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クロアゲハの夏

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 いつもの散歩コース。木々の葉がうっそうと茂り、枝でウグイスがさえずる。梅雨はどこへ行ったのかというような強い日射しも、木漏れ日となればむしろ心地よい。

 足もとからひらひらと飛び立ったのはクロアゲハ。湿った土で給水していたのか。立ち止まって見ていると、しばらくまわりを飛翔して近くのオオブタクサの葉にとまった。カメラを取り出して向けると、また飛び立つ。だがまた戻ってくる。強い日射しの下には決して出ようとせず、林のふちを回っている。

 白い川原、草いきれ、ハグロトンボ……。川遊びに夢中になった遠い夏の日がよみがえる。そろそろニイニイゼミも鳴き始めるだろう。
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by greenerworld | 2009-06-27 16:26 | 花鳥風月  

[BOOK]長い旅の途上 星野道夫著

f0030644_13541716.jpg 星野道夫の写真は雑誌や新聞などで何度も目にしていて、その写真に添えられた文章も当時読んでいるはずなのだが、まとまったものを読むのは初めてだった。読んでみてあらためて、この稀代の写真家が同時に非凡な文筆家でもあったことに気がついた。今さらながらその才能を惜しまずにはいられない。

 この人の目には、自然も文化も人の生き方も同じように見えていたのだろう。今自分が生きているこの地球の上に、カリブーやホッキョクグマやザトウクジラや伝統を忘れずに暮らす人たちが生きている、その同時性に対する畏敬の念が、彼を突き動かしていたのではないか。「いつも、いつも、遅く生まれすぎたと思っていた」彼が、カリブーの大群を見て、「何か間に合ったような気がした」と書く。それは自分自身がその場に居合わせることのできた幸せを表現したのではなく、それをこうして伝えることのできた喜びの言葉だ。

 懐かしく思い出すと書いた「過去も未来もない、ただ一瞬一瞬を生きていた」幼いころの時間の感覚を、おそらく星野はずっと保ち続けていたにちがいない。彼はすぐにでも過去に流れ去ろうとするその一瞬一瞬を記録することに全身全霊をかけた。星野の写真にも文章にも、その一瞬に生きていたものたちへのいとおしさがこぼれ落ちんばかりに満ちている。

 野生生物とオーロラと星野道夫のことを覚えている人々に会いに、アラスカに行ってみたい。まだ間に合ううちに。

 『長い旅の途上』
 星野道夫著 文春文庫 724円+税

 星野道夫の主要な写真作品は富士フイルムミュージアムで見ることができる。
http://www.fujifilmmuseum.com/pro_artist/artist/list/?id=2
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by greenerworld | 2009-06-23 13:58 | レビュー  

LED電球は「売ってはいけない」

 家電メーカーS社が4000円台でLED電球を発売するという。その発表を受けて、先行するT社もLED電球を約半額に値下げするという。ブログ子は連休中にT社のLED電球を買ったばかり(5/3付:7代先まで使える電球)。なんなんだよ〜、と嘆きつつ考えてみる。トイレに使ったら200年以上もつ、リビングでさえ、1日8時間点灯するとして13年。その間に模様替えしたくなることもあるだろう。照明器具だって替えるかもしれない。それなのに、電球はまだまだ使えるのだ。もったいない、電球に合わせて照明器具を買うのか?

 いやいや、これはもう商品として電球を考えてはいけない。使い方によっては家族の一生より商品の寿命の方が長いのだ。これはもう消耗品ではない。経済は根本的に変わる必要がある。

 かつてエジソンは白熱電球を生産したが、そのままでは電球は売れなかった。電気はどこからも来ていなかったからだ。エジソンは電力会社をつくらなければならなかった。しかも白熱電球はすぐに切れたから、頻繁に取り替える必要があった。エジソンは電球1個に付きいくらという料金を設定し、顧客に電線を引き、電球が切れれば無料で交換した。エジソンは電球を売るのではなく、電気を売るのでもなく、「明るさ」を売ったのだ。

