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ずどん

 茨城県土浦市で「ずどん」なるものを食べた。「ず」とはなまずの略で、なまずの切り身を天ぷらにした天丼。つまりなまず天丼の略なのだ。皮はさくさく、身は淡泊でなかなかおいしい。この「ずどん」、日本に古くからいるものではなく、霞ヶ浦で猛威をふるっているチャネルキャットフィッシュ(別名・アメリカナマズ)が原料。アメリカナマズは特定外来生物に指定されており、在来生態系や漁業に甚大な影響があるとして駆除が行われている。それを食材に利用しているわけだ。対岸の行方市では、アメリカナマズを使った「行方バーガー」というご当地フィッシュバーガーを売り出しているそうだ。昨年秋に、栃木県の川魚料理屋さんでうかがったところによると、その店でもナマズ料理は霞ヶ浦産のアメリカナマズを使っているという。「日本のナマズを使いたいのだが、まとまった量は手に入らない」とか。

 特定外来生物も、こうなると経済に組み込まれてしまって、駆除より資源確保という話になりはしないかと心配になる。ナマズは養殖が難しく、天然物は激減している。その最大の原因は、河川・農業用水・水田の構造変化である。ナマズは成魚が池や湖や河川の本流に住むが、産卵は水田や水田まわりの小水路で行う。そうした場所が激減してしまったのに加え、湖や河川の本流から遡上することもできなくなっている。コンクリートで固められて、ナマズが潜む穴もない。アメリカナマズのずどんは700円だったが、もし本物のずどんを食べようと思ったらどんな値段を取られるのだろうか。
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by greenerworld | 2009-01-29 16:42 | 生物多様性  

オバマ用語の基礎知識

オバマニア
 バラクオバマ大統領の熱狂的支持者。追っかけ。

バラクベリー
 携帯メール中毒のオバマ大統領のために国家安全保障局が用意した暗号機能付きの多機能携帯端末(スマートフォン)。ブッラクベリーをもじってこう呼ばれる。

ニャンゴマ・コゲロ村
 オバマ大統領の父・バラク・フセイン・オバマ氏が生まれ育ったケニア西部の農村。コゲロ村とも。大統領自身も上院議員時代に訪れたことがある。現在も継祖母、親戚が暮らしている。

コバマ村
 オバマ大統領の曽祖父が開拓したといわれる村。オバマ一族の村の意味という。オバマ大統領の祖父フセイン・オニャンゴ・オバマ氏がコバマ村からコゲロ村に移住した。

オバマ市
 日本の福井県にある市。オバマ大統領とは何の関係もないが、名前が同じということで市や市民が勝手連的に応援。オバマ大統領が来日すれば訪問が実現するのではないかと期待が高まっている(?)。
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by greenerworld | 2009-01-23 12:32 | 森羅万象  

ウォーターフットプリントとピークウォーター

 水の惑星といわれる地球だが、そのうち97.5%は海水で、1.75%が北極・南極などに氷として存在する。私たちがふだん使うことができる河川や湖沼のいわゆる地表水は0.02%以下しかないという。地下水を入れても0.8%にすぎない。

 しかも水資源は偏在している。日本のように降水量に恵まれているところでも、毎年のように水不足が起きる。世界の多くの地域では慢性的に水が不足している。水は私たちの生存を直接・間接に支えている。急激に体内の水分が失われれば死に至ることはもちろんだが、穀類・野菜・果物・家畜といった私たちの食べ物を生産するのにもたくさん水必要なのだ。そればかりか工業製品を作るのにだって、大量に水を消費している。

 こういう表面に現れない水の消費を「ヴァーチャルウォーター」と呼んでいる。また、カーボンフットプリント(CF)と同じようにある製品や国が使用した水の総量を「ウォーターフットプリント(WF)」という。

 ウォーターフットプリントネットワーク(WFN:www.waterfootprint.org)によれば、1kgの牛肉を生産するには1万6,000リットルもの水を使う。たった1杯のコーヒーに140リットルの水が必要だ。ハンバーガー1個のWFは2,400リットルにも及ぶ。

