管理者へのメール / 管理者のプロフィール


<   2010年 03月 ( 9 )   > この月の画像一覧

 

安物買いの銭失い

 タイトルはよく知られている俚諺であるが、おさらいしておくと「安い物は品質が劣るから結局は金銭を失うに等しい結果になるということ」(広辞苑第五版)である。近ごろのデフレ状態を眺めて、これは経済にも当てはまるなあと、ふと思った。デフレスパイラルって、まさに「安物買いの銭失い状態」に経済が陥っているってことじゃん。消費者が安いものを求めるから、仕入れも、部品や原料も、賃金も安くなっていく。そうするともっと安いものでないと買えなくなる。するとさらにお金が回らなくなっていく(銭を失う)。

 生産性が上がってコストダウンが実現し、価格が安くなるのは健全なことである。しかし生産性の向上を超えて、価格が安くなっていくのは、どこかにしわ寄せが行っているのだ。それは下請企業かも知れないし、労働者かも知れないし、生産者かも知れない。あるいは資源や環境かも知れない。

 一方でバブル時代には「高ければ高いほどいい」という愚かしい消費行動もあった。品質や必要性ではなく、高価格というだけで購入していたのだ。ゆえにバブルだったのだが、これもまた資源や環境、そして人間性の浪費につながった。

 CSRというと企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)のことであるが、もう一つのCSR、すなわち消費者(あるいは市民)の社会的責任(ConsumerあるいはCitizen Social Responsibilityについてもっと真剣に議論し、取り組むべき時ではないだろうか。

 まともな製品や食品を、それなりの対価を支払って購入することもそうだし、クロマグロをはじめとする希少な生物資源を買ったり食べたりするのを控えるのも、消費者の社会的責任の一つだと思う。

 すべては市場にまかせろなんてのは、資源と環境の限界を理解していなかった頃の時代遅れの考えである。本当に賢い消費とは何かを考えないと、もうすぐ、すべてが台無しになってしまう。結局は回り回って自分自身か、あるいは将来の人たちの首を絞めていくのだ。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-27 10:07 | エコエコノミー  

またまた“新しいヒト”発見のニュース

 人類はアフリカで生まれ、世界に広がったことはほぼ通説となっているが、その「出アフリカ」は全部で3回あったといわれている。最初にアフリカを出たのが、ホモ・エレクトスで、これは東アジアでペキネンシス、東南アジアの島嶼部でジャワエンシスに進化した。ヨーロッパの方では、ハイデルベルゲンシスとなった。その後アフリカに残ったエレクトスの一派が再びアフリカを出た。これがネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)に進化した。その後アフリカで現代人(ホモ・サピエンス)の祖先が誕生し、5万年ほど前に3回目の出アフリカを経て、世界中に広がった。その過程で、ペキネンシス、ジャワエンシス、ネアンデルターレンシスは滅んでしまった。ネアンデルターレンシスは3万年ほど前までサピエンスと共存していた。

 ところがフローレス島のフローレシエンシスに続いて、南シベリアでもヒト族の化石が見つかり、骨片から採取されたミトコンドリアDNAを調べたところ、エレクトスから100万年ほど前に別れた系統の未知の種族とわかった。デニソワ人と名付けられたこの化石は3万年〜4万8000年前のもので、サピエンス、ネアンデルターレンシスと共存していたことになる。

 他にも、知られない多様な人類が同時期に生きていたのかも知れない。まだまだ地球はナゾとロマンに満ちている。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-26 08:24 | 森羅万象  

フローレス島のホビットは百万年前から?

 ネイチャー3月17日号に寄稿された記事によれば、2003年にインドネシアのフローレス島で発見されたヒト族(ホモ・フローレシエンシス=フローレス人)は、その後の石器などの発掘調査によって少なくとも百万年前からフローレス島に生息していたと考えられるという。

 身長が1m程度しかなく、頭蓋骨はグレープフルーツ大。その小ささから“ホビット”(トールキンの指輪物語に出てくる小人族)と呼ばれ、人類学上に大きな論議を投げかけたH.フローレシエンシスは、かつてアジアに住んでいたH.エレクトスから別れ、小さな島で隔離されて特殊進化したものだと言われている(島嶼化=大きな生物が島に隔離されるとそれ以外の地域より体が小さくなる現象。逆に小さな生物は大型化する場合もある)。従来は80万年ほど前に島にやってきたとされていたが、このほど発表された論文では、彼らが使用していたと考えられる石器が百万年前の地層から発見されたことで、H.フローレシエンシス(の祖先?)は少なくともその時代からフローレス島にくらしていただろうという。島にかつていたコビトゾウや巨大リクガメが絶滅したのは、H.フローレシエンシスによるものとされていた見解も修正されるべきだとしている。

 H.フローレシエンシスが驚きをもたらしたのは、その小ささだけでなく、発見された人骨がわずか1万8000年前のものだったことだ。つまり、現生人類がすでにアジアにくらしているときに、その片隅の島で彼らはひっそりと生き延びていたことになるからだ。しかし、いかに島嶼化とはいえ、これほど小型化することはあり得ない、病気の個体だったのではないかという意見も根強くある。

