[新刊案内]二宮金次郎とはなんだったのか 臣民の手本から民主主義者へ
2018年 05月 21日
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「報徳」で知られた二宮金次郎は、小田原・栢山村の貧
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# by greenerworld | 2018-05-21 16:29 | レビュー
2018年 05月 21日
# by greenerworld | 2018-05-21 16:29 | レビュー
2017年 12月 26日
葉を落としたはずの落葉樹の枝先や幹に、冬になっても青あおとした葉や枝のかたまりが目につくことがある。その名をヤドリギ(宿り木)とはよく付けたもので、ランやシダの仲間によく見られる着生植物とは異なり、根を宿主ホストの組織内に食い込ませて、水分や無機栄養分を奪い取る寄生植物だ。ただし、エネルギーは自ら光合成を行ってつくりだすので、正確には半寄生植物(hemiparasitic plant)という。
単にヤドリギというと学名Viscum album album(和名:オウシュウヤドリギ)の亜種V. a. coloratumを指す。常緑で、ケヤキやエノキなど落葉広葉樹の枝や幹に着いてこんもりとした形状をなすため、冬になると遠目からも目立つ。一方、広義のヤドリギ類として、オオバヤドリギ、ヒノキバヤドリギなどが国内で見られる。全てビャクダン目に属する半寄生植物である。
ヤドリギのことを英語でミスルトウ(mistletoe)というが、これはアングロ=サクソン系の古語で「異なる枝」を意味する。ホストが葉を落とす秋から冬にかけてその存在がよく目を引くのは、時代と洋の東西を問わない(ただしヨーロッパのヤドリギには常緑の針葉樹をホストとする亜種もある)。
古代ケルト社会では、冬至後最初の新月を過ぎて6日目に、祭司であるドルイドが神聖なオークの木についたヤドリギを黄金の鎌で切り落として、人びとに分け与えた。このとき決してヤドリギを地面に落としてはならないとされていたのは、その聖なる力が失われるからである。ヤドリギは魔除けとしてそれぞれの戸口に掲げられた。ヤドリギにつく白い実の粘り気のある汁は神の精液と考えられており、ヤドリギは豊饒と多産の象徴でもあった。同時にさまざまな病気を癒す万能薬であり、性欲を高める媚薬としても用いられた。
北欧神話に登場する美しき太陽神バルドルは、悪神ロキに騙された弟のヘズに、ヤドリギの毒矢で射ぬかれて死んでしまう。息子の死を嘆き悲しんだ愛と美の女神フリッガが流した涙はヤドリギの実に変わり、バルドルも息を吹き返す。それ以来ヤドリギは愛の象徴とされ、その下を通る者にはキスを与えなければならないと定められた。
ケルトの風習や北欧の伝承がのちにやってきたキリスト教の聖誕祭=クリスマスと融合した。欧米ではではクリスマスにヤドリギのリースが飾られる。そしてその下に立った者はキスを拒んではならないというしきたりがある。
オーストリア出身の思想家・教育者ルドルフ・シュタイナーが考案した「人智医学」では、ヤドリギの抽出液が癌治療に用いられる。中国医療では乾燥させたヤドリギを生薬として用いることがある。また最近の研究によると、ヤドリギの成分が肥満性の脂肪肝の脂肪代謝を促す作用があるという。ただしヤドリギはビスコトキシンやレクチンといった有毒成分を含んでおり、実を食べて腹痛や下痢を起こすこともあるようだ。厚生労働省のサイト「健康食品の素材情報データベース」には、ヤドリギについて「ヒトにおける有効性や安全性については、調べた文献に信頼できる十分なデータは見当たらない」とある。
北海道アイヌの人たちの間でヤドリギはニハルと呼ばれ、食用や薬用に使われることがあったという。しかし日本ではそれ以外にヤドリギを利用する例は見られず、ヤドリギに関する伝承も見あたらない。むしろ、木を弱らせるとして駆除されてしまう場合も少なくない。もとより都会ではヤドリギの着くような木も少なくなり、頭上を見上げる余裕すらなくしている。
だがヤドリギには、何か人をひきつける魅力がある。一度その存在を知ってしまうと、冬にはつい落葉樹の枝先に目が行き、ヤドリギを探してしまうようになるのである。
# by greenerworld | 2017-12-26 11:32 | 花鳥風月
2017年 11月 16日
# by greenerworld | 2017-11-16 20:07 | レビュー
2016年 12月 10日
# by greenerworld | 2016-12-10 13:35 | 生物多様性
2016年 12月 09日
およそ1兆円もの国費を費やし、いまなお再稼働の見込みのないまま年間200億円という維持費が注ぎ込まれ続ける、高速増殖実験炉「もんじゅ」。ようやく政府は今月(2016年12月)中に廃炉を正式決定するという。
<内容>
■致命的な事故を起こしたもんじゅ。廃炉で核燃サイクル政策も転換と思いきや
■核燃サイクル政策を廃止すると既存原発も動かせなくなる
■官僚は決して失敗したとはいわない。このままでは泥沼に
■もんじゅの廃炉自体がまだ技術的めど立たず
もんじゅは廃炉にするが高速炉の開発は続けると経産省
国内の原発(軽水炉)の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すのは、高速増殖炉で反応させて、また新たなプルトニウム燃料をつくり出すという「夢の核燃料サイクル」のため。もんじゅはその開発のためのフェイズ2にあたる実験炉。このあとに、実証炉があり、次に実用炉(商用炉)がようやく実現する。
高速増殖炉はいまから60年も前の1956年に、原子力委員会がまとめた計画に基本構想として記載された。61年の「長期計画」では70年代後半に実用化の目標が置かれた。しかし、一向に実現する気配もなく、実用化は80年代後半、90年代、2010年ごろ、2050年と、ずるずる先送りされてきた。
原型炉である常陽(茨城県大洗市)は71年に着工して77年に初臨界を迎えている。常陽で得られたデータに基づいて建設されたもんじゅは83年着工、94年に臨界に達した。ところが95年暮れに出力を43%に上げたところで、冷却材である溶融ナトリウムの噴出・炎上事故を起こしてしまった。以後一度もまともに運転できないまま、巨額のコストを垂れ流し続けている。
ナトリウム漏れ事故はこのシステムの根幹に関わる致命的な事故だ。もんじゅが廃炉になれば、当然高速増殖炉を核とする核燃料サイクルは一から見直し、いや廃止になるものだと思っていたが、国(経済産業省)はそうは考えないらしい。
報道によれば、もんじゅは廃炉にしても高速炉開発は続け、今後10年程度、実証炉の開発作業を進め基本設計を固めるという。
実験炉を飛び越えて実証炉をつくる?