 LEDの登場によって電球の寿命が当時の100倍以上にも伸びたことで、エジソンのビジネスモデルが復活するかもしれない。いやそうするべきだろうと、高値でつかんだLED電球を眺めながら思う。
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by greenerworld | 2009-06-23 00:26 | エコエコノミー  

にぎやかなモズの声

 梅雨入りしたころから、モズが鳴くのを良く聴くようになった。キイキイキイ・・・という高鳴きは秋の風物詩、縄張りを主張するものだといわれているが、実は今ごろも高鳴きをしている。ほかにキチキチキチ・・・、という鳴き方もある。その間に、チューチューというか、ジュージューというか、カラ類のような鳴き声も混じる。

 庭木でキチキチキチと鳴いているモズを2階の窓から観察していたら、とまっている枝にサッと別のモズが飛び移ってきた。あとから来た方が口を開けると、前からいた方が頭を傾けてその口の中に自分のくちばしを差し入れた。

 そうかこの二羽は親子で、あとから来た方が巣立ちビナだったのだ。巣を離れたとはいえ、まだ自分で餌を採る力はない。親モズは次のえさを探しにすぐ飛び立ち、残されたヒナはチューチューと鳴きながら、枝や葉をつつきながら飛び移っていく。しばらくして餌を加えて戻って来た親は、またキチキチキチと鳴く。その声を聴いてヒナは親鳥のそばに飛び移る。ヒナが完全に自立するまで、しばしモズ親子のコミュニケーションが楽しめそうだ。
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by greenerworld | 2009-06-20 15:27 | 花鳥風月  

ベタープレイスのバッテリー交換式EVシステム

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バッテリー交換ステーションのイメージ(ベタープレイス・ジャパンのパンフレットより)

 環境省の平成20年度補正予算で実施されている、電気自動車(EV)などを用いた「次世代自動車導入促進事業」の実証試験の一つとして、ベタープレイス社が横浜市で実施してきた、モデル事業を見学してきた。アメリカ・カリフォルニアに本社を置くベタープレイス社(シャイ・アガシCEO)は、これまでにイスラエル、デンマーク、カリフォルニア、カナダなどで、新しいコンセプトによるEV事業をスタートさせようとしている。

 自動車産業の黎明期以来EVは存在し、さらにこれまで何度かのEVブームがあったが、いずれの場合も定着はしなかった。その理由はEVの航続距離の短さ、バッテリーへの充電に時間がかかること、さらに充電インフラが町中に整っていないことである。リチウムイオンバッテリーの登場で、航続距離に関しては、街乗りの実用レベル(100km超)には達している。しかし、相変わらず、充電時間の問題は片付いていない。7月発売の三菱自動車のi-MiEVは、家庭用電源100Vでフル充電までに14時間もかかってしまう。専用の急速充電器なら、約30分で80%のチャージが可能だというが、その充電スポットはまだ少ないし、30分とはいえ、やはり時間がかかる。

 ベタープレイスが提案するのは、バッテリーを内蔵するのではなく、交換式にするという選択だ。これであれば数分で空になったバッテリーを満タンにできる。横浜・山下町の実験サイトでは、実証試験の一環としてそのバッテリー交換のメカニズムを公開した。車がバッテリー交換ステーションに入ると、ステーション側と車がブルートゥースで通信をしながら、完全に自動的にバッテリーの着脱交換を行うという。

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公開されたデモンストレーション用のバッテリー交換ステーションとEV

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使い終わったバッテリー(手前)を回収、その後フル充電されたバッテリーに付け替える

 回収されたバッテリーはステーションで充電され、また他の車に使用される。こうした充電ステーションを、一定間隔で整備することで、バッテリー切れの心配なくEVに乗り続けることができる。

