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世界最大の太陽熱発電所

 太陽熱は太陽熱でもこちらはスケールの大きな話。カリフォルニア州のモハベ砂漠の一角イバンパで、世界最大の太陽熱発電所(CSPプラント)の建設が始まり、10月27日にシュワルツェネッガー州知事も出席して起工式が行われた。

 モハベ砂漠はカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州、アリゾナ州にまたがる広大な砂漠で、イバンパはネバダ州との州境付近にある窪地で、大雨の後にだけ出現するイバンパ湖がある。
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 計画では、3つのプラントが建設される予定で、BrightSouce Energyが建設を手掛ける。同社はイスラエルのネゲブ砂漠に4~6MWのプラントを建設している。イバンパ発電所の合計出力は392MW(39.2万kW)と、これまでに建設された太陽熱発電所のどれよりも大きい。ヘリオスタットと呼ばれる反射鏡が太陽光を反射させてタワーに集光させ、これにより高温を作って蒸気で発電するタワー集光型のシステムだ。ヘリオスタットの数は合計で34万7,000枚にも及び、設置面積は3,500エーカー(約14平方km)と広大だ。2013年に完成予定。

 太陽熱発電は砂漠のような乾燥地帯に向いた技術で、かつて日本でもサンシャイン計画の中で検討されたことがあったが、曇りや雨の多い天候では効率が悪く、採算がとれないことから撤退した。世界的には、アメリカ中西部や環地中海、中東などが適地で、アジア太平洋地帯では、中国内陸部やオーストラリアでの太陽熱発電が期待されている。ただ、砂漠といえども動植物は生息しており、環境へのインパクトがどれほどあるかは未知数だ。

 ちなみにイバンパ近くのマウンテンパスには、かつて世界最大のレアアース鉱山があったが2002年に閉山になった。鉱山は来年、2011年に再開される予定だそうだ。
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by greenerworld | 2010-10-31 16:35 | エネルギー  

太陽熱「仕分け」さる

 昨日のエネルギー特会関連の事業仕分け、ストリーミング中継を見ていなかったので、今日あらためて行政刷新会議のサイトで議事録を読んでみた。まず経産省と環境省の棲み分けのわかりにくさについては、ご指摘の通り。誰にもよくわからない。新エネルギーとなれば経産省だと思うが、省エネは産業政策としては経産省で、環境対策としては環境省。新エネも温暖化対策に結びつけば環境省がやる。元々エネルギー特会は、環境税導入を避けたい経産省が、エネルギー関連税制のグリーン化を持ちかけて、環境省がそれに乗ったかたちで両省の所管となった。経産省は「環境対策として使う分」を環境省に譲り渡した。しかし、彼ら(環境官僚)はこれまでこうしたまとまった事業予算を組んだ経験がないものだから、実に無駄な使い方をしてきたのも確かだ。

 環境省が太陽熱をやっているのも、まあ落ち穂拾いのようなものだ。しかし太陽熱を何とか普及させたいと考えている我が身としては、太陽熱リース事業の仕分け結果(予算計上見送り)には異議がある。太陽光発電はせいぜい10数%のエネルギー変換効率だが、太陽熱は50%ほどになる。給湯(風呂)と暖房合わせると、家庭のエネルギー消費の5割ほどを占めるが、これはせいぜい50℃あればいい低温の熱で、太陽熱のもっとも得意とするところだ。

 これはほとんど国を挙げてといってもいいくらいの勢いで進んでいる「オール電化社会」へのアンチテーゼでもある。90年代半ばの訪販問題などで評価がぼろぼろになったあげく、国もメーカーも予算を太陽光発電にシフト(今太陽光をやっているメーカーのほとんどはかつて太陽熱温水器を売っていた)。そんな中で太陽熱を続けてきた業界は何とか機器やシステムを普及させようと、苦心惨憺してきた。今太陽熱はBL(ベターリビング)認定もあり、品質を始め設置やアフターフォローへの対応も整っている。しかし、市場が縮小してしまった中では規模の効果がなかなか出ず、太陽光の余剰電力高額買取も導入される中で、太陽熱はますます不利な立場に置かれた。リース事業もそうした苦境から出てきたアイデアだ。台数が出ればシステム価格が下がり、補助金なしで離陸できるとの試算があり、その助走を助けるためのまともな事業だったのだ。しかもリース事業はメンテナンス・回収処理がきちんとできる。仕分け会場では環境省側がこれをきちんと説明できたのか。メンテナンス、耐用年数を過ぎた機器の廃棄処理など、かつて太陽熱温水器で問題になったことはこれから太陽光発電で問題になる。そのためにも必要なビジネスモデルだったのだが……。

