除染の現実
2012年 04月 06日

人工的な植え込みでさえこんな状況だから、山だったらいったいどうなのか。飯舘村は4分の3が林野。村の計画ではそこを20年かけて除染することになっている。表土をはぎ、枝を徹底的に落とし、幹は高圧洗浄する。そんなことをしたら、山の生態系は壊滅的だ。このあたりは古い花崗岩地帯で、表土の下はさらさらした砂質土なので、山崩れも起きるだろう。そもそも1万7000ヘクタールもある林野で、そんなことができるのか。さらに、今回の事故で汚染されたセシウム137が30万ベクレル/㎡以上の土地のうち、林野面積は13万8000ヘクタールにも及ぶのだ。
飯舘村内の小宮地区に、道ばたに土がうずたかく積み上げられている場所があった(写真下)。村民の話では山の斜面から落ちてきて側溝などにたまった土を除去したあと、持って行き場がなくここに「捨てた」らしい。近づくと線量計は20マイクロシーベルト/h以上を示した。近くの側溝からあふれた土を測ると、やはり20マイクロシーベルト/h以上。こんなところが飯舘村内のあちこちにある。道路・居住区を先に除染したとしても、山から汚染された土や落ち葉は流れてくるのだ。

内閣府の除染モデル事業の報告書もアップされたが、それを見ても除染の効果が限定的だということがわかる。いったい誰のための除染なのか。少なくとも被害住民のためではなさそうだ。除染はいつまでたっても終わらない。いやそれだからこそ、除染は「打ち出の小槌」なのか。
原発事故は収束などしていないし、被害者たちの置かれた状況は全く改善されず、むしろ放置されたままだ。い
ま必要なのは、安全で安心できる避難先を確保し、そこでの生活と仕事、コミュニティの再建に力を尽くすことではないだろうか。除染すれば復興できるというその掛け声は、この事故を矮小化し、原発再開への道を開こうとするものに聞こえてならない。by greenerworld | 2012-04-06 09:56 | 3.11後の世界