 アイヌ民族の伝承にあるコロボックル、北欧のトロールなど、小人族の伝説は各地にある。それはH.フローレシエンシスのような種族との出会いがもたらしたものなのか。もしかするとまだどこかにヒトのいとこたちが生き残っているのではないか? まだまだ地球は不思議に満ちている。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-24 08:57 | 森羅万象  

イワツバメ

 今年も春がやってきたなと思うことはいくつもあるが、サクラの開花以上に実感するのがイワツバメ。多摩川にかかる橋にコロニーがあって、この時期毎年南の国から渡ってくる。よくぞはるばる来てくれたと思う。今朝、今年初めて川の上(かつ橋の下)を集団で飛んでいるのを見た。昨年は3月24日、一昨年は4月2日。その前は3月27日が初見日だった。15年来身の回りの生物季節を記録しているが、1999年以前の記録がないので、多分この橋にコロニーができたのが、1999年かあるいは2000年だったのではないかと思う。ところが数年前橋の架け替え工事が始まって仮橋になり、イワツバメはどうするかと思っていたら、その仮橋の方に巣をかけた。新橋は今年できあがる予定だが、来年はそちらにうまく引っ越しできるだろうか。

 ところで、記録から消えてしまったものもある。ヒバリは自宅周辺で畑が減ったために、ここ何年もさえずりを聴いていない。ツバメもだいぶ数が減って、あやしくなってきた。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-23 07:47 | 花鳥風月  

トキ、テンに襲われて……その後

 佐渡のトキ保護センターの野生馴化ケージ内のトキ9羽がテンに襲われて死亡した事件について。その後の新聞報道などによると、テンはもともと佐渡には生息しておらず、1959年にノウサギ駆除を目的に導入されたものだという。しかし、導入した捕食動物が目的以外の、より補食しやすい獲物を襲うことはままある。伊豆七島の三宅島ではネズミ駆除のためにイタチを導入したところ、島内の固有種のトカゲやアカコッコが食害を受けた。島嶼では上位の捕食動物を欠くことがあり、アカコッコも地上に営巣するほど無警戒だった。

 日本のトキは乱獲で全国から姿を消し、1930年代にはほぼ佐渡島だけに生息するようになった。これには、佐渡にはテンがいなかったことも、少しは関係しているのかも知れない。もちろん、テンが導入されたころにはトキの数は数羽程度になっていたので、テンがトキ絶滅の原因ではない。

 今回のトキは中国産なので、原産地にテンのような野生動物がいるのかどうかも留意点だろう。テンは木登りは得意で、成鳥は襲わないとしても樹上の巣の卵やひなを獲ることはあり得る。首尾よく営巣を始めた2組のペアの営巣木に「テン返し」を設けるなど対策をとるというが、今後野生のトキすべてにそうした対策をとるのか。テン以外にもさまざまな敵はいる。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-22 10:03 | 生物多様性  

暴風のち黄砂

 昨夜の風はすさまじかった。南からの風は日付が変わったころから強くなり始め、うなりながら吹きつけるようになった。家がミシミシと不穏な音を立てるほど。風には強弱のリズムがあって、ふと静かになる時間もあるものだが、明け方近くにはひっきりなしに吹き荒れる。このあたりはあまり風の吹かないところで、台風もたいてい北か南にそれることが多い。かつて経験したことのないほどの風でした。おとなり八王子の観測データでは瞬間最大風速33メートルだった。多分それに近い風が吹いたのだと思う。こんな日に息子は遊びに出たまま帰らないし、結局朝までほとんど眠れなかった。

 ところが、日が昇ってくると嘘のような穏やかさ。同時にどんどん(それこそ見ている間に)空がかすんできた。中国大陸からの春の使者、黄砂だ。暴風をもたらした低気圧が運んできたようだ。20日は中国や韓国で、広範囲にわたって黄砂現象が見られたという。向こうでは黄砂というより砂塵嵐に近い。呼吸器系に疾患を持つ人は、生命にも関わるというから、のんきに「春の風物詩」なんて言っていられない。書いているうちにもっとかすんできた。もう近くの丘陵が見えなくなった。また風も吹き出した。今日も外出は控えた方が良さそうだ。お彼岸参りの皆さんくれぐれもご注意を。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-21 11:30 | 花鳥風月  

マグロのトロ、好きですか?

