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シリコンバレー勢の参入で塗り変わるか太陽電池の業界地図

 英科学誌“NATURE”9月7日号に、シリコンバレーのPV(太陽電池)ベンチャーの記事が掲載されている。現在生産され販売されている太陽電池はシリコンを原料としたものが主流。しかし、シリコンバレーにありながらこれらのベンチャーが手がけるのは、一般的なシリコン太陽電池ではない。CIGSと呼ばれる化合物薄膜太陽電池である。

 シリコン太陽電池のほとんどは、シリコンを結晶化させてスライスして作る単結晶・多結晶タイプ(一部非結晶=アモルファスもある)。もともとは半導体産業で使われるシリコンの「格落ち品」を使ってきた。しかし、2000年以降太陽電池の需要が急増、現在原料となるシリコンが逼迫しており、ここ数年はドイツを中心にヨーロッパでの需要の高まりもあって太陽電池の価格は上昇気味である。生産量世界一を続けるシャープを始め、国内PVメーカーも原料の確保に必死だ。

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# by greenerworld | 2006-09-18 10:20 | エネルギー  

[Book]『ゴールデンスレッド』─太陽エネルギーに取り組んだ先達たち

f0030644_11321536.jpg ソーラーシステム研究所の蒲谷主幹から『ゴールデンスレッド ソーラーエネルギー2500年の歴史と実証』(K.ブティ+J.パーリン、技報堂出版)という本をいただいた。1985年に技報堂出版から翻訳が刊行されたもので、原著は1980年に出ている。新刊ではなくて旧刊であるが、アマゾン.コムで検索したらまだ絶版にはなっていないようだ。

 一口で言えば、人間がいかに太陽エネルギーとつきあい利用しようとしてきたか、その歴史をまとめた本だ。ゴールデンスレッド(金色の糸)とは太陽光線のことをいうのだろう。

 太陽(おひさま)の暖かさは、古代からもちろん認識されてきたに違いない。いってみれば日だまりや日なた水のぬくもりを、上手に生活に取り入れることは東西広く行われてきたことだ。しかし、産業革命以降はそうしたパッシブ(受動的)な利用にとどまらず、太陽エネルギーを直接利用する技術に取り組んできた人々がいる。

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# by greenerworld | 2006-09-17 11:36 | レビュー  

原発1基分を節電できるLEDナツメ球

 以前から気になっていたのが、室内照明器具についている小さい電球。「ナツメ球」というらしいが、どこの家庭でも寝る時にはメインの照明を消して、ナツメ球を点灯していることが多いと思う。眠っている間のことだから、結局灯りとしての役には立たないのだが、夜中に目覚めた時の安心感からだろうか。

 ただ、このナツメ球はあくまで白熱電球であって、小さいながらも消費電力は5Wもある。電球型蛍光灯なら8Wもあれば十分に部屋全体を照らすことができる。このナツメ球を、目をつぶっている間に点灯し続けているのはいかにももったいないと思っていたのだ。
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 数年前、秋葉原で発光ダイオード(LED)を使った口金サイズE12(ナツメ球と同じ、ちなみに口金サイズを表すEはエジソンの名前から来ています)の小型電球を見つけたが、価格は2000円ぐらいした。いくらLEDは効率が高いといっても、通常100円程度で買えるナツメ球に2000円も出す消費者はまずいないだろうと思った。

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# by greenerworld | 2006-09-12 14:32 | エネルギー  

荒井沢緑栄塾 楽農とんぼの会 10周年

 「荒井沢緑栄塾 楽農とんぼの会」という長い名前の会がある。横浜市の南部栄区と鎌倉市境に位置する荒井沢地区の緑地・里山の保全に汗を流す人たちの集まりだ。この「緑栄塾」の活動が10年を超え、記念誌ができあがった。

 もともとは栄区の里山再生事業として始まった市民活動と、当時地区内の畑で行われていた体験農業活動事業とがドッキングして、誕生した。

 荒井沢緑地は三浦半島に連なる要素を持つ丘陵で、高度成長期、高速道路や新幹線建設のために砂採りをした跡がグランドキャニオンのように残る特異な景観。谷戸と丘陵地の畑、それらを取り囲む樹林地は、かつての里山の姿を今に伝える。緑栄塾はこの丘陵地の畑で、麦、そば、芋、野菜などの耕作(援農)を行い、周辺の緑地や農道の管理のお手伝いもしている。

