人気ブログランキング |

管理者へのメール / 管理者のプロフィール


2009年 10月 08日 ( 2 )

 

東電から「お知らせ」届く─太陽光発電余剰電力買取

 家に戻ると東京電力から封書が届いていた。「あれだな」とピンと来た通り、この11月から導入される、太陽光発電の余剰電力固定買取制についてのお知らせだった。
f0030644_23115738.jpg
 この2月に「太陽光発電世界一」を奪回するための方策の一つとして打ち出された、余剰電力の固定買取制度。7万円/kWの補助金も併用し、自治体の上乗せ補助も加えれば、10年ほどで元が取れるというふれこみだ。しかしそのおかげで我が国の再生可能エネルギー促進制度はおそろしく複雑なものとなってしまった。

 まず、電力会社に一定の再生可能電力利用を義務づけたRPS制度。RPS枠からはみ出した再生可能電力の「環境価値」を別途購入してもらうボランタリーなグリーン証書制度。それに補助金。さらにそれに今回の太陽光余剰電力固定買取制度が加わった。

 太陽光発電の固定買取価格は、住宅用(低圧供給)で10kW未満が48円(家庭用燃料電池などを併設の場合は39円)/kWh、10kW以上が24円(同20円)/kWh。非住宅用(高圧供給)は24円(同20円)/kWh。500kW以上と、50〜500kWで契約電力より最大電力が大きい場合は対象外。

 11月の検診日以降発生する余剰電力からが対象となり、契約申込期間は来年3月31日まで。10年間この価格が固定されて適用される。つまり、3月31日までに設置し契約すればこの価格での買い取りが以後10年間続く。3月31日以降は新価格が設定されると見られる。

 この買い取りにかかる費用は、来年4月から電力料金に上乗せされ、電力消費者が広く薄く負担することになる。

 さて、民主党のマニフェストには、太陽光に限らず再生可能エネルギー全般の全量固定買取が明記されている。今後各制度はどう変わるのか。早く方針を示してもらいたいものである。

by greenerworld | 2009-10-08 23:25 | 環境エネルギー政策  

ピークコール(石炭のピーク)も近づいている?

 石油メジャーBPが毎年発表している「Statistical Review of World Energy」から、2001年からの化石燃料の「可採年数」を抜き出してみた。可採年数は、その年の確認埋蔵量を生産量で割ったもの。つまり、その時点であと何年生産し続けることができるかという目安になる。確認埋蔵量も生産量も年によって変化するので、可採年数も変わる。石油も天然ガスも資源の限界といいながら、それぞれ40年、60年程度で維持されているのは新たに開発された油田・ガス田が加わってくるからで、「なんだかんだ言っても石油や天然ガスはなくならないんじゃないの?」という楽観論にも結びついている。しかし問題は究極埋蔵量がどれだけかということで、石油も天然ガスも中生代を中心にした過去の生物の遺骸が変化したものというケロジェン説に立てば、いずれピークは訪れる。実際、近年新発見される油田・ガス田はどれも大規模なものではない。ちょうどその年使った分が発見されているという状況だと思えばいいだろう。そのバランスが早晩崩れるというのが、ピークオイル派だけでなく、多くの資源専門家の見方。

 ところで、石炭についてはまだまだ資源は十分にあるという認識でいた。実際に5-6年前は可採年数が200年程度あったのだ。ところがデータを見てびっくり。年々下がり続けて、2008年の可採年数は122年に減ってしまっているではないか。
f0030644_1231161.jpg
化石エネルギーの可採年数の推移


 これはひとえに中国が石炭生産(と消費)を伸ばしているからだ。中国では発電燃料の8割が石炭である。工業用燃料としても石炭が大きな比率を占めている。中国の石炭生産と消費は98年から08年の間でそれぞれ、2.25倍と2.16倍に急増した。国内分だけでは足りず、オーストラリア中心に輸入も伸びている。中国一国で見ると、2008年の石炭の可採年数は41年。それも年々縮小している。この勢いが続けば、20〜30年で国内の石炭を掘り尽くしてしまいかねない。

 中国の旺盛な石炭需要を支えられるのは、当面はオーストラリア、その後はロシアとアメリカしかないのだ。輸入となれば、これまでのような安い石炭を使い続けられない。輸出国側との関係もある。中国は強い危機感を感じているにちがいない。中国の国家百年の計にとって地球温暖化よりエネルギー資源問題の方がより切実なはずだ。インドも似たような状況にある。両国が原子力発電への強いシフトを表明しているのは当然のことだろう。そうなるとウラン燃料の残りも心許なくなる。石油だけでなく、全ての既存エネルギーは、早晩ピークを迎える。22世紀はこのままでは暗黒の時代である。

by greenerworld | 2009-10-08 13:05 | エネルギー