 実証試験に用いたEVのベース車は日産デュアリスで、これをモーター走行のEVに改良し、車体の下にバッテリーを装着するようにしている。

 現状では、バッテリー内蔵式EVの価格は400万円以上する。実はその半分近くがバッテリーの値段だという。バッテリーがなければ、現在のガソリン車並に価格を下げることもそれほど難しいことではない。ベタープレイスのビジネスモデルでは、バッテリーは同社が所有することになり、カーオーナーはバッテリー代を負担する必要がない。またバッテリーは確実に回収され、同社が再利用・リサイクルも行う。

 会員制で、課金方式は定額制+従量制のような携帯電話と似たシステムを採用するらしい。

 ベタープレイスでは、ルノー・日産グループと提携し、イスラエルで2011年に電気自動車の量産車を発売する予定という。ベタープレイスはそれまでに同国内に充電インフラを整備していく予定だ。デンマークでは、大手電力会社DONGエナジーと組んでビジネス展開を図っている。

 ベタープレイスの日本法人であるベタープレイス・ジャパンは、この実証試験を受けて、10台程度の交換式EVタクシーによる路上運用テストを来年から実施する予定だ。まずはタクシー市場のEV化をターゲットとして狙う。タクシーは台数でいえば乗用車の2%だが、走行距離にすると20%と稼働率が高い。またサービスエリアが一定していることから、バッテリー交換式によるEVシステムの導入に向いているからだ。CO2の排出もその分多いわけで、タクシーが全てEVになると、日本のCO2排出は3%減るという。
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by greenerworld | 2009-06-19 21:34 | エネルギー  

太陽光発電20年に20倍の根拠とは?

 麻生さんが言う「太陽光発電を2020年に20倍」には何か根拠があるのか? と故郷の恩師から質問をいただきました。

 20倍という数字、唐突に出てきたような印象もあるが、自然エネルギーのことがよくわかっていらっしゃるとは思えない麻生さんが、具体的かつかなり野心的な数字を思いつきで言うわけもないので、手元の資料をあさってみた。

 昨年7月に福田前政権により発表された「低炭素社会づくり行動計画」では「太陽光発電世界一の座を再び獲得することを目指し、太陽光発電の導入量を2020年には10倍、2030年には40倍にすることを目標」とある。麻生さんの目標はこの2倍。それで、最後の1%を上乗せしたことになっている。政治的決断なのか?

 資料をさかのぼって、2006年に太陽光発電協会(JPEA)が発表した「太陽光発電産業自立に向けたビジョン 2006年改訂版“めざせ!ソーラー・ニッポン”」を繰ってみる。すると、「第5章 2030年までの長期見通し」に2020年の国内市場規模:8700億円、349万kW/年度、国内導入累積2,919万kWとある。2,919万kWを、2005年の実績である142万kWで割ってみると20.6倍になる。裏は取っていないが、どうやらこのあたりが20倍の“根拠”となっていそうだ。

 なぜ「低炭素社会行動計画」でJPEAの数字を採用しなかったのかは不明だが、JPEAの「ビジョン」では2030年の見通しは30年に05年の60倍近い累積8,358万kWとしているため、さすがにここまでは無理だと思ったのかもしれない。

 一方、今年2月に中央環境審議会地球環境部会がまとめた「低炭素社会構築に向けた再生可能エネルギー普及策について」は、2020年の累積導入量を3,700万kW(05年の26倍)、30年を7,900万kW(同じく55倍)としている。JPEAとは微妙に異なる数字ではあるが、同提言は「公共部門での率先導入に加え、家庭や民間企業が一般的に太陽光パネルの性能が保証される10年間で資金を回収できるような需要側の支援策を講じることで達成が可能と見込」んでいる。この措置として、補助金ではなく、固定買取制度(FIT)が有力であるとしている。

 ただしこちらの審議会は環境省系、委員も環境NGO代表などが名を連ねている。資源エネルギー庁としては、そのまま採用できるはずがない。

 補助金+RPSとFITの間を取った形の住宅用太陽光発電からの固定買取制度が出てきたのもそんな背景か。中環審の提言より低い20倍という数字も、太陽電池メーカーや電力会社、設置にかかる企業の業界団体であるJPEAの数字に合わせた感がある。