 ガタガタの民主党政権にとって、事業仕分けは数少ない失地回復の場のようだが、すでに国民の熱は冷め、議員のパフォーマンスとしてもかなりイタい。事業仕分けにも仕分けの必要があるんじゃないの? それとも、オール電化を進めたい電力業界の思惑を受けた仕分けだったのか……。
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by greenerworld | 2010-10-30 10:11 | 環境エネルギー政策  

こんなに寒いのに台風が……

 10月も後半になれば北半球では日照時間も少なくなり海水温も下がるので、台風の発生も少なくなる。ましてや大陸の高気圧の勢力が増してくるので、本州付近に上陸することもまれ。現在北上中の台風14号は、沖縄奄美地方に接近し31日頃には静岡県あたりに上陸しそうな予想コースで、しかもまだ発達中だ。デジタル台風というサイトで調べてみると、1951年以降、10月下旬に似たようなコースをとった台風は、2004年の22号(10月20日消滅)、1967年34号(10月28日消滅) http://bit.ly/9ZM9UY の2つ。ただし、1990年の28号は11月30日に紀伊半島に上陸している。 http://bit.ly/bSfeWY 上陸した台風としてはこれが最も遅いようだ。いずれにしても、珍しいことは間違いない。エルニーニョ→ラニーニャの影響か。先日の豪雨被害に遭った奄美を始め、被害が出ないことを祈ります。
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by greenerworld | 2010-10-28 08:53 | 気候変動  

レアアースと中国の環境問題

 世界のレアアース(希土類元素)生産の実に95%以上が中国に独占されている。中国は戦略物質としてレアアースを政治的に利用している、というのが中国にレアアースを頼っている(日本などの)側の言い分。しかし中国は日中間の尖閣諸島でのトラブルが起こる以前から、レアアースの輸出制限(割当量の削減)を表明していた。理由は環境問題への対処だった。

 レアアースは、17種の元素(スカンジウム、イットリウムと15のランタン族元素)の総称である。代表的なネオジムは、モーターや発電機の小型効率化をもたらす強力な永久磁石を作るのに欠かせない。ハイブリッド車も電気自動車も風力発電機にも、ネオジム磁石が使われている。ディスプロシウムはネオジム磁石に少量加えることで性能を高めるほか、光磁気デバイスなどの材料にも使われる。テルビウムは半導体や光デバイス、高輝度照明などに使われる。ハイテク産業、クリーンエネルギー革命の文字通りキーエレメント(カギとなる元素)がレアアースなのだ。それが中国に独占されているわけで、日本をはじめ西側産業諸国は首根っこを押さえられている。

 だが、実はプロメチウムを除き、レアアースそれぞれの地殻中に含まれる総量はそれほど少ないわけではない。ただしレアアース単体やその化合物鉱石としてとれることはなく、鉱物の中にごくわずかに含有されるだけだ。それゆえ「レア」なのである。

 こうした特性ゆえに、レアアースの採掘・精錬には非常に手間とコストがかかる。取り出される物質に比べて大量の廃棄物が発生するし、精錬には強い酸が使われる。1980年代半ばから中国がシェアを伸ばしてきた理由は、人件費の安さと廃棄物や廃液処理にコストをかけない生産方法にあった。流れ込んだ廃土や廃液は農地を使い物にならなくし、生き物の命や飲み水を奪う。中国のレアアース生産は深刻な環境破壊をもたらしてきた。こうした採掘には違法なものも多いが、合法的な採掘であっても環境対策はおざなりだという。

 中国政府にとって、レアアース資源保護の観点からも、違法採掘対策は急務だ。もちろん政治的な意図もあるのだろうが、輸出制限の背景にこうした違法採掘とそれがもたらす環境破壊があることは確かだ。ただしそれが功を奏するかはわからない。密輸出も後を絶たないと言い、輸出禁止措置も実態は一部骨抜きになっている可能性がある。禁輸による価格高騰は、中国のレアメタルマフィアにとって大きなビジネスチャンスだからだ。

 ハイテク産業、クリーンエネルギー産業が一方でこうしたダーティな採掘・精錬、ダーティなビジネスによって支えられていることは知っておく必要があるだろう。20年後には中国のレアアース資源は掘り尽くされ、後には不毛の大地ばかりが残っているかもしれないのだ。
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by greenerworld | 2010-10-25 21:00 | 環境汚染  