 日本人のWFは1年1人あたり1,153m3に及ぶ。しかもその64%は国外で使用しているものだ。海外から食品や製品を輸入することで、ヴァーチャルウォーターを輸入することになる。中国は702m3で国外依存分は7%、オバマ大統領の父親の出身地ケニアは723m3である。一方、アメリカのWFは日本の2倍以上の2,483m3で、アメリカ人はエネルギー同様水も大量に浪費している。「ガソリンも水もがぶ飲み」というわけだ。新政権とともにチェンジしてもらいたいものである。

 すでに人類は地球上で使用可能な水の半分を使ってしまっているにもかかわらず、何十億人もの人が最低限の水にも事欠く状況におかれている。ここでも先進国は水を潤沢に使い、発展途上国は水不足で苦しんでいる構図になっている。しかしこのままではいずれ水資源の限界が訪れる──それがピークウォーターだ。もちろんピークウォーターはピークフードにもつながる。国連の見通しによれば、2020年までに水の消費量は現在の1.4倍にも増加する。果たしてそんなことが可能だろうか。過剰な水の利用はすでにさまざまな影響を及ぼしている。湖が干上がり、気候まで変わる。生物多様性にも大きな影響がある。水は人類だけのものではない。
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by greenerworld | 2009-01-23 08:38 | 森羅万象  

南極大陸も温暖化している

 いわゆる地球温暖化懐疑論者の論拠の一つが、「南極の平均気温は下がっている」というデータだった。しかし、このほどワシントン大学やNASAなどの研究チームが科学誌Natureに発表した論文によれば、南極も地球上のそれ以外の地域と同様温暖化が進んでいるという。

 これまで南極大陸は南極半島を除いて気温上昇はみられないか、むしろ低下しているとされており、その原因はよくわかっていなかった。研究チームはこれまで調査が進んでいなかった西南極について、地上と衛星の観測結果に基づき解析、その結果、西南極では1957年以来10年間で0.17℃のペースで気温が上昇していることを発見した。大陸全体としては10年で0.12℃のペースで上昇していることになるという。これまでの気温データは海岸に近い観測所で得られたもので、内陸部についてはデータがなかった。

 西南極の気温上昇については、氷床コアを用いた他の調査でも同様の結果だという。

 なぜ、南極大陸の東側で気温上昇が観測されなかったかについては、オゾンホールの影響が指摘されている。フロンなどが原因で南極上空に形成されるオゾンホールによって、西風が起きそれが東南極の気温上昇を見かけ上抑える結果になっているという。フロンの規制で今世紀半ばにオゾンホールが解消されると、南極の温暖化が顕在化するかもしれない。
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(Natureに発表された南極大陸の温暖化を示す図。赤が濃い部分ほど温度上昇が大きい)
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by greenerworld | 2009-01-22 12:12 | 気候変動  

日本、京都議定書の目標をクリアか

 毎日新聞によると、このまま不況が続けば温室効果ガスの排出量が減るとの予測を、日本エネルギー経済研究所がまとめたそうだ。08年度のGDP成長率をマイナス1%、09年度は同0.9%とし、それぞれのエネルギー起源のCO2排出量を08年度は11億7200万トン、09年度は10億9000万トンと予測した。09年度は過去最高だった07年度より14.7%の減少となる。

 京都議定書基準年である1990年のエネルギー起源CO2排出量は10億5900万トンなので、わずか2.8%増までたどり着くことになる。日本の温室効果ガス全体の削減目標はマイナス6%だが、エネルギー起源のCO2の目標値は±0%だから、もう少しがんばれば(不況が続けば)クリアできてしまう。しかも、エネルギー起源CO2以外のメタンやN2O、代替フロンはかなり大幅に減らしているので、森林吸収(3.9%)を入れると、09年度に温室効果ガス全体でマイナス5.3%という数字が見込めるのだ!(森林吸収はかなりあやしい数字だが)。政府は排出量取引でマイナス1.6%分を見込んでいるが、これが0.7%分ですむ。もう一年ぐらい不景気が長引いてくれると、森林吸収や排出量取引なしでもマイナス6%が達成できそうだ。

 未曾有の経済危機、おそるべし。もちろん喜ぶべきなんでしょうな?
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by greenerworld | 2009-01-16 08:02 | 環境エネルギー政策  

定額給付金で買いたいもの(物欲編)

 あいかわらず評判が悪い定額給付金ですが、与党は採決を強行、衆議院を通過した。せっかくもらえるなら使いましょう。前から欲しかったけどなかなか買えない物を集めてみました。

 それにしてもあそーさん、事態を打開するために、小泉さんの郵政解散みたいに争点を定額給付金一本に絞って解散してみたらどうだ、思い切って。

f0030644_1172351.jpg薬研
鋳物製で昔はこれで薬草を粉に挽いた。スパイスやコーヒーも挽ける。オリジナルの七味唐辛子をつくりたい!

