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2009年、日本は京都議定書目標を楽々クリア

 環境省では例年11月初旬〜中旬に前年度の温室効果ガス排出量の速報値を発表している。ところが今年は24日現在、発表されていない。何か公表(計算)が遅れる理由でもあったのだろうか。

 実は数日前に、欧米の研究チームが世界の2009年の温室効果ガス排出量を推計し発表している。これによると、マイナス1.3%と今世紀初めて(といっても9年間だが)前年よりも減少したそうだ。ただし、成長著しい中国は8%、インドは6.2%の増加で、減少は主に先進工業国でのこと。とくに日本は前年比11.8%の大幅な減少だという。

 2008年度(日本の場合は年度で計算)の環境省発表確定値は前年度比マイナス6.4%、京都議定書の基準年(フロン類以外は1990年)からは1.6%の増加というところまできていた。もちろんこれは同年9月のリーマンショックに端を発する経済危機により、経済活動が停滞したことによる。しかしこれはわずか半年のこと、09年にはもっと大きな影響が現れるだろうと思って、速報値を待っていたのだ。

 もし欧米グループの数値が大きく違わなければ、09年に日本は基準年比マイナス10.2%で、京都議定書の目標6%を大きく上回って削減したことになる。しかも、環境省の発表によると、議定書で認められた森林吸収分が3.5%あるというから、合わせてマイナス13.7%。炭素クレジットを海外から買うどころか、たくさん売ってもいい。

 環境省とすれば、ここのところずっと、温暖化対策の予算をたくさん付けてきた。温暖化対策と言えば予算が付いたと言ってもいい。でもこれでは、温暖化対策予算も見直しと言われかねない。

 そんなこんなで、温暖化対策は今後も重要であるという「言い訳」を幹部は今ごろ一生懸命考えているのではないか。それで公表が遅れているのでは? というのがブログ子の推理。

 クレジットをビジネスにしている企業もたいへんだ。この期に及んで、国内クレジットなんて、売れるのか。“温暖化業界”はどうなるのか。それにしても、リーマンショック恐るべし!

by greenerworld | 2010-11-24 21:38 | 気候変動  

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