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太陽光補助に補正予算?

 複数メディアの報道によれば、経済産業省は補正予算案に太陽光発電の助成を盛り込んでいるようだ。グリーン証書を活用したものではなく、単純な設置補助でkWあたり7万円。ちょうど10分の1程度をアシストする。

 以前も書いたように、太陽光発電の補助制度は2005年度を最後に打ち切られた。すでに市場形成の役目は果たしたという理由だ。しかし、そうはならなかった。補助金を失ったとたんに市場はしぼみ、日本メーカーは急拡大するヨーロッパ市場に生産品のほとんどを向けるようになった。「国内でCO2を出して生産し、海外で削減に寄与する」構図となった。それでも日本メーカーはドイツのQセルズに生産トップの地位を奪われ、中国や台湾の新興メーカーに猛追されている。設置でもドイツに大きく後れをとり、まさに“落日”の様相を呈していた。

 そんな中、“お家芸”太陽光発電で世界トップの座を奪い返そうと、福田政権下で策定した「低炭素社会づくり行動計画」には「太陽光発電の導入量を2020年に10倍、2030年には40倍にすること」が目標として掲げられた。このなかには「3〜5年後にシステム価格を現在の半額程度に低減することを目指す」ことも掲げられている。

 その第一歩として、来年度概算要求に補助金の復活が盛り込まれたことは9月11日に書いた。ブログ子が指摘したように、それでは“買い控えが起こる”ことを経産省もさすがに危惧したのだろう。ただ補正予算の行く末は解散時期がらみで不透明だ。成立したとしても、2006年度から2年半の間の設置者は救われない。政策によって不利益を被ったのだから、行政訴訟の対象になるのではないだろうか。

 さらにその先、「3〜5年後に現在の半額」という目標が掲げられている中で、7万円/kWの補助金に魅力があるだろうか。やはり半額になるまで待とうというのが当然の感覚だろう。“国民目線”とはとても思えない場当たり施策だ。まあ、その結果市場は活性化せず半額実現も難しくなるだろう。

 設置補助はもはや時代後れの施策で、世界的にも発電電力を高額で買い取るFITが主流。それでも設置補助にこだわるとすれば、せめて「今から半額」にすべきです。
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by greenerworld | 2008-09-30 08:21 | 環境エネルギー政策  

2007年のCO2濃度383ppmに上昇

 年々上昇を続ける大気中のCO2濃度。2007年は前年より2.2ppm増えて、383ppmとなった。この値は産業革命以前の濃度280ppmに比べて37%も高い。過去65万年で最高であり、過去2000万年でも最高である可能性が高い。

 土地利用の変化(主に森林の伐採)による炭素の増加は年間1.5ペタグラムC(1ペタグラム=10億トン)に達し、1850年から2007年までに160ペタグラムが大気中に放出されたと見積もられる。主な放出地域は南米・中米が41%、南アジア・東南アジアが43%、アフリカが11%。

 化石燃料の燃焼とセメント製造からのCO2排出は、1990年の年間6.2ペタグラムCから、2007年には8.5ペタグラムCに達した。2000-2007年の年間増加率は3.5%と、それ以前の10年間の0.9%のほぼ4倍となった。この増加率はIPCCの予測シナリオを上回っている。

 中国とインドのCO2排出が増加しており、中国は2006年にアメリカを抜いて最大の排出国になった。インドはまもなくロシアを抜いて世界第3位の排出国になると見込まれる。現在、世界人口の80%を占める発展途上国からの排出が世界全体の半分を超えているが、1751年以来の累積排出量では20%を占めるに過ぎない。

 海洋や陸地のナチュラルシンクによって取り除かれるCO2は、大気中のCO2濃度の上昇に伴って大きくなっているが、過去50年間で5%も効率が低下しており、この傾向は今後も続く。50年前には1トンの大気中CO2のうち600kgを除去できたが、現在では550kgしか除去できなくなっている。

 グローバルカーボンプロジェクト www.globalcarbonproject.org
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by greenerworld | 2008-09-26 15:39 | 気候変動  

