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昭和シェル石油のCIS太陽電池

 10月4日、PV-net神奈川県央の主催で行われた、愛川町にある昭和シェル石油中央研究所のCIS太陽電池見学会に参加した。昭和シェル石油ではNEDO委託事業として過去10年以上にわたってCIS太陽電池の研究開発を進めてきた。

 CISとは、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)の略。CIS太陽電池はこれらを数ミクロン程度の厚さに結晶化させたもので、薄膜系太陽電池の一つ。インジウムの一部をガリウム(Ga)、セレンの一部をイオウ(S)で置き換えることから、CIGSやCIGSSなどとも呼ばれる。結晶シリコン太陽電池は、シリコン結晶をインゴットにし、スライスし、表面処理し、電極を取り付け、モジュール化するなどの工程がある。これに対してCIS太陽電池は、モジュール基盤上に直接セルを形成させていくため、一貫した短い工程で生産できるという特長がある。しかも使用する資源量がきわめて小さく、投入エネルギー量も少なくてすむという。将来的には価格の低下が期待できるわけだ。モジュール面積に対する発電効率は、現状では多結晶シリコン太陽電池より若干低いが、研究レベルではセルで20%ほどの発電効率が得られている。

 宮崎県の田野町に量産工場を建設中で、年内には完成予定だ。来年早々からいよいよ生産に入る。当初は年産20MWの予定だという。CISビジネスは同社の子会社昭和シェルソーラーが担当する。

 研究所内は非公開とのことで、残念ながら写真は撮ることはできなかった。黒いつや消し風のCIS太陽電池の外観をご覧いただけないのが残念だが、来週幕張メッセで行われる「再生可能エネルギー2006」に出展するそうなので、そこで見ることができるだろう。

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# by greenerworld | 2006-10-05 09:28 | エネルギー  

エネルギー自給自足のコンセプトカー

 フランスのスポーツカーメーカーVenturi社が発表した電気自動車 "Eclectic"(http://www.venturi.fr/IMG/diapo/eclectic/diapo_image3_dl.jpg)は、家庭のコンセントからニッケル水素バッテリーにフル充電すれば、時速50kmで50kmの距離を走ることができるという。通勤、買い物などの用途には十分だ。

 それだけでなく屋根には2.5㎡の太陽電池がのり、マイクロ風車も備えている。初めての「エネルギー自立車」が売り物だ。もちろんこれらの電源で発電しながら走ることはできない。あくまで駐車中に充電を補うということになる。

 テレビ番組「ザ!鉄腕!ダッシュ!」でTOKIOが日本一周に挑んでいるソーラーカー「だん吉」のおかげで、ソーラーカーや電気自動車に対する関心は高まっているようだが、おそらくほとんどの視聴者は、だん吉が太陽電池で走っていると勘違いしていると思う(制作側は意図的にそのような演出をしているようだ)。いかに軽自動車とはいえ、たぶん出力500Wはないだろう太陽電池で直接走らせることはできない。だん吉も大量に積み込んだバッテリーに蓄えた電気で走っているのである。太陽電池からの電気の寄与はほんのわずかなはずだ。

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# by greenerworld | 2006-10-03 08:46 | エネルギー  

カボチャだと思ったら……

f0030644_042171.jpg 庭の隅にある一坪農園にはいろいろなものが生えてくる。生ゴミを埋めているので、中に混じっている野菜や果物の種が芽生えるのだ。瓜の芽がいくつか出てきて、そのうちの一本を残して育ててみた。どうやらカボチャらしい。

 何しろ、生ゴミに落ち葉、薪ストーブの灰と栄養がいいのでどんどん伸びて菊や青じそに巻き付き、フェンスや植え込みに絡んで、夏には黄色い大きな花が咲くようになった。しかし、みんな雄花ばかりで、実のなる雌花がつかない。葉が枯れかけた青じそを片付けたら、その向こうになにやら毛むくじゃらの変な実が……。トウガンだったのだ。確かに、カボチャにしては大きな花だなと思っていた。

 トウガンは家族みな好きなので、何とか大きく実ってほしいのだが、今この状態では、どこまで育つものか。文字通り冬の瓜になりそう。

 後ろに見えている葉は、むかごから育てているヤマイモ。こちらの収穫は数年後になるだろう。

 ところで、トウガンをカレーに入れるととてもおいしい。コツはトウガンを別にゆでておいて食べるまえにカレーにからめること。その方がトウガンの風味が残る。一度お試しを。

