため、ということらしい。

 治療時の主治医には、結石を予防するには、水分をこまめに取ることが大切といわれた。それとマグネシウムが不足すると結石ができやすいとも。「にがりを薄めた水を飲むと効果的」というのがアドバイスだった。脱水症状になると血栓、尿酸の結晶もできやすい。汗をかきやすい人、お酒をたくさん飲む人は、心がけて水分を取ってください。特にこの時期は要注意ですぞ。
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by greenerworld | 2008-07-15 09:21 | 気候変動  

G8って終わってないか?

 洞爺湖サミット、怒りを通り越してあきれ果ててしまった。福田サン始め首脳は次々「成果」を強調する。しかし、山積する課題のどれ一つとして答えは出せない。気候変動も食糧もエネルギーも貧困も(さらに北朝鮮問題も)、「これが問題だね」、「この方向で行こうね」と“合意”したに過ぎない。すべてが先送りで何も決まっていないに等しい。そもそも、いまのG8にどれほどの力があるのか。レームダックのブッシュ、不人気のブラウン、化けの皮がはがれたサルコジ、左右連立で股裂き状態のメルケル、プーチンの傀儡メドベージェフ、困ったちゃんのベルルスコーニ、いまさら言わずもがなの福田サン……。このメンバーで何か決められることが、そもそも考えられない。新興国側に見透かされている。

 新興5か国が、「まず先進国は2050までに80〜95%削減を」ときつい先制パンチを浴びせたが、この方が国際的によほどインパクトがあった。

 何より贅を尽くしたばかげた貴族趣味。貧困問題を話し合うなら、1日1ドルの食材費で会食してみたらどうだ。それがわれら庶民の偽らざる思いである。こんな無様なサミットを開催したニッポンの威信低下は甚だしい。洞爺湖サミットはG8の終わりの始まりと記憶されるだろう。
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by greenerworld | 2008-07-09 21:59 | 森羅万象  

肥料とエネルギーと“ポスト京都”

 チッソ、リン酸、カリといえば、作物の三大栄養素。これらを含む肥料なしでは十分に収穫を上げることができない。もちろんほとんどは「化成肥料」すなわち工業的に合成された肥料である。全農(農協の中央組織)が主要な肥料の販売価格を大幅に値上げすることになり、農家の経営を直撃することが懸念されている。肥料価格の高騰は、資源・エネルギーインフレの大波をまともにかぶった形だが、当然その影には、中国などの食料需要の高まりがある。

 日本はいずれの肥料もほとんどを輸入に頼っている。リン酸やカリは天然鉱石が原料だが、チッソは現在空気中の窒素ガスと水素を使い高圧高温化でアンモニアを合成するハーバー(&ボッシュ)法で製造されている。水素は天然ガスから、高温高圧をつくるためのエネルギー源は石炭や石油。いずれも化石燃料だ。

 自然界では、マメ科植物などに共生する根粒菌が空中の窒素を固定することはよく知られているが、生物的に固定される窒素量は年間1億8000万トンほどだと言われている。そのうち、豆類などの作物やアルファルファなどの牧草によるものが約半分を占める。

 一方でハーバー法により工業的に固定される窒素が、生物的に固定されるのとほぼ同量あると言われている。農耕地以外で自然に固定される窒素の一部は、狩猟採集や天然肥料・自然循環の形で利用されてはいるが、その量はわずかだろう。人類の食料のおそらく6割以上が、化石燃料を使って工業的に合成された窒素によってまかなわれているということになる。このやり方がいずれ限界に突き当たることは想像に難くない。しかも製造過程や施肥後に強力な温室効果ガスであるN2Oも発生する。施肥後に余剰の窒素分が水系や地下水を汚染するという問題もある。おそらく窒素はものすごく無駄に使われているのだ。もちろん、有機質肥料だけでは65億人にふくらんだ人口をまかなえそうにない。

 「地球環境」問題や「地球温暖化」問題の議論は、いかに人類がこの先も持続的に生き延びていけるかという話につながって初めて意味がある。誤解を恐れず言ってしまえば、温暖化そのものはそれほど問題ではないと思っている。重要なのは、今世紀半ばには90億人に達すると予測される人類を養える食とエネルギーがこの先も確保できるのかということだ。現在の地球温暖化の議論は「いかにCO2を減らすか」に収束している。肝心の人類の持続可能性という視点がかすんでしまっているのではないだろうか。肥料のみならず、農業機械・漁船・移送の燃料に至るまで、食が化石燃料によって成り立っていることを考えれば、「ポスト京都」は、ポスト石油、ポスト化石燃料として議論しなければならない。
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by greenerworld | 2008-07-02 08:01 | 環境エネルギー政策