二坪菜園で時事問題を考えた

f0030644_11541967.jpg モロヘイヤの苗を3本ほど植えておいたら、どんどん大きくなって、この夏は味噌汁におひたしにと重宝した。スーパーでは一束百円くらいだが、それでもわが家の家計の節約に多少は貢献したことになる。

 自給菜園はいわゆる「サプライチェーン」は最短、GDPにも全く反映されないが、究極の“顔の見える”食品。安全安心はお墨付き。お隣の畑からいただく数々の野菜も同様に、わが家のフードセキュリティを高めてくれている。

 三笠フーズの事故米や島田化学工業の米でんぷん流通先を見て、全国に広がっているのに驚いた。サプライチェーンが伸びれば伸びるほど、追跡は困難。しかも少量使われる添加物にまでなってしまうと、われわれ消費者にはもはやお手上げというしかない。三笠フーズは循環取引で価格のつり上げまでしていたというが、他の原料と混ぜ合わせ、サプライチェーンを伸ばせば、事故米がどんどん薄まる一方、中間で価値が膨らみ、その分GDPを増加させることになる。もちろん毒性も弱まるけれど。

 この問題、サブプライム問題の構図とどこか似ていると思えてきた。リスクの高い低所得者向けローンも、金融商品化してグローバルに販売すれば、リスクは薄まり買いやすくなる。でもそれは見せかけのこと。結局はリスクを広く薄くばらまいて、みんなを一蓮托生にしただけだった。

 スーパーやコンビニに行けば、いつでも多種多様な食品が並んでいる。しかしそれは一皮むけば、広く薄まったリスクが並んでいるにすぎない(いやはやメラミンミルクには驚きました)。安全に対するリスクに加え、サプライチェーンのどこかで問題が起これば、全体が無に帰してしまうかもしれないというリスクである。源流近くで供給不足が起これば、その影響は全体に波及することになる。サプライチェーンがどこかでぷっつり途切れたらスーパーの棚から商品が消える。事実、中国ではメラミン混入で乳製品が店の棚から消えてしまったそうだ。天変地異や戦争がサプライチェーンを断ち切ることだってある。

 もちろん、自給菜園だって天候による不作というリスクを抱えている。端境期だってある。食品の安定供給という面では心許ない。しかし自給とまでは行かなくても、できるだけ近くに食料の供給元を確保することができれば、フードセキュリティは高まるし、農家も安定収入につながるのではないか。

 農水省も言葉と予算の上では、食糧自給率・フードセキュリティの向上を掲げている。しかし、ミニマムアクセス米の受け入れは確実に減反を進めたし(農水省は否定しているが)、集落営農の導入で経営意欲のある認定農業者が農地の「貸しはがし」にあった。一体何のため、誰のための政策なのか。

 農水省と三笠フーズ、ミニマムアクセス米を管理する天下り機関の関係も解明されていない。スキャンダルとしてもまだまだネタには困らない。
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by greenerworld | 2008-09-24 11:57 | スローフード  

彼岸花のBGMは……

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 暑さ寒さも彼岸までというが、今年は残暑がしつこい。土手では彼岸花が咲き出したというのに、まだツクツクボウシやミンミンゼミが鳴いている。それでもオギの群落からはクサキリの声がして、ナガコガネグモのメスもおなかがずいぶん大きくなった。一週間もしたらキンモクセイが香り始めるだろう。
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by greenerworld | 2008-09-21 09:55 | 花鳥風月  

自動車社会の悪夢?