 当初は、周辺の農家から、休みの日だけ好きでやってくる勤め人の道楽と思われていたフシもある。実際に雑草を茂らせてしまい苦情が来たことも。今は、逆に周辺の畑の草取りや管理の依頼を受けることもあるというほど。

 実は立ち上げの数年間この事業に関わったことがあり、今も名前だけ(本当に名前だけ)のアドバイザーとなっているのだが、記念誌を読みこの間の会員の皆さんの成長ぶり、活動の広がりに驚いた。農を楽しむだけでなく、それを伝えること、さらに地域との交流、福祉活動など、私などとても及ばない域にとうに達しているのだが、それでも少し誇らしい。

 農地としてだけではなく里山の環境と景観と技術を、都市住民がどのように守るか。そのために、市民農園ではなく共同作業という方式を取り入れた。作物もかつて里山で栽培されていた穀類と野菜を中心にした。周辺整備も含め循環という里山の機能を生かし、伝統的な技術にこだわった。もちろん、地域のルール、農作業のマナーを尊重した。それらを会員の皆さんが理解し消化して、身につけた。

 そのおかげで新しくも懐かしいスタイルが完成したのだと思う。これからも楽しい汗を流してください。

 荒井沢緑栄塾楽農とんぼの会:www11.ocn.ne.jp/~araisawa

 本日のモーツァルト的気分:Rondo in C minor KV 373

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# by greenerworld | 2006-09-03 10:24 | スローフード  

美麻の蕎麦

 8月31日、久しぶりに「山品」にそばをたぐりに寄った。大町市美麻(旧美麻村)の新行地区にあるそば屋さんだ。この時期は新そばの取れる直前でタイミングは悪いが、つなぎなしの十割そばとつなぎを使った盛りそばを堪能。回りのそば畑は白い花が満開だったが、あいにくカメラを持って行かなかった。
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 ここで藍の絞り染めのエコバッグを売っていた。大町市の「すずらん作業所」に通う障害者たちがつくったものだという。なかなか良い風合いで、一つ買い求めコレクションに加えた。

 新行地区のそば屋や民宿で新そばが楽しめるそばまつりは10月10日からだそうだ。収穫までに台風が来ませんように。

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# by greenerworld | 2006-09-01 17:34 | スローフード  

カリフォルニア州の温暖化対策法

 アーノルド・シュワルツェネッガー知事は、共和党でブッシュ大統領とも親しいが、温暖化対策には熱心なようだ。ブッシュ政権下のアメリカは京都議定書から離脱し、同議定書に掲げた削減義務を放棄して、経済成長の範囲内で削減するという後ろ向きの対策を発表しているが、シュワ知事はブッシュ大統領に温暖化対策でリーダーシップを取るよう進言してもいる。

 8月31日カリフォルニア州議会は、「温暖化対策法(GWSA)」を成立させた。内容は、2020年までに州内の現行の温室効果ガス排出量から25%を削減し、1990年レベルまで低下させるというものだ。発電会社など大規模な事業者には排出量の上限を設定し、報告を義務づける。

 当初京都議定書に定められたアメリカの削減目標よりも低く、目標年度も先送りされているとはいえ、アメリカの州としては、先進的な内容であるといえる。

 今回多数派を占める民主党が温暖化対策法を成立させたが、知事もこれに賛同している。

 7月には、州内でエタノール生産を計画しているベンチャー、パシフィックエタノール(ナスダック:PEIX)のマデラ工場をシュワ知事が訪れている。カリフォルニアはエタノールの消費が全米1なのにも関わらず、生産はわずか5%にとどまっている。州は、この比率を2010年までに20%、2020年までに40%に高める政令を6月に発表している。

 これらの政策は、再選をめざすシュワ知事の選挙向けの花火であるかもしれないが、影響はけっして小さくないはずだ。カリフォルニアは、世界第8位の経済圏であり、世界で12番目の温室効果ガス排出地域だ。

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# by greenerworld | 2006-09-01 12:26 | 環境エネルギー政策  

温暖化と森林火災のスパイラル現象

 地球温暖化、気候変動というと日本では豪雨による水害や台風の大型化が話題になるが、ヨーロッパや北米では干ばつや山火事が大きな関心を呼んでいる。2003年の夏にはスペインやポルトガル、フランスなどで山火事が相次ぎ、今年もスペインやカリフォルニア州などで山火事のニュースが伝えられた。夏にモンスーンの影響を受ける日本と違い、大陸の内陸部や西側では気温が上がれば湿度が下がる。落雷や失火、放火による山火事の危険が高まる。