 「江戸前」というのは、文字通り江戸のすぐ前の海で、そこでとれた魚介類を寿司ネタにしたものを江戸前寿司と言う。東京湾の内海は浅い砂地で干潟が広がり、アナゴ、コハダ、ヒラメ、カレイ、アジ、シャコ、クルマエビ、タコ、アサリ、ハマグリ、バカガイ、それにアサクサノリといったところが江戸前の海の幸の代表であった。ネタはたいてい酢で締めるか、煮て使った。もともと握り寿司は立ち食いのファーストフードだったようで、小さな屋台で食べさせたのが始まりと聞く。その意味では、回転寿司はその伝統の延長にあるわけですな。

 ところで、江戸前の寿司にマグロは欠かせないと思っている人は多いだろう。しかし、マグロは外洋を泳ぐ回遊魚で、江戸前の浅い海ではとれないのだ。日本人がマグロを食べ始めたのは有史以前だが、これほどの量を消費するようになったのはごくごく近年である。1960年代までは国内で漁獲されたマグロの多くが缶詰などにして輸出されていたのだ。ブログ子はトロが苦手で、あんなべったりした脂身をなぜありがたがる人がいるのか理解に苦しむが、そのトロもかつては猫またぎであったと聞く。牛の霜降りもそうだが、生活水準が上がると「脂」が食べたくなるのでしょうか。でも、少なくとも生で食べるものではないな。ともあれ、いまでは世界のクロマグロ(タイセイヨウ+本マグロ)の8割、ミナミマグロのほぼ全量が、日本で消費されているのだそうである。そのうちのタイセイヨウクロマグロが、乱獲により絶滅のおそれがあり、カタールで開催されているワシントン条約の会議(COP15)で、モナコが全面禁輸を提案した。

 ワシントン条約は正式には「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約(CITES)」といい、有名なところではパンダやトラやアジアアロワナなどが附属書に記載され、規制の対象になっているが、国際取引のみを規制していて、種そのものを保全するものではない。附属書はⅠ(全面禁輸、ただし学術研究目的を除く)、Ⅱ(輸出国の輸出許可書が必要)、Ⅲ(輸出国の輸出許可書または原産地証明が必要)という三段階になっている。モナコ案はこのうち最も規制の厳しい附属書Ⅰにタイセイヨウクロマグロを記載しようという提案。ただし取引の規制なので、タイセイヨウクロマグロの漁獲が禁止されるわけではない。しかし、現実にはタイセイヨウクロマグロのほとんどは日本に輸出されているので、日本と日本に輸出することで成り立っている現地のマグロ漁業者や畜養業者には大打撃になる。

 18日の委員会ではモナコ案が否決され、全面禁輸は免れることになった。しかし、この議論はここ数年ずっと続いており、これで一件落着とは行かない。資源の現状認識については、規制に反対する日本と規制推進の国で異なる。日本はまだ絶滅が心配されるような状況ではないという立場だ。このままいくとクジラと同じような状況になりそうだ(実際、日本が調査捕鯨で捕獲しているミンククジラは附属書Ⅰにリストアップされている)。シーシェパードは次はマグロだといっているようだし……。ただ、マグロ類全体では圧倒的にキハダやメバチが多い。こちらはまだしっかりと管理すれば、資源は持続的に使えそうだ。

 「マグロ信仰」はおそらく日本人にとって、ごくごく新しいものだと思われる。自然の恵みを将来の子孫にも楽しんでもらえるよう、1回考え直してみる必要がありませんかね?
[PR]

by greenerworld | 2010-03-19 09:32 | 生物多様性  

トキ9羽死亡、テンに襲われて……

 佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションで、馴化ゲージの中のトキが野生動物に襲われて、9羽が死亡1羽が傷ついたとのニュース。その後の調査で、野生動物はテンだったと判明。テンはイタチ科で肉食もするが猫ぐらいの大きさで、野生ではトキのような大きさの鳥を襲うことはまずないと思われる(傷ついたり、死んだ場合は別)。むしろどちらかというと果実食で、野外のフンを調べるときには果実の種が含まれているかどうかで判断するくらい。この事故でテンが凶暴な動物だと思われては困る。テンは木登りも得意なので、枝で休んでいたトキが驚いて暗闇の中で飛び立ち、天井にぶつかったりして傷ついたのが原因ではないか。野生復帰ステーションの説明には、「天敵回避能力」の訓練も行うとあるが、訓練は実らなかったと言うべきか、間に合わなかったと言うべきか、それとも順化ゲージそのものが仇になったのか……。

 昨年の夏段階で国内の飼育下のトキ(中国起源ですが)の総数は153羽。その後、中国に10羽返還して、1羽死亡したので142羽。今回死んだのが9羽。放鳥したトキが30羽(うち死亡2、行方不明1)。野外ではまだ繁殖できていない。野生復帰への道のりはまだまだ長い。
[PR]

by greenerworld | 2010-03-11 11:50 | 生物多様性  

お笑い つぶやき国会

原口大臣、3日の参院予算委員会遅刻で「ツィッターやってたんじゃないか」ってやじられて、実際やってた。その様子を実況でつぶやく野党議員。てか、おまいら、いい加減にせーよ。国会中にこんなことにうつつを抜かしてていいんか。まるで子ども国会。(140字以内でつぶやいてみました)
[PR]

by greenerworld | 2010-03-04 11:03 | 森羅万象