 家族や友人を乗せて買い物に行き、街中に車を止めようとするのだが、駐車場がばかでかい。立体駐車場で空きスペースを探してぐるぐるさまよった経験のある方は多いと思うが、ここは立体ではなく広大な面積の中で駐車スペースをさがすことになる。それがまた混んでいて、行けども行けども駐車スペースが見つからない。ようやく探し当てたときにはもう何十分も過ぎていて、歩いて駐車場から出るのにまた長い時間がかかる。そうこうしているうちに友人が帰らなくてはならない時間になり、送っていこうと駐車場に戻るのだが、今度は車をとめた場所が見つからない。仕方がないので手分けしてさがすことにし、私は反対側の入り口の方に回って、ようやく何とか見つけ出したのだが、そこから駐車場を出ると今度は友人のいる場所がわからなくなっていて……。

 今朝、そんな夢で目が覚めた。自動車を使うのがこれくらい不便だと自動車を使おうという人も減るかもしれない。
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by greenerworld | 2008-09-18 11:00 | 森羅万象  

北極海の氷、過去最低レベルへ

 今夏、北極海の氷が消失する危機をWWF(世界自然保護基金)が警告している。すでに過去最低だった昨年の海氷面積に迫っており、氷の厚みが減少していることを考慮に入れると、観測以来最低レベルにあるという。2年連続で海氷が記録的に縮小したことは、さらに減少する傾向にあることを意味する。

 白く輝く北極海の海氷は、地球に降り注ぐ太陽光を宇宙空間にはね返す作用があり、その分地球の温度の上昇を抑えている。海氷が消えれば、北極海の海水は太陽エネルギーを吸収し、温まる。その結果地球温暖化を加速するおそれがある。また北極海が温まることで、氷にに閉じこめられていた生物の遺骸の分解が進みメタンやCO2が大気中に放出される。これもまた温暖化促進要因となる。ホッキョクグマの受難だけではすみそうもない。

 これは北極だけのローカルな問題ではなく、地球全体の問題であり、各国がポスト京都議定書に向けて取り組みを加速させる必要があると、WWFは訴えている。
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by greenerworld | 2008-09-17 09:35 | 気候変動  

火星からやってきたアリ

f0030644_2046957.jpg アマゾンの熱帯雨林の土中から見つかった新種のアリ。学名はMartialis heureka(火星から来たアリ)と名付けられた。1億2000万年前にハチの仲間から別れたアリ類の祖先に非常に近い種だという。体長は3mmほどで目は退化しており、強大なあごで獲物を捕らえるらしい。
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by greenerworld | 2008-09-16 20:34 | 生物多様性  

太陽光発電設置に補助金復活!

 経済産業省の2009年度(平成21年度)概算要求に、「住宅用太陽光補助金」として238億円が盛り込まれた。2005年度を限りに廃止されて以来、4年ぶりの復活となる。もっとも2005年度の補助額はkWあたり2万円というもので、予算額も26億円まで減っていた。238億円は過去最大だった2001年度の235億円を抜き、最大規模となる。福田首相の置き土産「低炭素社会づくり行動計画」(今年7月)のおかげである。「行動計画」では、2010年までに太陽光発電のシステム価格を半額、2020年には導入量を現在の10倍に、2030年には40倍にするという目標を掲げている。

 2010年に半額というのは実現が心許ないが、ともかくやる気になっているのだ。しかし、どういう補助の仕方をするかはまだ見えてこない。かつてのように単純に設置補助金を出すのだろうか。最近はドイツ始めヨーロッパでの太陽光発電(に限らないが)の普及に、高価格での発電電力買い上げを義務付けたフィード・イン・タリフ(FIT)制度が功を奏したことがかなり知れ渡ってきた。政策担当者・担当官僚もみなFITに効果があることは知っている。FITは今やお隣の韓国や中国でも導入され、自然エネルギーの普及に役立っている。日本でも議論されたが結局電力業界の強硬な姿勢で実現しなかったどころか、ほとんど無視されてきた。その結果、日本は自然エネルギー電力の普及で、1人蚊帳の外という状態だ。で、お家芸だった太陽光発電でも設置ではドイツ、スペインに抜かれ、生産1位の座も危うくなってきたのだ。

 そこであわてたというわけだろう。このままでは国内市場がしぼんでしまう。これはいつか来た道なのである。日本はかつて太陽熱大国だった。それが今や年々市場は縮小するばかり。それに太陽光は太陽熱と異なり、ハイテクで技術革新、関連産業の広がりも期待できる。その結果がこの補助金復活というわけだ。