驚いたのは、次の炉が実証炉だということだ。実験炉のもんじゅはまともに運転データも取れていない。そのもんじゅを飛び越していきなり実証炉の建設に進むのだというのだ。必要なデータは、フランス政府の実証炉ASTRID(アストリッド)との共同研究と、常陽を活用するとしている。そのアストリッドは今まだ影も形もない。計画では2025年に運転開始予定なのだ。普通物事は、失敗したら、失敗したところからやり直すものである。今回であればもんじゅのどこがどう間違っていたのか、その検証を踏まえて、実験炉を作り直すというならまだわかる。それが、もんじゅより前の原型炉・常陽と、9年後にできる予定のフランスの実証炉でデータを集めて、実験炉を飛び越えて実証炉をつくるというんだから、なんだかもう無茶苦茶な話である。
要するに、国はもんじゅを失敗した実験炉だとは位置づけていない、ということなのだろう。運営主体たる動燃やその後継の日本原子力研究開発機構の組織に問題があっただけで、もんじゅは悪くない、というわけだ。官僚機構につきまとう無謬論である。官僚自身がつくり上げた責任回避の論理だ。
使用済み核燃料で行き詰まる原子力発電
もし核燃サイクルを放棄すると、使用済み核燃料も行き場を失う。青森県六ヶ所村に建設中の使用済み核燃料の再処理工場は、やはり何度も稼働が先送りされ続けている。その敷地内には各原発から運び込まれた使用済み燃料を保管するプールがあってすでに満杯状態だ。県と六ヶ所村は、核燃サイクルの実施が困難になった場合にはこの使用済み核燃料を施設外に搬出する、との覚書を日本原燃および2016年に設立された使用済燃料再処理機構(実質的に国)と取り交わしている。施設外というが、要するに元の場所(原発)に戻すということだ。各原発にはすでに使用済み核燃料が溜まり続けていて、そこに運び出した使用済み核燃料が戻ってくると、原発を動かしたくても動かせなくなってしまう。このため、東京電力と日本原子力発電は、青森県むつ市に再処理前の使用済み燃料を長期保存する中間貯蔵施設をつくった。関西電力は使用済み核燃料の中間貯蔵施設を2030年ごろに稼働させる計画を発表しているが、場所は決まっていない。
もう一つ問題がある。もんじゅを廃炉にし核燃サイクルも放棄するとなれば、これまで溜め込んだプルトニウムも宙に浮いてしまうことだ。ウラン燃料にプルトニウムを混ぜたMOX燃料を英仏に再処理を委託して製造しており、既存原発で使うプルサーマルでしのぐつもりだったが、原発の再稼働が遅れに遅れているし、プルサーマルとなればさらに強い反対が巻き起こるだろう。使うあてもないのに大量のプルトニウムを持ち続ければ、当然核拡散防止条約に引っかかってしまう。日本は、その気になれば核兵器に転用できるプルトニウムを持ち続けることで、「潜在的核抑止力」を維持したいと考えているが、核燃サイクルを放棄すればその根拠を失う。次期大統領のトランプ氏が、日本の核武装を容認する発言をしているが、国際的にはとても認められまい。
辻褄合わせの先送りでは問題はさらに深刻化
国が2006年に策定した「原子力立国計画」では、高速増殖炉の実証炉を2025年に導入としている。福島事故を経て状況が大きく変化しているにもかかわらずこの計画はまだ生きており、いまから実験炉をやり直していたらそれに間に合わない。かくして、もんじゅは失敗ではなく使命を終えたので廃炉にし、その次のフェイズ=実証炉に進む、という結論が導き出される。とにかく既存計画とすりあわせなければ全ての政策の歯車が狂ってしまうのである。しかし、方向も道筋も間違っているので、また早晩矛盾や行き詰まりに突き当たる。だがそのときにはこれまでの担当者の多くは退職しているか少なくとも担当を外れている。そのときの担当者がまた弥縫策を考え、御用学者を使ってお墨付きを与えればいい。こうして無責任な先送りが続く。そのツケを払わされる国民は好い面の皮だ。しかし、それほど遠くない将来、カタストロフに至ることは間違いない。この国の官僚機構の最大の問題点といってもいいと思うのは、この無謬論=無責任先送り体制である。核燃サイクル政策は誤りだった、と認めるところからしか、やり直しはできない。
ここへ来て廃炉に関して技術的な問題も解決していないことがわかった。ANNの報道によると、冷却材のナトリウムを取り除くめどが全く立っていないのだという。廃炉にどれだけの費用がかかるのかも不透明だが、そもそも廃炉が可能なのかもわからないのだ。それでもまだ、新高速炉の計画を進めるというなら、国民を巻き込んだ玉砕政策という他はない。
# by greenerworld | 2016-12-09 17:32 | 環境エネルギー政策
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