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オール電化のCM自粛って、やっぱり・・・

 首都圏の猛暑もようやくここで一段落しそう。電力会社、マスコミあげての「電力供給危機キャンペーン」もこれで収まるのだろうか。大騒ぎの中で「やっぱり原発がないとたいへん、早く柏崎刈羽の再開を」という声が聞こえてきそうだった。とんでもない話だ。

 その柏崎刈羽原発が中越沖地震で停止して以来、東京電力が「オール電化」のCMを自粛している。供給不安が広がる中で、電力消費を増やすオール電化を宣伝するのはさすがに“不謹慎”と考えたのだろう。

 東電を始めとする電力各社はオール電化はCO2削減に結びつく、という立場だ。結局それも原発頼み。深夜電力が安いのは、その時間帯電気が余っているからだと思っている人がまだ多いが、そうではない。余っているのは発電設備である。高いお金を掛けて建設した発電設備を遊ばせておくより、使った方がずっといいに決まっている。だから、その時間帯の電力料金を安くして電力供給量を増やし、設備稼働率を上げるのがオール電化促進の目的だ。

 しかし、かといって昼間の電力需要のピーク(ピーク電力)は下がらない。オール電化はガスの需要を奪うだけで、ピーク電力シフトに結びつかないのだ。むしろオール電化が進めば、ピーク電力は高まる。そうすればますます遊休設備が生まれる。設備を遊ばせたくないから、電気を売る、そうするとさらにピーク電力が高まる……。

 こんな循環、おかしくありませんか? それに夜間に余っている発電設備というのは、天然ガスや石油が燃料(原発は一日中フルに動いている)。その分CO2が減るどころか、増えるのだ。

 日本の稼働中(運転休止中も含む)の原発55基(約4,800万kW)のうち、20基(約1,480万kW)は1970年代に運転開始したもの。地震がなくともこれからトラブルが増えるだろう。「電気を大切に」と本気で思っているなら、「オール電化」ではなく電気に頼らない生活をこそ推進すべきではないだろうか。それじゃ電力会社は成り立たない? いやいや海外にはいくらでも事例がありますよ。

 さても、東京電力がいつからオール電化のCMを復活させるのか興味深い。

by greenerworld | 2007-08-26 11:21 | エネルギー  

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