浜岡原発は止められる
2011年 03月 20日
代替案というのは、短〜長期的にいくつかの段階に分けて考えなくてはならないが、短期的に見ても、浜岡原発を今すぐ止めてもなんら問題はないとブログ氏は考える。中部電力の資料によれば、電力量構成比に占める原子力の割合は14%程度(09年度)で、もともと東京電力(28%)や関西電力(45%)に比べ小さい。設備容量でいえば、全体の11%である。
中部電力管内のピーク電力は近年最も大きいのは08年の2821万kWだが、2009年は冷夏と不況の影響で2433万kWである。中部電力は火力発電だけで2400万kWの設備容量を持ち、水力発電と合わせると2500万kWあるので、2009年ピークであれば原発なしでもぎりぎり何とか乗り切れることになる。08年のピークであっても、夏期に一時的に供給不足が生じるおそれがあるということで、この時期の徹底的な省エネと、工場の輪番操業停止(休業)などで当面はしのげるはずだ。
数年単位では、天然ガス焚き発電設備を導入するのがいいだろう。ガスタービンなら100万kW級でも、突貫工事で半年〜1年で設置できる。既存火力発電所内か新設で300~400万kW分を増設、並行して事業所単位で、数十~数百kWのガスエンジン・ガスタービン発電を、できればコージェネレーションシステムとして導入する。100kWの設備を1万基導入すれば100万kW。もちろん、これではCO2排出が増えてしまう可能性がある。本質的には、エネルギーシステムのシフトを考える必要があるのだが、そのことについてはまたこのあと書く。
それでも1〜2年間は夏場に地域的な停電が起こることはありうると思う。暑い夏にエアコンを使えないのはつらいかもしれない。しかし浜岡原発は、近い将来間違いなく発生する東海地震の想定震源域の中心に立地する。東海地震では大規模な津波発生も予想されており、遠浅の遠州灘の海岸に立地する同原発への被害は福島第一以上と考えられる。破滅的な原発災害を受けるよりは、多少不自由でもそれを耐え、原発に頼らない安心できる社会を築き直した方がずっといいと思うのだが。
まず止めよう。それから議論しよう。今中部電力管内の人たちはその準備ができていると思う。
中部電力にとっても、浜岡原発は大きなリスクです。安全対策にこれからどれだけコストがかかるか見当もつきません。大事故が起これば会社が潰れます。もはやお荷物以外の何者でもないでしょう。今のうちにやめておいた方がいい。営利企業ならメンツは捨て、実利を取ることが大事だと思います(赤字部分3月24日加筆)。
by greenerworld | 2011-03-20 23:30 | 3.11後の世界