 英国ブリストル大学の研究者たちが予測したところによれば、人類が二酸化炭素の放出をストップさせた場合でも、世界各地で森林が消失する(2℃以下の気温上昇で30%の可能性、3℃以上の気温上昇なら60%以上の可能性)。半乾燥地帯では森林火災が起こりやすくなり、陸水の減少、干ばつが西アフリカ、南ヨーロッパ、米国東部で起こりやすく、逆に北緯50度付近、熱帯アフリカ、南米北西部では森林が失われることで洪水の危険性も高まるという。

 気温が3℃以上上昇した場合、陸上の炭素シンクが蓄積された炭素を放出し、大気中の二酸化炭素濃度を上昇させる「正のフィードバック」が始まるという。つまり温暖化にはずみがつくことになる。

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# by greenerworld | 2006-08-21 10:55 | 気候変動  

[Book]『藻類30億年の自然史』─地球史を藻類を中心に扱った労作

f0030644_10173148.jpg 夏はベーシックな本を読みたいと思って、いつか読もうと買ったままにして置いた本を何冊か並行して読んでいる。その中の一冊『藻類30億年の自然史 藻類からみる生物進化』(井上勲著、東海大学出版会、2006)は、厚さと重さ(笑)、扱う時間スケール、参考文献の数等々、文字通り労作である。いや、もちろん内容も面白いし、専門書らしからぬ読みやすさでもある。

 地球はさまざまな生命の暮らす星である。その地球を生命の星たらしめた最大の立役者が、ちっぽけな、あるいは目立たぬ(中にはジャイアントケルプのような大いに目立つ海藻もあるが)藻類だった。

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# by greenerworld | 2006-08-18 10:19 | レビュー  

[Book]'Beyond Oil'─石油生産は減少局面を迎えたのか?

f0030644_13562691.jpg ピークオイル仮説というのは、石油地質学者のM.K.ハバートが提唱した理論に基づいている。大まかに言うと、石油の生産量は、その埋蔵量の半分を掘り出したところで、ピークを迎え、後は次第に減少するというものだ。産出量を縦軸に、時間(年あるいは日)を横軸にしてグラフにプロットすると、ベル型の正規曲線を描くというのである。

 この考えに基づき、ハバートは1956年にアメリカの石油生産量のピークが1970年代初頭に訪れ、その後減少すると発表した。その当時、アメリカは世界一の石油生産国であり、多くの専門家や企業家はその考えを認めなかった。しかし、その後ハバートの予言通り、アメリカの石油生産量は1970年に最大となった後、二度とその生産量を超えることがなく、曲線をなぞるように減少を続けている。1969年、ハバートは同様に世界の石油生産についてもそのピークを予測した。それによれば、地球全体の石油埋蔵量が2.1兆バレルであるとした場合、2000年頃ピークを迎えるというものだ。これをハバート・ピーク(Hubbert's Peak)と呼ぶ。

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# by greenerworld | 2006-08-16 13:59 | レビュー  

将来の夏の先取り

 梅雨明けが遅くなり、その後も夏らしくないすっきりしない天気が続いている。昨日は雷や雹(ひょう)を伴った豪雨が各地を襲い、落雷による被害があった。

 先週は台風が太平洋上に3つも並んでびっくりしたが、気圧配置もいつもの夏らしくない。例年梅雨明け後はしばらく太平洋高気圧の勢力範囲に収まり、安定した天候になる。小笠原高気圧とも呼ばれるように、日本の南に勢力の中心があるのだが、今年は高気圧の中心が日本列島から朝鮮半島のあたりにあって、高圧帯が北に偏っている。その分、熱帯低気圧の発生する場所も北寄りになっている。通常は高気圧に覆われている日本の南海上で、次々雲の固まりがまとまっているのだ。

 地球シミュレーターによる気候変動モデルでは、今世紀後半に温帯域で台風やハリケーンが発生するようになる可能性があるとされている。また、日本の梅雨が長引くようになり雨量も増加するという予測もある。

 その意味では、ヨーロッパの猛暑や干ばつと合わせて、この夏は将来の夏の先取りだと言えるのかもしれない。それとも、すでに地球は「予測」の世界に突入しつつあるのだろうか。

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# by greenerworld | 2006-08-13 11:25 | 気候変動