 東京都では、来年度から3kWシステムに対して30万円程度、太陽熱を複合利用するソーラーシステムに20万円程度、太陽熱温水器に3万円程度の補助を予定していることを8月末に発表した。ただし、自家消費分の環境価値の譲渡を条件にしている。これには少し説明がいる。東京都では、単純な補助金ではなく、グリーン証書と結びつけた制度を検討してきた。自然エネルギーで発電した電力はCO2を出さない。これに環境価値を認め、排出量取引の対象とする。しかし、太陽光発電の設置者の多くは、すでにRPS法による発電設備認定を受けており、電力会社に売電した分は環境価値を売り渡していると認識されている。しかし、自家消費分はその限りではないので、環境価値が残っているというわけだ。しかも、太陽熱に環境価値を認めようというのが東京都の制度のミソだ。

 しかし、その環境価値(自家消費量)をどのように計るのか。これはきわめて難しい。東京都は10年分の環境価値を先払いする形で補助するらしい。標準的な発電量で置き換え、一律に同じ金額を支払うというなら、実質的には単純補助と変わらない。きちんと量として把握できないのであれば、その環境価値をCO2削減量として売買することも難しいだろう。東京都の制度もまだまだ検討を加える余地がありそうだ。

 ともあれ、東京都の制度は国や市町村の補助制度と併用可能だという。そうすると、国の制度が加われば東京都民にはかなり有利な条件となりそうである。

 それにしても、2006〜2008年度の設置者こそ好い面の皮ではないか(いや設置した方には失礼ですが)。この間は原料シリコン不足にヨーロッパの需要増が重なり、システム価格が上昇している。この人たちを救済しようという考えはないのかね。少なくとも、今年下期には設置は極端に減るでしょうな。
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by greenerworld | 2008-09-11 20:40 | 環境エネルギー政策  

太陽熱で発電する3kWのスターリングエンジン

 スターリングエンジンという熱機関がある。1816年にスコットランドの牧師で技術者のスターリングが考案したもので、蒸気機関と同じ外燃機関だ。簡単に言えばシリンダー内部の気体を温めたり冷やしたりすることで膨張・収縮させ、ピストンを動かす。ただし一か所を短時間に加熱・冷却することは難しいので、温める場所と冷やす場所を別々にし、気体の方を動かすしくみになっている。

 理論上高効率で、しかも爆発を伴わないので静粛・安全。さらに熱源を選ばないという利点があるが、小型化が難しかったことから、その後開発されたガソリンエンジンやディーゼルエンジンにかなわなかった。しかし、スターリングエンジンには発明家や技術者たちをとらえて放さない夢がある。

f0030644_18511788.jpg 温める方には太陽熱も使える。太陽熱発電では、ヘリオスタットと呼ばれるパラボラ集光装置で高温をつくりスターリングエンジンを動かすという、ディッシュスターリング発電が実証段階だ。これを小型化した発電装置を発売しようというベンチャー企業もある。

 アメリカのワシントン州にあるINFINIA社では、3kWの太陽熱スターリングエンジンをこの秋に売り出すという。変換効率は24%で同じ出力の太陽光発電の2倍だ。集光部分の直径は4.7メートル。スターリングエンジン部分も驚くほど小型だ。効率を高めるため太陽追尾装置もついているようである。

 占有面積としては方形の4.7×4.7mと考えても同じ出力の太陽電池以下で、しかも発電量は2倍ある。価格は太陽電池並みに抑えるという。一般住宅の屋根にのせるのは無理かもしれないが、農地の端、河川の堤防、ビルの屋上など、設置可能な場所はたくさんありそう。ヨーロッパでは太陽電池を大量に並べたソーラーパワープラントが続々誕生しているが、ソーラースターリングエンジンの性能がメーカーの発表通りで、メンテナンス費用も安いなら、今後はこちらの方にシフトしていく可能性もある。第三世界の非電化地域でも活躍しそうだ。実機を見てみたい。

 INFINIA http://www.infiniacorp.com/main.php
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by greenerworld | 2008-09-04 18:54 | エネルギー