薬研 山形鋳物 16,800円(予算オーバー)

増沢塗の汁椀
増沢塗は奥州市衣川区にあった塗り物。職人はいまわずかに一人残るのみ。外連のない実用品。毎日使っても一生ものです。

汁椀 及川漆工房 3,000円×4=12,000円(でも現地に行かないと買えない)

木曾サワラのおひつ
ごはんはたいたらおひつに移す。サワラの殺菌作用で持ちも香りも良いし、冷めてもおいしい。

サワラのおひつ5合用 9,030円

f0030644_1193852.jpg葛布(かっぷ)の日傘
昨夏日傘を使ってみたら、びっくりするほど涼しかった。男性も日傘を使うべし。どうせなら故郷の伝統工芸品で。

日傘 小崎葛布工芸 28,000円(息子の分も注ぎ込まなきゃ)

 ああ、物欲が……。
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by greenerworld | 2009-01-15 11:14 | 森羅万象  

再生可能エネルギーを3年で2倍に──オバマ氏のエネルギープラン

 8日(日本時間9日)に発表された、オバマ次期大統領の総合経済対策の中に、「グリーンジョブ(緑の雇用)」の具体策として、太陽光や風力などの再生可能エネルギー生産を今後3年間で倍増させることが盛り込まれた。同時に、老朽化した送配電網の更新(スマートグリッド化)、連邦政府の建物や住宅の省エネ対策などのエネルギー効率化対策も求めている。

 再生可能エネルギーの具体的目標は、風力発電が20GW(2000万kW)、地熱発電と太陽光発電が4GW(400万kW)で、現状の24GWをちょうど倍増させることになる。業界は早速のこの発表を歓迎している。アメリカの風力発電の設置出力は過去3年で2倍になっており、太陽光発電の設置も急伸している。業界は決して無理な数字ではないと考えているようだ。

 これらは同時に発表された「アメリカのためのエネルギー新計画」に基づくもの。その骨子は以下の通り。

 ・1500億ドルの投資により500万人の雇用を創出。
 ・10年以内に中東とベネズエラからの輸入量に匹敵する石油を削減
 ・2015年までに国産プラグインハイブリッド自動車を100万台普及
 ・2012年までに電力の10%を再生可能なものに、2025年までにその比率を25%に
 ・キャップアンドトレードにより2050年までに温室効果ガスを80%削減

 ブッシュ路線から大幅にチェンジ、温室効果ガスの削減目標や再生可能エネルギー導入目標を大胆に打ち出した。アメリカが本気になれば早い。定額給付金でおたおたしている場合じゃないよ、あそーさん。
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by greenerworld | 2009-01-13 20:44 | 環境エネルギー政策  

第11回トウキョウサンショウウオ・シンポジウム

 啓蟄前恒例のトウキョウサンショウウオシンポのお知らせです。昨年行われた10年目一斉調査結果を中心にトウキョウサンショウウオの現状を報告。シンポ後の懇親会もあり。

第11回トウキョウサンショウウオ・シンポ
日時:2009年2月28日(土)午後1時半より
会場:東京都立多摩社会教育会館 301・302研修室
   〒190-8543立川市錦町6-3-1(東京都多摩教育センター内)
   電話:042-524-7950 FAX:042-522-0719

報告 トウキョウサンショウは生き残れるか?:10年後の現状
2008年一斉調査の中間報告(多摩地区全域の概況)
     草野 保(首都大・理工・生命科学)
あきる野市菅生地区周辺の現状
    小澤 祥司(西多摩自然フォーラム)
青梅市加治丘陵の調査結果報告
     御手洗 望(青梅自然誌研究グループ)
休憩及びスライド上映
南西諸島両生爬虫類観察紀行(沖縄島編)佐久間 聡
多摩丘陵におけるサンショウウオの保全 塩谷暢夫
講演 地域住民によるアベサンショウウオ保全について
    長谷川 巌(福井県両生爬虫類研究会)