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# by greenerworld | 2006-10-02 23:59 | スローフード  

モズの高鳴きと困ったこと

 このところ、庭の木にモズが来て高鳴きをしている。勝手にキーちゃんと名付けているが、別になついているわけではない(モズの高鳴きは秋の象徴のようだが、実は夏頃から鳴いているんです)。今朝、明け方に、ガラス窓にドシン! とぶつかる音が2度、3度。どうしたのかと思ったら、キーちゃんがベランダから木の枝に飛び移るのが見えた。

 キーちゃんがいつも留まっている枝は、ちょうど2階の窓の高さ(太陽電池が陰になるといけないので、伸びすぎないように切っている)。室内が暗いので、窓に自分の姿が映る。それを縄張りを荒らしに来た別のモズだと思うらしい。そこで、突進して追い払おうとするわけだ。ところが、向こうも自分に向かって突進してくる、挙げ句の果てに正面衝突して……。枝に戻るとヤツがまたこちらを見ている。キーちゃんには訳がわからないことだろう。

 明け方に起こされるのは迷惑だし、キーちゃんが脳震盪を起こしても気の毒だ。今夜からは雨戸を閉めておくことにしよう。

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# by greenerworld | 2006-09-30 08:43 | 花鳥風月  

バイオエタノールメーカーの株価を決めるのは原油相場?

 8月はじめに75ドル/バレルを超えていたNYMEXの原油先物価格が、9月中旬には60ドル前後にまで下がった。これに歩調を合わせて、ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)などのバイオエタノール銘柄が下げている。ADM(NYSE)は穀物メジャーだが、エタノール製造でも最大手。年初からほぼ一本調子で上げていたADMは、一時45ドルをつけていたが、8月半ばからじりじりと値を下げ、38ドル前後に。ビル・ゲイツが株式の25%を取得したことで話題になったパシフィックエタノール(Nasdaq)は、もともと上げ方がバブルに近かった。5月にいったん40ドルを突破したが、その後調整的に下げて、20ドル前後をいったり来たり。しかし8月後半からはまた一段の下げに向かい、26日終値は13.97ドルになってしまった。

 エタノールの価格も、エタノールメーカーの株価も原油相場次第という訳だ。今年は予想に反してハリケーン被害も今のところほとんどなく、石油製品の在庫状況にも余裕がある。石油に投資していた年金などの資金は、この状況を見ていったん利益を確定させたのだろう。しかし、年末にかけてOPECが減産に踏み切る可能性があるし、反米発言を繰り返す産油国であるヴェネズエラのチャベス大統領の動きも気になる。今後も原油価格上昇圧力が消えることはなさそうだ。

 8月の上昇のように送油パイプラインの事故(あるいはテロ)でもあったり、中東に事が起これば、エタノールメーカーの株は「買い」というところか。サトウキビやトウモロコシの出来不出来もエタノールメーカーの株価に影響を与えることになりそうだ。ブラジルのサトウキビが不作で、アメリカのトウモロコシが豊作だったら「買い」なのだろうか。

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# by greenerworld | 2006-09-27 22:31 | エネルギー  

環境省がつくば市に交付金返還命令!?

 茨城県つくば市で、環境省の「平成のまほろば」事業を使って設置した小型風車がほとんど発電せず、事業が破綻してしまった。そこで、環境省がつくば市に対して交付金の返還を求めることを決めたという。

 再生可能エネルギーを少しでもかじっている人間には常識だが、風のエネルギーは風速の3乗に比例する。
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 つまり、風が強ければ強いほど、発電には有利である(ただしあまり強いと風車が壊れてしまう)。逆に風速がそれほどない場合、例え発電したとしても、その量はわずかだ。風車は回っていれば発電していると思っている人も多いし、少しの風でも発電することを売り物にしている小型風車もあるが、発電したとしてもごくわずかなものなのだ。上の図はある1000kW風車のパンフレットからとった発電特性を示すグラフ。X軸は風速、Y軸は発電出力である。図では風速12m/秒でようやくフルに発電する(それ以上は発電しないように設定してある)。風速9m/秒ではその5割程度、6m/秒では1割程度しか発電しない。発電量がいかに風速に依存しているかわかると思う。小型風車ではもう少し低速時の発電効率を上げるように設計していると思うが、それでも弱風でたくさん発電させることはできない。

