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生物多様性の劣化はより深刻に

 5月22日は「国際生物多様性の日」。

 今年は国際生物多様性年であり、生物多様性条約の目標年。5月10日には、生物多様性条約(CBD)事務局から『地球の生物多様性の概観 第3レポート』(GBO3)が発表された。GBOは、地球のあらゆる場所で人類の経済と生存を支えている自然のシステムが劣化、崩壊の危機にさらされていると警告している。以下はエグゼクティブサマリーからの抜粋。

 2002年に合意された条約の2010年目標は「地球規模、地域レベル及び国レベルにおける現状の生物多様性の喪失率の顕著な減少」というものだったが、まずレポートは、この目標が達成できなかったことを明らかにした。

 具体的には、

 ●平均して絶滅の危機にある種は、より絶滅に近づいた。両生類は最も危機的で、サンゴ類は急速に状況が悪化している。植物の種の4分の1近くが絶滅に瀕している。

 ●脊椎動物の種のほぼ3分の1が1970年~2006年の間に絶滅し、なお減少しつつある。とりわけ熱帯及び淡水域において減少が著しい。

 ●熱帯林やマングローブ林で自然生息地の減少速度が弱まってはいるものの、地球上のほとんどの場所で、その量的・質的減少が続いている。淡水の湿地、海氷、塩沢地(注:潟湖など)、サンゴ礁、藻場、貝礁(shell reefs)では深刻な減少が見られる。

 ●森林、河川やその他の生態系の断片化、劣化によって生物多様性・生態系サービスが失われている。

 ●農業系における作物や家畜の遺伝的多様性の減少も続いている。

 ●生物多様性の喪失をもたらす5つの要因(生息地の改変、過剰な開発、環境汚染、侵略的外来種、気候変動)はいずれも変わらないか、さらに激しくなっている。

 ●人類によるエコロジカルフットプリントは地球の生物学的な容量を超えており、その程度は2002年時点より大きくなっている。

 要するに、人為的な原因による生物多様性、生態系の劣化は史上最悪のスピードで続いており、このままでは人類の存続すら危ぶまれるという話である。

 ブログ子は、地球温暖化よりも生物多様性の方がずっと深刻だと思っているが、連立政権からは、温室効果ガス-25%に向けたアナウンスばかりで、生物多様性に関する取り組みの声はさっぱり聞こえてこない。10月には名古屋で節目のCOP10が開催されるというのに。

by greenerworld | 2010-05-14 10:39 | 生物多様性  

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