 ところで、JPEAは復活した補助金の事務事業も引き受けている。何だかお手盛りという印象もぬぐえない……。
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by greenerworld | 2009-06-15 11:32 | 環境エネルギー政策  

官僚たちの暑苦しい夏

 補正予算あたりから、キャリア官僚が予算づくりをノンキャリに丸投げしている、という話が聞こえてきた。事実だとすれば、近づく選挙での政権交代を見据え、じっと首をすくめて風を見ているのか。これまでの政権との関係が深いトップ官僚は、どうせ首を飛ばされるならと開き直っているのかもしれない。いずれにしても人質に取られているのは国民の税金であり、暮らしである。
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by greenerworld | 2009-06-14 21:54 | 森羅万象  

iPhoneでカーシェアリング

 先頃開催されたアップルの開発者カンファレンス(WWDC)で、新しいiPhoneが発表されたが、マサチューセッツ州に本社のあるカーシェリング会社Zipcarが、iPhoneを使ったカーシェアリング管理システムを発表したというニュースが。

f0030644_17503237.jpg AUTOPIAによると、ZipcarではiPhone用アプリケーションを開発、GoogleMapと連動して近くにある車を表示し、画面で予約ができる。しかもたくさんある車の中から見つけ出せるよう、ホーンを鳴らす機能もあるという。iPhoneをキーとして使い、そのまま乗り込んで運転できる。もちろん決済もiPhoneを通じて。

 iPhoneだけ持っていれば、車は持たなくてもいいってこと。それどころか、対応する係員もいらない。使いたいときに近くの車を使い、使い終わったら近くの返却場所に返す。WWDCではiPhoneをカーナビにするアプリケーションも発表された。こういう動き、車社会を変える可能性を感じる。やはりアメリカの底力はあなどれない。
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by greenerworld | 2009-06-11 17:55 | 森羅万象  

もう一声! ええい、持ってけ泥棒!

 マイナス14%に1%上乗せしましたって、街頭のタンカ売じゃないんだから……。でも05年比。京都議定書の基準年90年比ではマイナス8%で、12年にマイナス6%の目標からわずかな削減にとどまる。というより、京都議定書はどこかにいっちゃったのか。

 クールアースも低炭素社会も、景気対策の大盤振る舞いの前に吹き飛んだ。麻生さん、自然エネルギーは太陽光発電しかないと思っているようだし。

 グリーン経済革命に後れを取り、経済は停滞し、若者は将来に希望を持てず人口はますます減る……。そうか、これで、黙っていてもCO2は減るな。なかなかひねくれた温暖化対策。一本取られたかも。
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by greenerworld | 2009-06-11 08:56 | 環境エネルギー政策  

クマバチは意外と都心に多い

 先月末訪れた葛西臨海水族園で、ネズミモチの花にクマバチ(キムネクマバチ)がたくさん来ているのを見た。案内してくださった職員の方にたずねたら、春先には芝生広場でオスがホバリングしながら、縄張り行動を取っているのがよく見られますよ、とのことだった。クマバチは単独営巣性で枯れ木に穴を開けて巣をつくる。園内には剪定した木を野積みにしてあるそうなので、そうした材を巣に利用しているのだろう。まあ、蜜や花粉の供給源はたくさんありそうだ。

 それで、先日エコライフフェアが開かれていた代々木公園でも探してみたら、ハーブガーデンにたくさんクマバチがいた。やはり古い公園だと大木も多いし、巣材には困らないのだろう。ただし、クマバチは食性も広いし、花に潜り込まずに食い破って蜜を集めるため(何しろ木に穴をうがつくらいで顎の力が強い)、授粉にはあまり寄与しないという説もある。クマバチ=自然が豊かだとは、いちがいに結びつけられないと思った。むしろ人為的な環境にうまく適応していると見るべきか。

 写真はハーブの花に来たクマバチ(代々木公園)。なかなか愛嬌があります。
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by greenerworld | 2009-06-09 07:43 | 生物多様性