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# by greenerworld | 2006-09-26 13:04 | エネルギー  

再生可能エネルギー政策で日本は世界の仲間はずれ

 再生可能エネルギー(自然エネルギー)は、化石エネルギーや原子力エネルギーのような既存エネルギーに対して割高である。もちろん、これは既存エネルギーの資源確保のために投入される資金、電源立地対策や廃棄物・廃炉処理といったコストが含まれていないので、再生可能エネルギー側にとっては不公平きわまりない計算根拠なのだが、現実にその「割高さ」(あるいは既存エネルギーの不当な安さ?)が理由となって普及が進まない。とくに導入初期においてはなおさらだ。

 それを補う政策がいくつかある。一つは環境を汚染する既存エネルギーに対してペナルティ的な税を課すこと。これは環境税や炭素税という呼ばれ方をする。ヨーロッパではほとんどの国が導入しているが、日本では経済界や経済産業省が反対しており、実現していない。逆に再生可能エネルギーの方はエネルギー税を優遇するという方法もある。

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# by greenerworld | 2006-09-25 09:02 | 環境エネルギー政策  

スウェーデンの政権交代

 9月17日に投票が行われたスウェーデン総選挙で、社会民主党のパーション首相率いる与党が敗北。5月にバイオエネルギー会議で訪れ、パーション首相の記者会見にも出席したので注目していたのだが、12年ぶりの政権交代が行われる見通しとなった。

 開票結果により配分された議員数を見ると、穏健党(保守党)を中心とする中道右派連合が178、社会民主党を中心とする与党連合が171と僅差。同国では社民党が政権についている期間が歴史的にも圧倒的に長く、前回の政権交代からも12年、パーション氏はすでに10年も首相を務めてきた。国民の長期政権に対するマンネリ感もあったのかもしれない。41歳と若い穏健党のラインフェルト党首が次期首相に選ばれると見られている。

 新政権になり、肝心の環境エネルギー政策はどう変化するのか気になるところ。既報のように、パーション首相は「石油依存からの脱却」を掲げ、6月にその方向性がまとまったばかりだ。ただ、レーナ・リンダルさんの「Sustainable Sweden」レポートによれば、脱原発政策については新政権になっても4年間はほぼ現状維持で、政策が大きく変わる可能性があるのは、2010年の総選挙後とのことである。その他のエネルギー政策について明らかになるのは、新政権誕生後になりそうだ。

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# by greenerworld | 2006-09-23 10:05 | 環境エネルギー政策  

夏から秋へ─ツバメシジミ

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 オギの葉上でツバメシジミが交尾していた。そのそばのメドハギに産卵するメスも。
 季節は夏から冬。卵からかえった幼虫は冬を越し新しい春を迎えるのだろう。こうして生命は次世代に受け渡されていく。
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# by greenerworld | 2006-09-21 08:27 | 花鳥風月  

シリコンバレー勢の参入で塗り変わるか太陽電池の業界地図

 英科学誌“NATURE”9月7日号に、シリコンバレーのPV(太陽電池)ベンチャーの記事が掲載されている。現在生産され販売されている太陽電池はシリコンを原料としたものが主流。しかし、シリコンバレーにありながらこれらのベンチャーが手がけるのは、一般的なシリコン太陽電池ではない。CIGSと呼ばれる化合物薄膜太陽電池である。

 シリコン太陽電池のほとんどは、シリコンを結晶化させてスライスして作る単結晶・多結晶タイプ(一部非結晶=アモルファスもある)。もともとは半導体産業で使われるシリコンの「格落ち品」を使ってきた。しかし、2000年以降太陽電池の需要が急増、現在原料となるシリコンが逼迫しており、ここ数年はドイツを中心にヨーロッパでの需要の高まりもあって太陽電池の価格は上昇気味である。生産量世界一を続けるシャープを始め、国内PVメーカーも原料の確保に必死だ。

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# by greenerworld | 2006-09-18 10:20 | エネルギー