白馬村のあったかごはん

f0030644_9315667.jpg 『白馬村のあったかごはん』というタイトルの、素敵な本をいただいた。季節の食材を使った伝統料理に、少しアレンジも加えた60品のレシピが写真とともに紹介されている。白馬村は北アルプスの山々とスキー場と温泉で有名な長野県北部の村。野菜や穀類、山川の幸に加えて、日本海から運ばれてきた海の幸も食卓に上る。とくに凝ったものではなく素朴な料理ばかり。竹の子汁やナメコ汁にサバ缶を使ったり、ソバも打たずに薄焼きにしたり、手間ひまかけずにできるものも多い。やってみたいと思ったのは「焼きおにぎりのきのこあんかけ」や「みそ切り」という味噌味の小麦粉のお菓子。かぼちゃと小豆の「いとこ煮」は、冬至の定番。“長野名物”煮いかや塩丸いか料理もある。ヘルシーでおいしいおばあちゃんの味を伝えていきたいという思いから、各家庭や宿泊施設に配られたという。白馬村の民宿に泊まって、あったかごはんをじんわりと味わうのも一興かと。定価800円+税

 白馬村観光局 http://www.vill.hakuba.nagano.jp/index2.html
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by greenerworld | 2010-10-22 09:34 | レビュー  

RE電力全量買取へのハードル

 資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会内の買取制度小委員会で、(固定価格による)再生可能エネルギーの全量買取制度について検討が行われている。すでに7月の段階で、発電事業用も含めて実用化されている再生可能エネルギーを全て買い取り対象とすること、基本は全量買取だが住宅用太陽光発電は従来どおり余剰電力のみの買取という大枠が出されており、9月以降は詳細面を具体化しながら委員の意見聴取を行う形で進められている。10月20日の第7回委員会は、買取対象と範囲がテーマ。

 まず買取対象については、「実用化されている再生可能エネルギー」として、太陽光、風力(小型を含む)、3万kW以下の中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電(他用途での利用に著しい影響のないもの)としたうえで、実証段階にあるものは当面対象としないという考えが示された。洋上風力発電も日本ではいまだ実証段階にあることから、対象から外された。ヨーロッパではすでに普及段階で技術的にも確立されているが、日本では本格的な洋上風力は現在茨城県沖で実証機の設置が計画されているのみ。海洋温度差発電、潮力発電、色素増感型セルによる太陽光発電も対象外。これらは研究開発や実証の支援に重点を置くという。

 住宅用太陽光発電については、現状どおり余剰電力のみの買い取りの方向で、これは省エネインセンティブに配慮したという理由になっている。つまり太陽光発電を設置した家庭は余剰分をより多く売ろうとして節電に努めるという訳だが、全量買取にしたら節電しないという理屈はない。結局は車と同様に耐久消費財として売られている現状、システムが混在して複雑になること、への配慮(誰に対する?)が働いたのだろうか。固定価格買取制度はそもそも再生可能エネルギー発電を「事業として」成り立たせ、導入を促進するためのもの。ブログ子は、個人の住宅の屋根にのっていようとも太陽光発電システムは地域のエネルギーインフラと考える。本来はすっきりと全量買取に一本化すべきだろう。それに黙っていても、「屋根借り」による発電事業を始めようとするものが出てくるだろう。発電事業と個人の設置をどこで線引きするのか。

 小型風力は、買取対象に含まれる方向だが、太陽光と組み合わせた場合、エネファームとの併用同様、“ダブル発電”として現状のように冷遇されることになるのかは、まだ不透明。

 木質バイオマス発電も課題が多い。資源エネルギー庁側でも、製紙や製材などのマテリアル用途と競合しない、森林や生態系の破壊にならない収集・運搬、実質的にCO2の削減になる、などの前提を示しているが、それをどう担保するのか。製紙チップなどでも、海外で違法伐採や大規模森林破壊につながる伐採起源の原料の排除ができていない。違法伐採起源のチップをどう見分けるのか。森林認証のようなしくみを作ったとしても、その検証は難しく、きちんとやればやるほどコストがかかる。まさかICチップを埋め込むわけにもいくまい。当面は、搬出されていない林地残材や切り捨て間伐材に限定することになりそうだが、それでも厳密な「監査」が必要になろう。