問い合わせ:トウキョウサンショウウオ研究会
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by greenerworld | 2009-01-11 16:52 | イベント  

尊徳先生 農と物質循環を語る

 久々の二宮尊徳ネタ。たまたまめくった『二宮翁夜話』(福住正兄筆記)に「農業は不浄を浄化す」との一節があった(地の巻・第五編・一三九)。肥取舟に川水を入れて肥やし(下肥)を薄めているのを見て、尊徳先生は言う。人々が嫌う肥やしも、川水で増やせば利益がある。ものは不浄に極まれば必ず清浄に帰り、清浄に極まれば不浄に帰る。世の中に無用のものはない。農業は不浄をもって清浄に変える妙術であると。

 この場合、不浄とは下肥すなわち有機性廃棄物である。今風に言えばBODやSS、NOxやリン酸分の高い状態。清浄とはそれが分解・吸収され浄化された状態である。汚れた水も無用ではなく肥料になる(そのままでは濃すぎるので川水で薄めて使う)。しかもそれは養分に富んでおり農地に施用すれば土壌中で分解され、作物が吸収するのである。さすが尊徳先生、農業のもつ物質循環作用を鋭く見抜いていたようだ。
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by greenerworld | 2009-01-09 07:46 | 森羅万象  

[Book]人類の祖先は肉食動物の「獲物」だった?

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『人は食べられて進化した』/ドナ・ハート、ロバート・W・サスマン著(伊藤伸子訳)/化学同人刊/2200円+税

 アンリ・ルソーの描いた作品は一種「変」な絵ばかりである。「ジャガーに襲われた黒人」も変な絵である。凄惨な出来事を描いているようで、全く緊張感を感じさせないどころか滑稽味さえ覚える。襲われているのは黒人というより、ほとんど人のシルエットのようにしか描かれていない。奇怪な葉をつけた植物が生い茂り原色の花々が咲く密林の中で、その平板な黒い影に飛びつくジャガーの背中にはなぜかナイフが刺さっていたりもする。本書のカバーに使われているのはその絵(の一部)だ。

 人の祖先は500~700万年ほど前にチンパンジーとの共通の祖先から分かれ、独自の進化の道を歩き始めた。それまでは森に住み、危険があれば樹上に逃げることができた。しかしこのころ地球は寒冷化が進み、乾燥化したため安全で食べ物の豊かな森が縮小した。人類の祖先は森を離れ、サバンナに出ることを選択した類人猿の一族だったのだ。しかし、そこにはライオンやヒョウやチーターやハイエナ(の祖先)がいた。わが祖先はそうした捕食者におびえ、しばしば彼らに襲われながらも生き延びた(だから私たちがいるわけですね)。彼らはさまざまな武器を発明し集団で他の動物を襲って食べる「狩る人=Man the Hunter」ではなく、むしろ「狩られる人=Man the Hunted」だったというのだ。著者は人類がいかに猛獣の餌食になってきたかを、さまざまな証拠とともに示す。しかしそのことが人類に進化をもたらした、というのが簡単にいってしまえばこの本の主題だ。

 したがって人間にとって恐ろしい猛獣も、われわれの知恵を発達させることに貢献してきたのだという。確かに、食べられたら遺伝子を残すことができない。食べ物をうまくとる方向への進化より、食べられないようにする方向への進化の方が切実性がある。社会性やコミュニケーションの能力も、捕食者から逃れるためと考えた方が納得がいく。

 なお、ジャガーは南北アメリカ大陸に分布するので、先のルソーの絵は人類進化の舞台アフリカではなく、南米のジャングルを描いたということになる。そういえばルソーの「眠れるジプシー女」にも、砂漠で横たわる女性の横に忍び寄るライオンが描かれている。ルソーの意識の中には「狩られる人」の遠い記憶があったのだろうか。
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by greenerworld | 2009-01-08 08:00 | レビュー