 木質バイオマスでもう一つ気になったのは、発電効率の議論がないことだ。木質バイオマス発電は小規模であること、高温蒸気を作るのが難しいことから発電効率が低い。せいぜい20%台の前半がいいところではないか。発電効率に一定の制限を設けないと、せっかくの再生可能資源をむだに使うことになる。むしろ熱と電気のコジェネレーションを条件にすべきだと思う。熱利用が主で、総合効率が7〜8割あれば、発電効率をうるさくいう必要はない。木質バイオマスは本来、低〜中温の熱利用に向いた燃料なのだ。
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by greenerworld | 2010-10-21 09:37 | 未分類  

猛暑とナラ枯れとクマの出没

 自然環境の保全活動をされているUさんから、ナラ枯れ病の蔓延とクマ(ニホンツキノワグマ)の出没が関係あるのではというメールをいただいた。ニュースになっているのは全て日本海側で、ナラ枯れの被害が広がっている地域だからだ。今年は夏の猛暑と干ばつもあり、その影響にナラ枯れも重なって、これらの地域で山にクマの食料となるドングリや栗、ブナなどの実が少なくなっていることは十分に考えられる。話は変わるが、庭の紺菊は例年だと9月下旬に花を咲かせるが、今年はまだ咲かない。夏に下葉が枯れ、花芽の形成が遅れたようだ。ここへ来てようやくつぼみがついたが、枯れた葉の後から伸びた葉は小さく全体に弱々しい。植物には今年の暑さは相当にストレスになったはずで、それは野生動物にとっても同様にちがいない。

 クマの出没による被害ばかりが問題になるが、クマも生き延びて子孫を残すために必至なのだ。このような年には十分に栄養をとることができず、越冬や翌年の繁殖に影響が出る。クマは秋に大量の餌をとって脂肪を体内に蓄え、絶食状態で冬眠する。出産も越冬中に行うが、栄養状態が悪いメスは出産できない。ニホンツキノワグマの生息数は数千頭とされるが正確な統計はない。九州ではすでに絶滅したし、四国・中国地方・紀伊半島などでは、絶滅のおそれが高い。全体でもいつ絶滅危惧種になってもおかしくない状況にある。

 それにしても、COP10に合わせたようなクマの出没騒ぎ。オレたちにもひと言いわせろ! とアピールしているかのような……。
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by greenerworld | 2010-10-20 08:39 | 生物多様性  

ツートンカラーのダンゴムシ

 庭のキジバトは親鳥がヒナに飛翔のしつけ。巣から少し離れたところにとまったままグルルルルと呼ぶ。ヒナはピイピイと鳴いて応えるが親はやってこない。そのままでは餌がもらえない。意を決して飛び立つヒナ。と親鳥は無情にも飛び立つ。少し離れたところでまたヒナを呼ぶ。さっきより距離がある。ヒナはまた飛ぶ。そんなことを数回繰り返してようやく餌をもらえた。巣立ちへのトレーニングなんですねえ。

f0030644_19453516.jpg さて、標題。黒と灰青色のツートンカラーのオカダンゴムシが見つかった。本邦初めて? 突然変異? どうもダンゴムシは体の前部と後部半分ずつ脱皮するようで、この個体は半分だけ脱皮した状態のようです。
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by greenerworld | 2010-10-16 20:01 | 花鳥風月  

2030年、世界の電力の22%が風力発電から

 世界風力エネルギー協議会(GWEC)が、12日に発表したレポート「Global Wind Energy Outlook(GWEO)2010」によれば、最大ケースで2020年には世界の電力供給の12%、2030年に22%を風力発電がまかなうことになるという。2020年までに累計1,000GW(ギガワット、ギガは10億)の風力発電設置が見込まれると予測、さらに2030年には同じく最大ケースで2,340GWに達し、累計で340億トンのCO2排出を回避するとしている。

 2009年にはすでに世界で60万人以上が風力関連産業で雇用されており、30分に1基の風車が製造されているそうだ。2030年には市場規模が3倍になり、雇用者は最大ケースで300万人に達するという。2030年までに設置される風力発電設備の半分は、中国などの新興経済国、発展途上国になる。すでに中国は世界一の風力発電生産・設置国である。この分野でも中国の存在感は高まっている。
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by greenerworld | 2010-10-13 10:35 | エネルギー  

親を待つヒナ

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 日中は巣を離れて枝先にいるようになった。親が来たときだけ、小さな低い声でグルルル・・・ピイピイと鳴く(グルルルと鳴いているのは親鳥の方でした)。それにしても、田舎では「山鳩」と呼ばれて、子どものころは林の近くで遊んでいて「デデポッポー」という声を聞くと、どこか不気味に感じたものだ。東京に来たら町の真ん中で鳴いているのでびっくりした。
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by greenerworld | 2010-10-12 08:24 | 花鳥風月